区切りの10勝目をマークしたのもさることながら、岩隈にとって大きかったのは、“ノルマ”を達成したことだ。
岩隈は12年オフに年俸650万ドル(金額は以下、すべて推定=現在のレートで約6億6500万円)の2年契約を結び、マリナーズに残留した。3年目は球団が選択権をもっていたが、2年で合計350投球回を投げれば、契約は自動更新され、年俸は700万ドル(約7億1600万円)にアップする条項を盛り込んでいた。ノルマを達成した岩隈は、早くも来季の残留が決まった。
11年オフ、楽天から海外FA権を行使して、マリナーズに移籍した岩隈のメジャー初年度の年俸は150万ドル(当時のレートで約1億2500万円)。最大340万ドル(同約2億5500万円)の出来高も付いていたが、ノルマが達成できず獲得できなかった。
楽天時代の09〜11年、岩隈の年俸は3億円であったため、12年はその半減以下となってしまったが、3シーズン、メジャーで実績をつくったことで、来季年俸は7億円超。楽天時代の約2.4倍となる。
岩隈は田中将大投手(ヤンキース)やダルビッシュ有投手のような速球こそないものの、抜群のコントロールの良さが身上。今季、11日(同12日)現在、132回1/3を投げ、与四球はわずかに11、与死球は0。1試合あたり(9イニングで計算)の与四球率は0.75で、両リーグでトップだ。
早々に契約延長を決めた岩隈には、ぜひとも、昨季の14勝を上回る成績を残してほしいものだ。
(落合一郎)