まず、真山氏は「働き方改革というより働かせ方改革。経営者が働いている人に『こういう風に働きなさい。そうすると、効率上がりますよ。良いことありますよ』というムードになっている」とトップダウン型で推し進められているケースが多いと指摘。
続けて、「主人公である働いている人達の気持ちを測りきれていないのが心配」と従業員は自主性が発揮できず、やらされてる感が強いため、一過性のブームで終わってしまうと口にする。
また、真山氏は「そもそも働き方改革で一番気にしなければいけないのが、将来の不安が高くなっていること。『いつまで正社員でいれるんだ』『定年まで自分はいれるのか』…今までは家族主義で全部OKだったんですけど、そこに不安がある」と残業時間の削減や業務の効率化ばかりが推し進められており、従業員の多くが抱えている将来への不安を、働き方改革が満たしていないと語った。
リクルートワークス研究所が2017年に行った、働き方改革への満足度による調査では「不満」と「やや不満」が合わせて56.3%という結果に。およそ6割の人が不満を感じているようだ。
不満の主な理由は「仕事が終わらず、家に仕事を持ち帰ることが増えた」「残業できなくなったため、残業代が減った」などが挙げられている。業務量を変えず、人手を増やさず、報酬制度の見直しを検討しないまま、真っ先に「残業NG」を掲げている企業が多いことが、不満を大きく引き起こしているのではないだろうか。
「働き方改革=残業時間の削減」という認識をしている経営者は多いがそうではない。真山氏も指摘したように、経営者主導型の企業が未だに多いが、「なにが従業員にとって大切か」を第一に考え、自社に適した働き方改革を検討してほしい。