好調な業績を生み出している要因として、同ホールディングスの芝崎健一専務執行役員は「働き方改革を中心に構造改革を推進」しており、効果が出ていると説明。さらに「法人客全般に運賃見直しの交渉を進め、多くのご理解とご協力を得ることができました」と宅配便の値上げもプラスに作用したと語った。
アマゾンや楽天などのネット通販の拡大で宅配便の需要が高まったが、人件費や外注費も増加し収益が悪化。ヤマトは昨年10月から値上げに踏み切った。だが、値上げが結果的に、収益改善の大きな要因になったようだ。
今後、ヤマトは夜間配送に特化した配送員を1万人程度採用する予定で、さらなる事業拡大を目指すようだ。
日本人には値上げを嫌う傾向があり、値上げに抵抗を感じている企業は少なくない。だが、マイボイスコム株式会社が行った「消費者が最も利用したいと考える宅配事業者」の調査では、51.2%がヤマト運輸と回答。2位の日本郵便(16.5%)に大差をつけ、ダントツの1位に輝いた。質の高いサービスを提供していれば、値上げしても十分利益が出るということを、今回ヤマトが証明したと言っていいだろう。
サービスや製品に自信はあるが、なかなか労働生産性が上がらず頭を抱えている経営者は多いだろう。値上げを前向きに検討してもいいのかもしれない。