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社会 2012年05月18日 11時00分
死者7人 大破した殺人高速ツアーバス衝突事故の車内地獄絵図(2)
乗客の中には、金沢を出発する時から不吉な予感にとらわれる人もいたという。運転手の疲れ切った顔。バスは千葉県と金沢を往復する予定で、金沢行きの往路では運転手2人態勢だったが、ディズニーランド行きの復路はパートナーが体調を崩したため河野容疑者1人。河野容疑者は、バスを運行する『陸援隊』(千葉県印西市)の針生裕美秀社長に不安を訴えていたのだ。 最前列の左に座っていて助かった女性は、出発前にシートベルトが壊れているから直してくれるよう河野容疑者に告げたが、「運転中、締めている人なんていませんよ」と眠そうな声で返されたという。河野容疑者が出発直後から頻繁に急ブレーキをかけ、カーナビにばかり目をやっている姿を不審に思う乗客もいた。 加えてバスは、ツアーを企画した旅行会社が指定した上信越道とは異なるルートで東京方面に向かっていた。上信越道を走って浦安まで行くと510キロ。しかし、関越自動車道を走ると545キロ。この35キロの差は非常に大きいと関係者は指摘する。 「河野容疑者はうとうとしていたため、指定されていた上信越道を通り過ぎてしまった可能性もある。会社が指定したルートとは違うルートを辿っていることに焦りもあったのでしょう」(社会部記者) それでも、まだ居眠りを繰り返したわけだ。体が言うことをきかない状態だったのである。 「トイレ休憩のたびにアナウンスするんですが、眠いのか、何を言っているのかほとんど聞き取れなかった」 という乗客の証言もあるほどだ。 事故に遭ったツアーは、大阪の旅行会社、ハーヴェストホールディングスが「ハーベストライナー」の名でネットで募集したツアー。片道3500円で金沢-東京ディズニーランドを結ぶとあって、募集するとすぐに満席になった。 「高速バスには2つの形態があり、バス会社が国交省に路線の認可を受け、距離、時間などの運行計画を国に届ける高速路線バスと、認可も届け出も必要ない高速ツアーバスがある。規制緩和もあって、最近は高速ツアーバスが主流です。ツアーバスは旅行会社がネットで激安旅行の客を募集し、貸し切りバス会社に破格の価格で委託する。金沢−浦安が3500円ですから、在来と新幹線を乗り継ぐ電車に比べ6000円近く安い。人気が出るわけです」(旅行雑誌記者) 業界内では熾烈な値引き競争が繰り広げられている。旅行会社は新幹線や飛行機と比べ、とにかくお得感を出さなくては生き残れないため、東京−大阪が片道2000円のツアーも出ている。 今回においては問題がまだある。河野容疑者は元中国人で、'93年に来日、'94年に日本国籍を取得したという。中国残留孤児の家族という情報もある。千葉市内に住み、バス運転手であると同時に旅行会社も手掛けていると周囲に話していた。 前出の社会部記者が言う。 「河野容疑者は陸援隊の社員運転手ではなく、仕事がある時だけの日雇い契約でした。これは国交省の運輸規則に違反する行為。しかも、河野容疑者は個人でバスを所有し、これを『陸援隊』の名義にして、普段から中国人観光客をネットで集めてツアー客を運んでいた。つまり、白タクならぬ白バスを営業していたわけです。『陸援隊』はそれに加担していただけではなく、日雇いの仕事をさせる際に健康面もノーチェックというザル管理でした」 客の命を預かる商売としては、あまりに雑な運営。激安価格のバスツアーは全てこうなのか? とも疑いたくなる。陸援隊の針生社長は、「申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と話すが、死傷者45人への今後の補償も気掛かりだ。 一方、会見に応じたハーヴェスト社の幹部は、「申し訳ない」としながらも「法令上の問題はない」と責任を回避。しかし国交省関係者は、「旅行業者がバス事業者に無理な運行計画を強要する場合もある。決して責任がないとはいえない」と言う。 いくらデフレの時代とはいえ、安全を軽んじたこうしたビジネスを今後存続させていいのか。殺人ツアーバスによる7人の死を無駄にしてはならない。
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社会 2012年05月18日 11時00分
東海・東南海・南海連動地震を予感させる硫黄島近海の“異変”
「超巨大地震は、例外なく火山噴火を誘発している」 東京大学・藤井敏嗣名誉教授のこの不気味な学説が、現実味を帯びている。 4月29日、小笠原諸島の南にある硫黄島の沖合で海水が変色しているのが確認され、気象庁によって「海底火山が噴火したのではないか」と伝えられた。 「硫黄島は小笠原諸島の父島の南230キロあまりにあって、6年前から島全体の地殻変動が観測され、3月には島の西部にある火口でごく小規模な水蒸気爆発が発生している。また4月に入って小規模な地震活動が確認されており、29日夜明け前に一時、火山性の微動も観測されている。硫黄島には一般住民は住んでおらず、海自、空自の基地があるだけですが、用心するに越したことはありません。ただし日本列島にある活火山との関係は不明です」(気象庁関係者) 2004年のスマトラ島大地震から3カ月半後には同島のタラン火山などが噴火。日本ではおよそ300年前に、西日本と東日本で大きな被害が出た「宝永地震」の約1カ月後に、富士山で大規模な噴火が起きている。 硫黄島異変の20日前に、実はもう一つの異変が起きていた。三重県伊勢市にある観光スポット夫婦岩の完全露出だ。ここは普段、引き潮のときでも海水に浸っているにもかかわらず、突如、根元まで丸見えになり、地元住民が「天変地異の予兆じゃなければいいが…」と心配顔になっているのだ。両者に共通項はあるのだろうか。 「夫婦岩が露出した同日には、インドネシア西部でマグニチュード8.6の大地震が発生している。伊勢湾は、東海・東南海・南海の連動型地震の発生が懸念される南海トラフとも近い。夫婦岩の隆起は、地震発生前に海底に無数の亀裂が入り、真空部分が生じ、そこに海水が引き込まれるという現象の可能性もある」(同) 夫婦岩は伊勢湾の沖合700メートルの海中にある「興玉神石」という「ご神体」を護る鳥居だ。完全露出は、巨大地震を想定した神からのお告げかもしれない。
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社会 2012年05月18日 10時57分
万引で教師クビでも退職金は満額支払い!
元教諭の退職金を巡り、興味深い和解が成立した。 スーパーで計766円の食料品を万引し、窃盗容疑で現行犯逮捕されたとして、懲戒免職処分を受けた大阪府立高校の元教諭の女性(60)が、処分は重すぎるとして府に取り消しを求めた訴訟で、府が処分を取り消し、退職金相当額の約1800万円を支払うことで、大阪高裁で和解することが5月16日に分かった。 女性は08年10月、奈良県内のスーパーで焼き豚やキュウリなど、計766円相当を盗んだ疑いで現行犯逮捕された。不起訴処分になったが、府教委は09年1月、当時の懲戒処分基準に従って免職処分とした。 処分に不服の女性は10年11月に処分取り消しを求めて大阪地裁に提訴し、今年1月の地裁判決で「万引した金額に比べ、教員免許取り消しなど女性が受けた被害が大きい」として勝訴。府は控訴したが、大阪高裁が今月7日、処分取り消しと退職金相当額の支払いを柱とする和解案を提示していた。 府教委は16日に和解案を了承した。府教委担当者は「控訴審でも敗訴の可能性が高く、和解案を受諾した」と話している。 不起訴処分になったとはいえ、万引したのは事実。確かにわずか766円相当の少額だが、罪の重さは金額の大小なのだろうか。 そもそも、教職者がその立場にあるまじき行為を犯したこと自体が問題。それでいて、退職金は減額ならともかく、満額相当をもらえることに釈然としない方も多いのではなかろうか。(蔵元英二)
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芸能ネタ 2012年05月17日 18時00分
“妹キャラ”捨てセクシー系に転向? 皆藤愛子にヘアヌード依頼急増
フリーアナウンサー・皆藤愛子に、ヘアヌード依頼が急増している。 愛ちゃんが“妹キャラ”を卒業し、セクシー系へ転向宣言をしたためだ。最新の月刊誌『ゲーテ』WEB版で「もう妹気分ではいられない」と突如イメージチェンジを明らかにしている。 WEB版に掲載された写真は、長いつけまつげに化粧も濃い目の娼婦系。さらに、黒ストッキングでパンティーラインもくっきりわかるヒップ密着のスカート姿で登場。ファンなら生唾ものだろう。 こうした動きは、今年3月末で7年間出てきた『めざましテレビ』(フジ系)を降板したのがきっかけとみてよい。 4月からは同番組司会者が、闘病中の大塚範一から局アナの三宅正治に交代。早大在学中からお天気キャスターとして人気があった愛ちゃんだが、それにともないリストラの憂き目にあった。 愛ちゃんにはまだ『めざましどようび』(フジ系)、ハウス食品などのCMが4本、ニッポン放送『あいラジ』が残っている。しかし、28歳という微妙な年齢のため、今後、仕事急増とはいかないだろう。生き残り策は、アラサーの魅力で勝負するしかないのだ。 「『めざまし』での愛ちゃんは、年間推定5000万円の稼ぎがあった。それもいまは半減。事務所(セント・フォース)は、まだ皆藤で稼ぎたいようです。そこでフェロモン系女優へと転身させる計画です」(事務所関係者) 早くも計画を知ったヘアヌード商人たちが標的にし始めている。 「依頼が殺到しています。5000万円前後の契約金プラス歩合制など、かなり愛ちゃんにとっては有利な条件が多い」(出版編集者) 愛ちゃんのヘアヌード写真集なら、最低でも10万部は堅い。事務所も後押ししているというから楽しみである。
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芸能ニュース 2012年05月17日 15時30分
さっぱりワイルドじゃなかったスギちゃんのバイト時代
両袖のないGジャンとデニムの短パン姿で、「ワイルドだろぉ?」の決めゼリフで人気急上昇中のピン芸人・スギちゃんだが、ワイルドじゃなかったバイト時代を発売中の「週刊文春」(文藝春秋)が報じている。 バイト仲間の芸人たちが同誌に暴露しているが、それによると、07年から2年ほど都内のスーパーの食品売り場で庶務を担当。仕事は商品の陳列で午前9時から正午ぐらいのシフトで時給は1200円。スギちゃんは朝6時半に店の鍵を開け納品車が運んできた商品を店内に移す仕事を任されたにもかかわらず、寝坊して2時間も遅刻し、店の前に納品車の渋滞が。そのため店をクビになってしまったというのだ。 スーパーの前はラブホテルでベッドメイクの仕事をしていたが、勝手に部屋の風呂に入って全裸で部屋清掃をしていたのを見回りの従業員にみつかってクビに。ある意味、ワイルドな振る舞いだったが、シャレでは済まされなかったようだ。 スギちゃんは今年で芸歴18年目の苦労人。3月の「R-1ぐらんぷり」で準優勝し一気にブレークしたが、ブレーク後は出演したテレビ番組で性についてのワイルドなエピソードを明かしていたというのだ。 「4月中旬に『カンニングの恋愛中毒』(BSフジ)に出演した際、『18歳の夏休み「ニュース23」(TBS系)を見ながら何気なく(下半身を)触ってたらビャって出たんですよ。だから初めてイッたのが筑紫哲也さん。思い出の人です。ワイルドだろ〜』などワイルドすぎる性についてのエピソードを暴露。苦労人だけに性格もかなり良いようで、“一発屋”として消えないようにかなり勉強しているようだ」(テレビ関係者) 今やテレビやイベントに引っ張りだこだが、来年の今ごろまでワイルドに生き残ってほしいものだ。
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芸能ニュース 2012年05月17日 15時30分
【AKB48総選挙直前企画(1)】躍進が期待されるメンバーは?
アイドルグループ、AKB48の第4回総選挙の開票が6月6日に行われるが、リアルライブ編集部では、今回の総選挙では、どんな展開が待っているのかを全6回で徹底予想。第1回目は躍進が期待されるメンバーを分析したい。 絶対的エース、前田敦子が不参加を表明した今回の選挙だが、上位陣に大きな変動はあまりないのではというのが大方の予想だ。そんな中、躍進が期待されるのがSKE48の松井玲奈(昨年10位)だ。握手会での対応がファンから好評で、いまやSKE48のエースとして活躍。「勢いに乗れば5位以内、もしかすると3位なんてこともあるかもしれません。彼女の躍進は地方グループの励みになるでしょう」(同)。AKB48の牙城を名古屋のエースが切り崩すことができるのか注目だ。 昨年、大きく躍進したのが、指原莉乃(昨年9位)。そもそも「ヘタレキャラ」でブレイクした彼女だが、今年はソロデビューもして大活躍。そんな彼女だが、その結果が票数に結びつくかは微妙との声もある。「昨年もソロで活躍が著しかった板野友美が神7から陥落しました。ソロの活動は直接票数に結びつかないのかもしれません。それに彼女はあまりのゴリ推しにアンチも多く作ってしまいましたし…」(アイドルライター)。順位は昨年より良くても、大躍進とまではいかない可能性が高い。 昨年、圏外から19位となり、ふらふらになりながら壇上でファンに感謝の言葉を述べた横山由依だが、今回、横山のように圏外から突然、上位に進出するメンバーは現れるのか。昨年、圏外のメンバーを見渡すと、もっともその可能性を秘めているのがNMB48の渡辺美優紀だという。「昨年は速報ではランクインしたものの、結局は圏外となってしまいました。ただ、ポテンシャルは非常に高く、ファンを一発で虜にしてしまうことから、グループ一番の“釣り師”と呼ばれています。20位台に入る可能性はありますよ」(同) 彼女たち以外にも、意外な伏兵は現れるのか…6月6日が楽しみだ。
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その他 2012年05月17日 15時30分
ファイナリストの魅力が満載の「ミス龍が如く5を探せ」公式サイト
累計出荷本数が500万本を突破した『龍が如く』シリーズ。そのシリーズの正統ナンバリングタイトルとして、PlayStation3用で現在製作中の『龍が如く5(仮)』を11月24日から札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の各都市を代表して応援する女性を決定する全国5大都市オーディション「ミス龍が如く5を探せ」を開催している。応募締め切り日である今年1月20日までに1,000人以上が応募、2月28日の東京会場を皮切りに書類選考を通過した約200名による1次審査を各都市で実施。ファイナリストの15名が決定した。 「ミス龍が如く5を探せ」の公式サイトでは、「web一般投票 http://ryu-ga-gotoku.com/audition」を実施。同サイトでは、ファイナリストの写真やプロフィールの他、インタビュー動画の配信も行われている。また、投票期間は6月29日までで、7月上旬に行われる最終公開オーディションの参考になる。 さらに、同サイトでは、ファイナリスト15名が様々な企画にチャレンジする動画番組「ミス龍が如く5TVin全国5大都市」を開設。ご当地自慢や街のレポートなど彼女たちの魅力をあますことなく見ることができる。●全国5大都市オーディション『ミス龍が如く5を探せ!』Web一般投票投票方法:『ミス龍が如く5を探せ!』オーディションサイトよりhttp://ryu-ga-gotoku.com/audition(PC、ケータイ共通)※ケータイからはインタビュー動画は見られません。※投票は一日一回限りとさせていただきます。※選考内容及び選考結果に関するお問い合わせの回答は一切行っておりません。投票期間:4月9日(月)〜 6月29日(金)まで
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スポーツ 2012年05月17日 15時30分
旧K-1運営会社FEGが破産! 新生K-1では魔裟斗がプロデューサー就任
民間調査会社の帝国データバンクは5月16日、格闘技イベント・K-1を運営していた株式会社FEG(東京・渋谷区)が、7日付で東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。負債総額は調査中。 発表によると、ここ数年はスポンサー収入の減少やファン離れが進み、同社の資金繰りが悪化。選手へのファイトマネーの支払いも滞っていたという。 これを受けて、同社社長で旧K-1元イベントプロデューサーの谷川貞治氏が、同日、4月5日以来、約1カ月ぶりに旧K-1のホームページを更新。「ファン並びに、関係者の皆さまへ」と題して、コメントを発表した。 谷川氏によると、4月10日頃に東京地裁より、破産手続き申し立ての通達があったという。訴えたのは、K-1にセーム・シュルトらの有力選手を派遣していたオランダの格闘技ジム・ゴールデングローリーを運営するノックアウト・インベストメント社(バス・ブーン代表)。ブーン代表は10年の「K-1 GP 決勝戦」、同年大みそか「Dynamite!!」の2大会のファイトマネー未払いが解消されていないため提訴した。 裁判はゴールデンウイーク(GW)前に2回に分けて行われ、裁判所から破産の命令が下った。GW明けには管財人が決定し、現在は破産手続きに入っている。今後、FEGは管財人の管轄となり、公正に資産と負債が整理され、債権者に通達されることになる。 谷川氏は「K-1のために、これまで頑張ってくれたファイターや競技役員の皆さん、業者の皆さん、そして何よりも共に最後まで汗を流した社員の皆さんには、取締役の代表として申し訳ない気持ちでいっぱいです。今の私には謝罪しかできませんが、今後の人生で、その数々のご恩に少しでも報いたいと思っています」と語っている。ホームページ上では、これが最後のメッセージとなるもよう。 すでに、「K-1」の商標権は香港のK-1グローバル・ホールディング・リミテッド社(金健一社長)に移行し、同社運営のもと、新生K-1はスタートを切っている。世界大会は5月27日、スペイン・マドリード大会を皮切りに、年内は米国、台北で全5大会を開催予定。 皮肉にも、新生K-1は旧体制の破産が明らかになった同日に会見を開き、元K-1 WORLD MAX覇者の魔裟斗が、エグゼクティブプロデューサーに就任したことを発表。魔裟斗はマッチメーク、選手の発掘、競技全般の統括を担う。魔裟斗は「K-1を建て直して、格闘技界がナメられている状況を変える。選手たちに舞台を提供して、夢をつなげていきたい」と所信表明した。 隆盛から没落へ。世界的にイメージダウンしたK-1ブランドを再建するのは、生半可な努力ではできないだろう。新生K-1の再建は魔裟斗の手に委ねられることになる。(落合一郎)
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社会 2012年05月17日 15時00分
拡大する尖閣諸島を巡る政府批判
石原慎太郎都知事の“尖閣購入”宣言に対し、都議会関係者の一人が語った。 「講演をセッティングしたのは『ヘリテージ財団』というタカ派で知られる保守系シンクタンクです。日本の防衛族とも関係が深く、中国に対する強硬な姿勢でも名高い。そういう背景があってのことですが、問題は都民の税金で買い上げるわけで、まず都議会は通らない。反中国で有名な石原発言だけに、中国側の反発も倍加するでしょう」 実はこの尖閣諸島最大の魚釣島には、わが国固有の動植物が生息している、と思われる。推定にとどまる理由は、この島に上陸することも近づくことも、外務省が事実上禁じているからだ。 アルピニスト・野口健氏のホームページによると、ここには多くの固有種が確認され、中でもセンカクモグラは、日本哺乳類学会により危急種に指定され、いずれも環境省、沖縄県のレッドリスト(絶滅のおそれのある動植物リスト)で最上位の『絶滅危惧IA類』に指定されているという。 これらを救おうと野口氏らが『センカクモグラを守る会』を立ち上げ、全国で講演会などを開催している。ちょうど中国漁船衝突事件の後に開かれた会に出席した一人が、そのときの様子を語った。 「センカクモグラに関する講演よりも、日本の外務省はなぜ調査の上陸さえ許さないのかという政府・外務省批判が主催者、観衆ともに大きかった。魚釣島の地権者の方も来賓されており、自然保護さえ許さない政府の姿勢に批判的でした」 国は今まで、カネは出すが口は出さない姿勢を貫いてきた。しかし、絶滅危惧種を見て見ぬふりは許されない。まさに一刻の猶予もない状況だけに、さっさと買い取って保護に努める必要があるだろう。動植物を救うという大儀なら、日本人全員が賛成するのでは?
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社会 2012年05月17日 12時28分
死者7人 大破した殺人高速ツアーバス衝突事故の車内地獄絵図(1)
明け方の静寂を引き裂く「ドーン!」という大爆音が、群馬県の関越自動車道藤岡ジャンクション付近の住宅街にまで轟いたのは、4月29日午前5時前のことだった。 近所に雷でも落ちたのか−−。地元住民が錯覚したほどの轟音。しかしそれは、関越自動車道を走行中の大型バスが防音壁に突っ込んだ音だった。バスがブレーキをかけた痕跡は認められず、時速93キロのまま側壁に激突。バスを運転していた河野化山容疑者(43・自動車運転過失致死傷容疑で逮捕)は、その時の様子を「居眠りをしていて事故当時のことは覚えていない」などと供述している。 乗客45人のうち、死亡は7人。事故直後、車内では衝撃で座席から投げ出された血まみれの乗客が4、5人、前方の床に折り重なり合うように倒れていた。かすかな呻き声を上げる乗客もいたが、既に心肺停止状態の人がほとんどだったという。その多くは圧死。内臓破裂の人もいた。 何より、無事だった乗客が驚愕したのは、防音壁の厚い鉄板がフロンドガラスを突き破り、後部座席近くまで達していたことだ。さらにバスの左半分は高速道路からはみ出している。実況見分によれば、防音壁は全長12メートルの車体の左前方から、縦に10.5メートルまで貫いていた。まるで、豆腐に包丁を入れたような格好となったわけだ。 そんな中、防音壁と座席に挟まれ、身動きできず痛みと恐怖で叫ぶ人もいた。 「一瞬何が起きたのかわからなかった。でも、バスが大破して下から煙が立ち上っている。窓からの脱出を試みたが、窓はびくともしなかった」 と、その絶望的な状況を振り返る乗客もいる。実際に最前列左の窓は目茶苦茶になったものの、変形して窓が開かず、救出ではレスキュー隊が窓を割って一人ひとり引きずり出したほどだ。 辛くも救出されて助かった人の中にも、肩から上を血に染めた女性や、顔面を強打し歯を折った若者もいた。 夜行バスで熟睡できる乗客はあまりいない。走行中ほとんどの人が寝たり起きたりを繰り返していたという。物凄い衝撃で浅い眠りから叩き起こされると、車内は阿鼻叫喚の地獄絵図だったのだ。 亡くなった乗客は、ほとんどが左側座席の最前列から5列目に座っていた。唯一、8列目にいた金沢市に住む木沢正弘さん(50)は、長女とディズニーランドに向かう途中で事故に遭い、大破したバスから長女を脱出させると息絶えた。 「お父さんを返してください。返してください」 事故後、妻は泣きながら叫んだ。