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拡大する尖閣諸島を巡る政府批判

 石原慎太郎都知事の“尖閣購入”宣言に対し、都議会関係者の一人が語った。
 「講演をセッティングしたのは『ヘリテージ財団』というタカ派で知られる保守系シンクタンクです。日本の防衛族とも関係が深く、中国に対する強硬な姿勢でも名高い。そういう背景があってのことですが、問題は都民の税金で買い上げるわけで、まず都議会は通らない。反中国で有名な石原発言だけに、中国側の反発も倍加するでしょう」

 実はこの尖閣諸島最大の魚釣島には、わが国固有の動植物が生息している、と思われる。推定にとどまる理由は、この島に上陸することも近づくことも、外務省が事実上禁じているからだ。
 アルピニスト・野口健氏のホームページによると、ここには多くの固有種が確認され、中でもセンカクモグラは、日本哺乳類学会により危急種に指定され、いずれも環境省、沖縄県のレッドリスト(絶滅のおそれのある動植物リスト)で最上位の『絶滅危惧IA類』に指定されているという。
 これらを救おうと野口氏らが『センカクモグラを守る会』を立ち上げ、全国で講演会などを開催している。ちょうど中国漁船衝突事件の後に開かれた会に出席した一人が、そのときの様子を語った。
 「センカクモグラに関する講演よりも、日本の外務省はなぜ調査の上陸さえ許さないのかという政府・外務省批判が主催者、観衆ともに大きかった。魚釣島の地権者の方も来賓されており、自然保護さえ許さない政府の姿勢に批判的でした」

 国は今まで、カネは出すが口は出さない姿勢を貫いてきた。しかし、絶滅危惧種を見て見ぬふりは許されない。まさに一刻の猶予もない状況だけに、さっさと買い取って保護に努める必要があるだろう。動植物を救うという大儀なら、日本人全員が賛成するのでは?

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