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社会 2009年04月13日 15時00分
石原都知事が陸自練馬駐屯地で祝辞
東京都練馬区の陸上自衛隊練馬駐屯地(師団長・渡邉隆陸将)で12日、同駐屯地と陸上自衛隊第1師団の創立記念行事が開かれ、隊員約1000人と車両約100両が観閲行進を行った。 式典には石原慎太郎知事(76)も出席。先ごろ北朝鮮が発射したミサイル問題に触れ、国連安全保障理事会での制裁が議長声明に終わる見通しとなったことを批判した。 「相変わらず日本は国連さまに依存し、結局何の役にも立たなかったじゃありませんか。国連は虚構のメカニズムだったんです。私たちは国連やアメリカを気にしなくとも自分自身でこの国を十分守れるんです」と隊員を激励した。
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芸能 2009年04月13日 15時00分
人物クローズアップ 映画「おっぱいバレー」監督 羽住英一郎が撮影秘話を語る
奇抜なタイトルが話題を呼んでいる映画「おっぱいバレー」が18日から公開される。綾瀬はるか(24)演じる中学教師が、ダメ男子バレー部員と勝利と引き換えにおっぱいを見せる約束をする学園コメディー。このさわやかな世界をイチから作り上げた羽住英一郎監督(42)に話を聞いた。 原作は水野宗徳の同名小説。プロデューサーが映像化権を獲得したものの、監督やヒロインが半年間も決まらず、一度はお流れになったそうだ。 「別件でプロデューサーと打ち合わせをしていたとき、机の上に積んであった一冊の本が目に止まって。背表紙しか見えなかったけどタイトルのインパクトに引かれて。これ何ですか? って聞いたら、映画の案件だけど断わったって。なんかピンと来て借りて読んでみたら、思ったとおり面白い。監督なら私がやりますと言って、映画化の話を復活させたんです」 主人公の美香子は新任の臨時教師。男子バレー部の顧問になったものの部員が5人しかおらず、やる気ゼロでボールにすら触ったことのない者ばかり。常に女のことしか頭になく、周囲は「馬鹿部」呼ばわり。そこで美香子が「頑張るなら先生なんでもする」と宣言したところ、部員から「試合に勝ったら先生のおっぱいを見せてくれ」と迫られ、断り切れず約束してしまう。部員らは一転して練習に励み、美香子も「おっぱいは見せたくないけど試合にも負けたくない」という複雑な心境に。ところが試合の直前、約束が学校にバレて大問題…という物語だ。 「原作は実話を元にした話。笑えるけど、タイトルに似合わず感動もある。15年ほど前に『クール・ランニング』という映画があったでしょう。ジャマイカのボブスレー代表が冬季五輪に出場する実話をもとにした。あれに似た匂いを感じたんです。おっぱい先生とダメ中学生という内容がシンプルだし、結末も気になる。面白い映画になると直感しました」 ただ、設定を大幅に変えた点が2つ。それは時代と場所。原作は現代の話だが、映画では30年前の1979年に設定した。 「おっぱいなんて今じゃネットで簡単に見ることができるし、コンビニには成人雑誌が並んでいる。中学生とおっぱいの間に距離がないんです。でも30年前は中学生にとっておっぱいに関する情報が現在とは比較にならないほど少ない時代でした。しかも30年前は先生と生徒の関係もシンプルだったし。今は体罰やセクハラ、モンスターペアレンツなど、非常に難しい時代ですから」 原作では静岡だった舞台も北九州に変更。静岡へロケハン(撮影地の下見)に行ったものの、30年前の街並みなど残っているはずもない。そんな折、北九州フィルム・コミッション(FC)が熱心に働きかけてきたという。フィルム・コミッションとは撮影場所の誘致や支援を行う、地方自治体の公的機関のことだ。 「北九州へロケハンに行ったら“昭和の街”という設定にドンピシャ。製鉄業の街だけにバブルが来てないので、当時の雰囲気が残っているんです。しかもロケ地が決まっていない段階から、北九州FCは北九州市の教育委員会に諮って校舎探しまでやってくれて。現役の学校で撮影は無理ですから、校舎探しって大変なんです。おかげで最適な廃校が見つかりました。これも北九州に決めた理由のひとつですね」 なかなか映画化が実現できなかった理由のひとつに主演女優選びが難航したこともある。綾瀬はるかを起用したのは、女性にも見てもらえる映画にしたかったからだ。 「男性はタイトルに引かれて興味を抱くだろうけど、女性からはキワモノ映画だと思われるかも知れない。なのでヒロインの要素は女性からの共感を得られ、清潔感があり、おっぱいを見せる約束を強引に迫ればなんとなく押し切られそうな人(笑)。しかも綾瀬さんは美香子と同じ23歳。特に何も演出せず、素のまま演じてもらいました。今となっては綾瀬さん以外には考えられませんね」 一方、男子中学生たちはオーディションで選出。ポイントはワイ談が好きで、常にエッチなことばかり考えていること。 「その中から特にダメな6人を厳選(笑)。その中に“江ブー”というデブキャラがいるんですが、彼を演じた恵隆一郎君なんてクランクインの前に痩せようとしてましたからね、モテたい一心で。結局ヤセられなかったから、何の支障もなかったんですが。それぐらいダメダメでした(笑)」 撮影中、そのダメぶりが実は不安で仕方なかったと明かす。 「みんないいキャラしてるけど、なにせ芝居ができない(笑)。でも一カ月半の間に顔つきも変わったし、いい感じで地に足が着いていった。順撮り(シナリオにあるシーンの順番通り撮影していく方法)で撮影したので、大人に混じって成長していく彼らの姿が形として記録されています」 とはいえ微妙な年ごろだけに、そうしたダメっぷりをなかなか人前ではさらけ出さないものだ。 「最初は彼らも“おっぱい”と口に出せなかった。それじゃダメだと。イタリア語の“チャオ”みたいに全員あいさつで“おっぱい”って言おうと決めたんです。すると彼ら、綾瀬さんにも“おはようおっぱい!”とか言っていいのか? って聞いてきたから、あいさつだから当然だと。そしたら今度は逆に調子に乗ってきて(笑)」 撮影で苦労した点を尋ねると「何もない」という答えが返ってきた。 「撮影中に苦い思いをしても振り返ればいい思い出だった…みたいな経験は過去にもあるけど、それすらありませんでした。子供たちの夏休みが終わる8月31日にクランクアップしたんですが、むしろ“これでお別れかぁ”と寂しかったほど。祭りが終わった…みたいな感じかな。この夏は二度と来ない。だからこそ綾瀬さんも子供たちも撮影を楽しもうというところがありました。そうした雰囲気がフィルムの中に醸し出されているように思えますね」 79年という時代を表すのに重要な役割を担っているのが音楽。すべて往時のヒット曲で、どれも監督自身が選曲した。 「アラフォー世代にはドンピシャですが、20代の若い子たちにとっては懐メロ。そうした若い子が聞いてもいいなと思える曲を選びました」 エンディングで流れるのはフィンガー5の「個人授業」。歌っているのはELTの持田香織とオリジナル・ラヴの田島貴男によるスペシャルユニット“CaoCao”だ。 「見終えたとき79年から現在に戻るタイムトンネル的な役割を果たせるような、明るい感じの曲で締めたかったんです。それに作品が年上の女性からの目線で作られているので、ここに子供からの目線も入れたいなと」 最後に、「おっぱいバレー」というタイトルゆえに鑑賞をためらっている方へのメッセージで締めくくってもらった。 「ちょっと見るのが恥ずかしい、チケットを買いにくいという方も多いと思います。でも、勇気を持って見ていただければ(笑)、スッキリ元気になります。恋人や同僚を誘って、ぜひご覧ください。タイトルとは裏腹のさわやかな内容だけに、逆に“いいセンスしてる”って誉められるかも知れませんよ(笑)」プロフィールはすみ えいいちろう1967年3月29日、千葉県生まれ。ROBOT映画部に在籍。数多くのドラマで演出補を務めた後、映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」「スペーストラベラーズ」に助監督や監督補として参加。04年「海猿」で劇場映画監督デビュー。05年に自らの企画として「逆境ナイン」を監督。06年「LIMIT OF LOVE 海猿」が実写邦画ナンバーワンヒットを記録。08年「銀色のシーズン」がヒット。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
全日本プロレス 王道マット非常事態
全日本プロレス「チャンピオン・カーニバル(CC)2009最終戦」が12日、東京・JCBホールで行われ、“世界一性格の悪い男”鈴木みのるが初優勝した。例年ならCC覇者は、三冠王者に挑戦するのが通例だが、性悪男は同じGURENTAIの盟友である“帝王”高山善廣が保持する同王座に挑戦することを拒否。帝王も盟友対決を突っぱね、春の祭典を終えた全日マットはGURENTAIに掌握される非常事態に突入だ。 予選1位通過の小島聡や武藤敬司ら、全日プロ本隊の看板戦士が不覚を取る中、性悪男が春の栄冠をかっさらった。 コンディションは決して万全ではなった。今シリーズの小島戦で痛めた首を幾度となく攻め立てられ悲鳴をあげた。決勝進出を懸けた武藤戦では、ネックスクリューや首へのシャイニングウィザードを食らって苦悶。決勝でもカズ・ハヤシにジャーマンで投げ捨てられ、ピンチの連続だった。 みのるは首に大きなダメージを抱えながらも試合巧者ぶりで勝利をものにした。武藤戦ではプロレス界きっての策士を翻ろう。シャイニングウィザード3連発で追い込まれた絶体絶命の局面も、首を痛がる素振りでノラリクラリと攻撃を交わし、スキを見せた武藤をゴッチ式パイルドライバーを決めて逆転勝ち。 決勝でも巧みな試合運びだった。序盤は首攻撃に苦戦するも、カズのハンドスプリングを背後から捕獲して形勢逆転。スリーパーから逆落とし、ダメ押しのゴッチ式パイルドライバーにつなぐ必殺フルコースで、23分35秒の熱戦に終止符を打った。試合後は「改めて名乗るが、この俺が2009年チャンピオンカーニバル覇者、GURENTAIの鈴木みのるだ」と吠えた。 先シリーズ3・14両国大会では高山善廣が、グレート・ムタから全日プロの至宝、三冠ヘビー級王座を獲得したことに続く、みのるのCC制覇。GURENTAIはまたも栄冠を手にした。 CC制覇にみのるは「GURENTAIには三冠と俺の持ってるアジアタッグと世界タッグ…、全日本の10本のベルトうち9本がある。今回、俺がどうしても優勝したかったのは勲章を独占したかったからだ」と高笑いが止まらない。 例年ならCC覇者は3冠に挑戦する。だが、みのるは「チャンピオンカーニバルは三冠の予選会じゃねぇ」と拒否。王者の高山も「このトーナメントを価値あるものにするなら、すぐに挑戦するべきじゃない」と盟友とのタイトル戦は行わない意向を示した。 性悪男のCC制覇で、カズの持つ世界ジュニアヘビー級王座以外の勲章を、外敵GURENTAIが総ナメにした。春の栄冠獲りで勢いがついたみのるは、全日マットを牛耳る構えだ。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
全日本プロレス ジュニア戦士カズ感涙の準V
世界ジュニアヘビー級王者のカズ・ハヤシが、ジュニア戦士で史上初の準優勝だ。 予選リーグでは武藤敬司から3カウントを奪う大金星を挙げるなど、今大会の台風の目となった。準決勝では小島聡の剛腕ラリアート、ウエスタンラリアートで畳みかけられながらも、一瞬の丸め込みで3カウントを奪取した。 ジュニア勢初の決勝進出を果たしながらも、みのるにはあと一歩及ばなかった。 だが、大躍進を遂げたジュニア王者は、は涙ながらに「悔しい涙じゃなくて、快感の涙です。レスラーとしてまだやらなきゃいけないことがあるってわかった」と、準Vを振り返った。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
ボクシング 亀田和毅6連勝
ボクシング亀田3兄弟の三男・和毅が11日(日本時間12日)、メキシコのナジャリート州テピックのヒムナシオ・ニーニョス・アエロスでアライン・ロペスに判定勝ち。 バンタム級6回戦に臨むはずだった和毅だが、テレビの放送時間の都合上、急きょ4回戦に変更になった。それでも動じる素振りを見せず、右ストレートや左ボディーを打ち込んだ。最後まで一方的な試合運びで攻め込み、判定3-0で勝利した。 6連勝を飾ったものの、デビューからの連続KO記録は5でストップ。それでも「判定勝ちだったけど、試合の内容は良かった。自分のスピードをメキシコのファンに見せられたと思う。連続KO勝利がストップしたことは連続KOにこだわってなかったので問題ない」と気にしていない。 「次の試合が早くやりたくて仕方ない」。早ければ今月中にももう1試合行う予定だ。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
ゴルフ マスターズ片山が大健闘4位
男子ゴルフのメジャー第1戦、マスターズ・トーナメントは12日(日本時間12日)、米ジョージア州オーガスタ・ナショルナGC(7435ヤード、パー72)最終ラウンドが行われ、片山晋呉が5バディー、1ボギーの68、通算10オーバーで単独4位と健闘した。 「きょうは背中に日の丸を背負っていこうと決めた。日本のファンの後押しを感じた」。片山は背中にワンポイントの日の丸が浮かぶウエアで躍進。2番でバーディー。6番はボギーとしたが、7、13、16、18番をバーディー。日本人としてトップと最少ストローク差の2打差、日本勢過去最高の井沢利光(2001年)に並ぶ順位となった。 優勝はアンヘル・カブレラ。通算12アンダーで並んだケニー・ペリー、チャド・キャンベルとのプレーオフを制した。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
野球 上田武司氏が斬る!原巨人貯金術とは?
ペナントレースが開幕して10日。セ・リーグではV3を目指す巨人が、最大のライバルと目される阪神との伝統の一戦に勝ち越し。首位をガッチリとキープした。リーグ3連覇に向けて早くも“貯金生活”に入った巨人だが、今後フトコロを暖めていくために必要なこととは何なのか。野球評論家の上田武司氏が、今季の戦いぶりを振り返りながら分析した。 巨人は、広島との開幕3連戦こそ2敗1分とつまずいたものの、横浜を3タテし盛り返した。 「横浜は主砲の村田がケガで欠場していて打線の攻撃力は落ちる。投手陣も同じ4、5番手のピッチャーでも、明らかに(横浜の方が戦力が)落ちる。このタイミングで横浜戦が組まれていたのはラッキーだった。3連勝は当然だったかもしれないけど、そこで3連勝できたのは大きい」。横浜戦との3連戦が流れを引き寄せたと上田氏は指摘する。 波に乗った巨人は、続く阪神戦で連勝を5まで伸ばし、無敗で1週間を終えた。連敗スタートから一転、連勝街道を突き進む原巨人だが、その背景には世界一の指揮官の思い切った決断力が関係している。 横浜戦ではオープン戦で絶好調だった李承(イ・スンヨプ)が打撃不振と判断するやいなや途中交代。8日にスタメンから外すと、5番に谷佳知や亀井義行を起用。これが大的中し活躍を見せた。さらに故障の阿部慎之助に代わってスタメンマスクを被った鶴岡一成も大暴れ。原監督の采配がピタリと的中した。 「毎日選手を見ていれば、バッティングの間の取り方が違っているのも分かる。(選手の調子を見極める)判断力は優れていると思う。でも、それだけじゃない」 的確な采配を生み出している要因は他にもあるという。 「選手を乗せるのがうまい。練習を見ることができなかった選手がいたりしたら、自分から声をかけて聞いたりしている。今日も若手の東野(とうの)や脇谷に監督の方から声をかけていた。普通、監督からの方から声をかるなんてことはそうそうない。それだけ期待されれば選手もやる気になるでしょう」 原監督は自分から選手に握手などを求め、積極的にコミュニケーションを図り、選手ひとりひとりのモチベーションを向上させる。人心掌握術に長けているというのだ。 指揮官のさえわたる采配によって1週間で、貯金3を作ることに成功した巨人。リーグ3連覇に向け、もちろん貯金は多ければ多いに越したことはない。 上田氏は「首脳陣は早く貯金を10にしようと思っているんじゃないかな。貯金が10あれば、連敗してもそんなに(上位のチームと)離されることはない。余裕をもってペナントを進めることができる。手元に貯金が1万円あるのと100万円とでは安心感が違うよね。それと同じ。まずは、どこかにカモにする球団…銀行を作らないといけない。去年だったら横浜だった。貯金は20くらいが理想的かな」という。 貯金を作るのは容易ではない。現在は抑えの守護神クルーンが安定しないという悩みを抱えている。12日の阪神戦では、1点リードの9回に登板し、同点となるタイムリーヒットを許している。「クルーンが打たれたってのは不安材料。でも、そこが安定してくれば貯金は自然と増えてくるでしょう」 リーグV3へ。貯金を増やすためにも、今後は守護神起用の決断力が問われる戦いになりそうだ。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
野球 WBC効果で「小中学生が興味」
世界一の指揮官、原監督の存在は、巨人に隠れたWBC効果をもたらしていることが判明した。 WBC連覇を果たし、世界一となった日本代表。歓喜の優勝から、ペナントレースはおよそ10日あまりで開幕したこともあって、テレビ関係者はプロ野球中継にもWBC効果が表れるのかと期待を寄せていた。 日本テレビ系列で放送された3日の広島戦は、関東地区で13.4%(ビデオリサーチ社)。前年、フジテレビ系列で放送されたヤクルト戦の11.0%と比較するとあまり効果がないように思える。 だが、放送を担当する日テレ関係者は「小学生や中学生の若い人たちが興味を持ってくれている」と話す。開幕戦では20歳以下の視聴率が倍以上に増えた。 日テレではデーゲームに限り、中継でウルトラスーパースローカメラを使用。プロの技術の素晴らしさや面白さをより細かに伝えるのが狙いだ。「WBCと(巨人戦を)別のものにはしたくない」と前出の日テレ関係者はさらなる視聴率上昇に向け、意気込んでいる。 野球人気の回復は見えないところで着々と進んでいるようだ。
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スポーツ 2009年04月13日 15時00分
連載「王と長嶋」〜プロ野球を国民スポーツにした2人の功労者〜(18)
ONの世間的なイメージと素顔の違いと言えば、「沈着冷静な王vs激情家の長嶋」もそうだ。実際は「激情家の王vs沈着冷静な長嶋」だからだ。誰に対しても人当たりが良く親切、気配りの人そのものだから、一般の人は王さんが怒ったところなど想像もつかないだろう。ところが、怒り狂った王さんは手が付けられない。周囲は固まってしまい、嵐が過ぎ去るのをひたすら待つしかない。激情家そのものだ。 ホークス監督時代の王さんの秘蔵っ子、初の日本人メジャーリーガー捕手として活躍する城島を巡る、過去の激怒エピソードは象徴的だろう。 あるシーズン、城島が守りで右手を骨折、長期リタイアを余儀なくされた。選手会が球団側に対し、ヘルメットに城島の背番号のシールを張ることの了解を求めた。この当時、ケガで長期間戦線離脱しても気持ちだけは一緒で共に戦おうという意味で、こういうシール張りが流行していたのだ。選手会から申し出をされた球団フロント首脳は、現場の最高責任者の王監督にお伺いを立てた。話を聞いた瞬間、王監督は真っ赤になって激怒。 「何! バカなことを言っているんだ。そんなことを言っているから、勝てないんだ。城島のケガは本人のイージーミスだろう。ボールを取ろうとして右手を出したから骨折したワケだ。ケガをしないように、右手を前に出さないのはキャッチャーの常識だろう。自らのミスでケガしたヤツの背番号をなんでヘルメットに張る必要があるんだ。相手投手からよけられないデッドボールをぶつけられたとか、不可抗力のケースならわかる。城島は違うだろう。何を甘いことを言っているんだ」 鬼の形相でこう怒鳴り声を上げる王監督に、球団フロント首脳は蚊の鳴くような声で「わかりました」とひと言つぶやくと、あわてて部屋を出ていってしまった。怒声とは無縁の神様、仏様のようなイメージが強い王さんだが、とんでもない。 「毎度おなじみ、いつものように試合後の緊急ミーティング」と揶揄(やゆ)されたが、王さんはふがいない負けをすると、絶対に許さず、試合後にミーティングを招集する。「勝ちたくないのか。オレは勝ちたいんだ」と選手に対し、語気を荒らげて迫る。年に何回もあるから、「毎度おなじみ」の「王さんの緊急ミーティング」と言われたのだ。 意に添わない記事を書いた番記者にも「どうしてこういう記事になるんだ」と罵(ば)声を浴びせることも決して珍しくない。沈着冷静どころか、瞬間湯沸かし器というのが、王さんの実像といえる。 一方の長嶋さんは激情家に見えて沈着冷静な一面がある。若かりしころの第1次政権時代には、打者と真っ向勝負をせずに四球で逃げた西本、角らに対し宿舎で鉄拳制裁を加えたのは事実で、長嶋伝説のひとつになっている。が、同時に流し目ならぬ“ナガシマ目”で何げなく周囲を観察、チェックすることは、知る人ぞ知る長嶋さんの特技だ。 宮崎キャンプの朝の散歩などである番記者がいないと、グラウンドでさりげなく接触してくる。「どうした? きょうの朝の散歩に姿を見なかったな。具合でも悪いのか?」と聞いてくる。 問われた番記者はあわてて正直に二日酔いとは告白できずに「ちょっと風邪気味なので、きょうは失礼しました」と苦し紛れの言い訳をする。すると「そうか、じゃ無理するな。明日も休め」と本気で心配してくれる。冷静な気配りのある「ナガシマ目」恐るべしと番記者は思い知らされることになる
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レジャー 2009年04月13日 15時00分
皐月賞(JpnI、中山芝2000メートル、19日)丹下日出夫の虎の巻 3強対決を制すのは、この馬!
今週は牡馬クラシックの第1弾「第69回皐月賞」(JpnI、芝2000メートル、19日)が、中山競馬場で行われる。東の横綱ロジユニヴァースをめぐり、スプリングSを強烈な差し脚で制したアンライバルド、韋駄天リーチザクラウンが逆転を狙うといった構図だが、果たして3強対決を制すのは!? ロジが一歩リードの下馬評に対し、競馬評論家の丹下日出夫は前2頭を見ながら競馬ができるアンライバルドに展開の利があるとみている。 今年の3歳牡馬世代は、アグネスタキオン、ジャングルポケット、そしてクロフネが鎬(しのぎ)を削った2001年春のクラシックと同レベルの“3強”の争いではないかといわれている。 本年の3強とは、ロジユニヴァース、アンライバルド、リーチザクラウンの3頭を指すのだが、記録面においても、タキオン世代とシンクロしているんだよなぁ。 大将格と目されるロジユニヴァースは、まずは札幌2歳SでJpnIIIを制覇。ジャングルポケットが長らく保持していたレコードを0秒5も塗りかえる芝1800メートル1分49秒1を叩き出したのに続き、ラジオNIKKEI杯2歳Sは、歴代3位の好タイムでリーチザクラウンを4馬身差と完封している。 ちなみに、ラジオNIKKEIの走破タイム(芝2000メートル2分1秒7)。アグネスタキオンの保持するレースレコードの2分0秒8には見劣るものの、昨年暮れの阪神開催は、例年より1秒以上時計のかかる粘り気のある特殊な芝だった。それを差し引きすれば、レコードと互角以上の飛び抜けた内容だったように思う。 ロジユニヴァースとは未対決ながら、アンライバルドも負けていない。初陣の新馬戦は、スローの上がり勝負とはいえ、11秒3→11秒9→11秒0(上がり3F34秒2)というレースラップを上回る33秒8の上がりを駆使して、リーチザクラウン、桜花賞馬ブエナビスタを一蹴した。 後に、「伝説の新馬戦」なる言葉が世間を駆けめぐるようになったが、通過順から逆算すると、ラスト1F近辺で、“絶対的能力の証”である、10秒台のラップも掲示している。 3強同士の対戦比較では、若干見劣りがするリーチザクラウンにしても、2戦目の未勝利戦は、何と後続を12馬身もちぎる大差の楽勝。机上の計算だが、そのときに計時した芝1800メートル1分47秒4の先の1Fを12秒0で走ったとすると、2000メートルは1分59秒4。リーチは2歳暮れの時点で、すでに2分を切ろうかというケタ違いのポテンシャルを秘めていたことになる。 なんて、このリーチをラジオNIKKEIで4馬身差に切って捨てたロジユニヴァースのレース運びがあまりに強烈だったために、3強の中ではロジに一日の長があるように映る。ただ、ラジオNIKKEI時のリーチは、新馬戦から中2週続きというハードなローテーションで、デビュー時は520キロ台だった馬体重が504キロまで細化。上がり3F38秒2を要し、バタバタになったのは、目に見えない蓄積疲労もあっただろうし、ロジにしてみれば、相手をリーチ一頭に絞ればことは済んだ。 ただ、3強が勢ぞろいすれば、前門には肉を切らせて骨を断つ、タフな平均ラップで逃げ込みを図るリーチザクラウン。背後には、アンライバルドという後門のオオカミが控える。しかも、今回のリーチは、きさらぎ賞から皐月一本に絞って充電完了。少なくともラジオNIKKEI時よりは、体調も整っているだろうし、急激にはタレない。 リーチが刻むタフなハイラップを深追いすれば、なし崩しに脚を使わされ、ひょっとすると、アゴが上がって3着に失速するシーンだって十分考えられる。展開は、両者を前に置き、ひとつタイミングをズラして追い出すアンライバルドに絶好。漁夫の利的に、勝利が転がり込んでくるとみた。 ただ、いずれにしても、上位3頭の能力は、他馬とは一線を画す。ナカヤマフェスタ、ベストメンバーあたりも、3連単の3着要員ならあり得るだろうが、たとえ狂っても、3強のうち、少なくとも2頭は1、2着を確保。馬連、馬単ならば、この3頭のボックス馬券を買っておけば、まず当たると思うが、さて…。
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