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乙女の熱き闘い「チアリーディング」の舞台裏

 ポンポンを手にはじける笑顔で、うら若き乙女たちが跳ねる! スカートがめくれ上がったって気にしない。大開脚で飛び上がる!! 女のコたちが体を張って応援してくれる競技「チアリーディング」は、見ているだけで元気になれるスポーツ。個人主義がまん延する中、なぜ他人のために汗を流すのか。華やかな舞台の裏側を追った。

 “Let's Dance! We are NO.1!!”。可憐なチアリーダーの掛け声が会場中に響きわたる。国内チアリーディング大会の年に一度の晴れ舞台「USA Nationals in Japan 2009」が先ごろ、千葉・幕張メッセで華々しく開催された。
 まだまだマイナーなチアリーディングに、3日間で1万人以上が来場。最終日のファイナルには、高校生を中心に地区大会を勝ち抜いてきた総勢72チームが出場した。全国から集結した女のコたちの思いは一つ。チアが大好きってこと。可愛い女のコが入れ替わり立ち替わりそのスピリットと技術を競い合った。
 アメリカから発祥したと言われるチアリーディング。その根底には、見る者を元気づけるためなら自らの努力を惜しまない「チア・スピリット」が常にある。だから、チアリーダーは決して笑顔を絶やさない。たとえピラミッド(組み体操)に失敗して仲間の下敷きになることがあっても、自分の顔に誰かの足が当たったとしても、痛い顔一つできない過酷な競技なのだ。
 華麗に舞う彼女たちをよくよく見てみると、体にテーピングを貼ったコも。演技を終えれば、床に倒れ込むコや、失敗を悔やんで泣き出すコが続出。これはもう立派なスポーツだ。

 さて、一般には知られていないが、真のチアリーディングは演技が終わったからといって終了ではないという。群馬県立太田東高校応援リーダー部「Beistands」には演技後、卒業した先輩からの叱咤激励が待っていた。
 「皆もっと他のチームが演技している間も応援しなきゃダメだよ! 自分たちの番が終わったらしゃべって遊んでばかり。出番のコがどれだけ緊張しているか分かってるでしょう? そんなコたちの緊張を解いてあげるのも、チアリーディングなの!」
 部員らはじっと先輩の目を見つめ、話に聞き入る。
 「皆だってつらい筋トレとか全体練習をあんだけ繰り返して頑張ってきたじゃん! 私もチアをやってる時が本当の私だった。皆にはもっとチアを楽しんでほしいの…」
 そう話す先輩たちの目にうっすらと涙が浮かぶと、部員もそれにつられる。先輩の「分かった?」の問いかけに、全員で「ハイッ!!」。感極まって「先輩〜っ」と泣きながら駆け寄っていく部員たち。熱きスポ根娘の魂ここにあり。「チア・スピリット」はこうして踊り継がれていく。

○パワー自慢のイケメン軍団
 チアリーディング・ボーイズが出現!
 早稲田大学「SHOCKERS」はなんと、チーム全員が男。男のシンクロに続き、ついに男のチアリーディングが現れた。
 すべて男性だけで構成するグループは非常にまれ。そのうえ、ご覧の通りのイケメン軍団。他チームの女のコからも黄色い歓声が飛ぶ。本番ではこの日一番のハイジャンプを披露。男子ならではの力強い演技が光った。
 演技を終えた文学部在学中のキャプテン・青木佑樹さん(21)は「全部出し切りました!」と爽やかスマイル。男のチアを始めたきっかけは、「サークルの新入生歓迎コンパで、先輩に誘われ見に行ったらカッコイイなと思ったから」という。気になるモテ具合の方は「そんなことはないです。そこは全力で否定します(笑)」と焦るように答えていた。

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