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トレンド 2009年05月11日 15時00分
高橋四丁目の居酒屋万歩計(1) 「まつもと」(居酒屋)
東急世田谷線、松陰神社前駅から徒歩520歩 都内の銭湯ならどこにでも置いてある無料の銭湯マガジン、その名も「1010(せんとう)」は、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が発行していて、09年4月で97号を迎えた。「銭湯人インタビュー」(この号は二ツ目の落語家三遊亭時松さん)なるものや、「嗚呼、女湯万歳」と名づけた色物や、都内の銭湯リポート「TOKYO銭湯物語」なるコーナー、なかでもこれはうけるだろうと思われる「銭湯検定4級対策」など盛りだくさんだ。 なかに、風呂上がりに一杯という趣旨で「なかだえりの湯あがり酒場」という見開きページがある。4月号の湯あがり酒場が「まつもと」。「いつでもここで憩える世田谷区民はうらやましい。飲んで食べて大満足でお会計。その安さといったら申し訳ないほどだ」と、熱烈な幸せのおすそ分け。味わいのあるイラスト画には、カウンター上にところ狭しと並べられた大皿料理と、それらを前にしてじつに良い顔をされている丸顔のご亭主。これは行かずばなるまい。 茄子(なす)の煮びたしをはじめとして大皿料理を4品、刺し身は赤貝をそういう。煮物のいずれも旨(うま)い。手がかかっている。熟練の味だ。赤貝は2個。身はぐりんぐりんの歯ごたえ、肝は太く黒緑色で苦甘い。 感服しながら顔には出さず、わたくし一見(いちげん)の客ではございませんというふりをして飲んでいたところ、連れの女子が無邪気なもので、カウンターのご亭主に向けて、お店紹介のページをひらひらかざすではありませんか。 いやあ、はっはっは、と照れるご亭主に、カウンターの常連さんたちが色めき立つ。なんだそりゃ、おらあ聞いてねえぞ、やれ見せてみろ、おれにも貸せ、こっちもだ、と大騒ぎ。押し合いへし合い、ひとしきり雑誌がゆきわたり、紹介記事は誉めすぎだと、ひとしきり店のあれこれをやり玉にあげ、絵はいい男に描かれ過ぎだと、ひとしきり松本さんをくさし、やがて飽きるとそれぞれもとの話題へ帰っていった。 客たちは愉快で騒々しく、飲み屋の客らしい客だった。主の松本さんはそんな客を、風に柳と受け流していた。酒場「まつもと」の主と客は、じつにいい芝居をしている。ぜひまた飲みに伺いたいのものだ。 ちなみに「1010」は、池尻の第二淡島湯というところで入手した。ズック地のバッグに銭湯用品一式を入れて持ち歩いているけれど、お散歩していて成分分析表が表示された天然温泉に出くわしたときの喜びったらない。入浴料(都内均一450円)が値千金となる。 第二淡島湯は、いかにも東京の温泉らしい黒湯だった。女将(おかみ)から、関東ローム層が育(はぐく)んだ都内の黒湯の濃淡は海からの距離に正比例していること、男湯女湯とも気泡風呂の噴き出し口から飛び出てくる湯が源泉であること、などとご教示をたまわった。この黒湯にも再度、漬かりにこなくてはなるまい。予算1700円東京都世田谷区世田谷4-4-3
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スポーツ 2009年05月11日 15時00分
修斗 “火の玉ボーイ”五味が完全復活
フリーとなり、去就が注目されている五味隆典が10日、修斗20周年記念大会(東京・JCBホール)に出場。同ウエルター級世界王者の中蔵隆志にKO勝ち。火の玉ボーイが完全復活を証明した。 昨年8月24日の「戦極〜第四陣〜」以降、白星に見放されている五味は、原点回帰すべく5年9カ月ぶりとなる修斗のリングに立った。「いい試合をやらないと引退も考えなきゃいけなくなる」と不退転の決意で臨んだ。 1Rから右フック、左ストレートなど積極的に打撃戦を仕掛けた。2Rに入ると勢いは増し、右ボディーから左右のフックでグラつかせ最後は4分42秒、パウンドを連打したところでレフェリーが試合を止めた。 完勝の内容に五味は「帰ってきたぞ」と絶叫。1・4「戦極の乱2009」以来、4カ月ぶりの再起戦で、不本意に終わった過去2戦の悪いイメージを払しょく。今後については「今後のことはわからない」と明言を避けた。 五味は「戦極さんの了承を得てフリーになった」と語っており、年内で現役を引退するK-1MAX、魔裟斗の7月の対戦相手として浮上中。公開練習の際には「1度試合でフルスイングの打撃をやってみたかった。ファンが望むならやってみたい」と興味を示していた。 完全復活を遂げた五味は、果たしてどのリングで燃え上がるのか。(岡野誠)
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スポーツ 2009年05月11日 15時00分
大相撲 朝青龍、八百長疑惑幕引きで居直り
大相撲夏場所が10日、東京・両国国技館で初日を迎え、お騒がせ横綱の朝青龍は苦戦を強いられながらも白星発進。場所前に対戦相手の力士とゴルフに興じて非難を浴びたが、劇的な逆転勝ちで完全に幕引きムード。ゴルフ問題については「もう終わった話だ」と居直り、騒動からわずか2日で本来のヒールぶりを取り戻した!? 場所前に降りかかった火の粉を自ら土俵で振り払ってみせた。夏場所直前の8日にモンゴル人力士らとゴルフコンペを開催し、またまた角界を騒がせている朝青龍。この日はともにゴルフコンペに参加したことを問題視されていた新小結の鶴竜との一番に臨んだ。 左ひじ痛を抱えながらゴルフに興じたことから、今場所負けが込めば当然ながら相当なバッシングが待ち受けているが、そんな不穏なムードを一掃する戦いぶりを見せた。得意の張り差しで立ち、右四つからつり落としにいくも残され、逆襲を食らってズルズルと後退。土俵際で背後をとられ絶体絶命のピンチに陥ったが、なんとか相手の左足に右足をかけて跳ね上げ、捨て身の小手投げで逆転勝ちした。 ゴルフ騒動で窮地に立たされる中、見事な逆転勝利。それでも支度部屋では反省の弁を繰り返すばかり。白星発進にもゴルフ騒動の負い目があるのか「相撲に負けて、勝負に勝った。いいところがなかった」「相撲は正直良くなかったな。攻めるはずが攻められちゃった。こういう相撲は少ない方がいい」などと出てくる言葉はいつになく慎重だった。 反省モードの横綱だったが、すぐに化けの皮ははがれた。鶴竜との取組について「良くない相撲」と低姿勢で語っていたが、勝負を決めた小手投げには、内心納得していたようで「柔道の内股みたいだっただろ!?」と自画自賛。「(全日本柔道の)棟田(康幸)を見に行ったからな。俺、棟田になるわ」と微妙なジョークを飛ばして高笑い。 帰り際にはゴルフ問題について「もう終わった話」とサラリと言ってのける始末で、反省の色は感じられない。さらにはスコアを尋ねられて「オマエよりうまい」と誇らしげに切り返す有り様。もはや騒動の幕引きは済んだと言わんばかりの態度だ。 わずか2日足らずで反省から居直り。一昨年にはケガで夏巡業を休みながら、モンゴルでサッカーに興じて引退危機に追い込まれ、復活優勝を遂げた今年の初場所では、優勝決定戦で白鵬を破って渾身のガッツポーズを繰り出して批判を浴びたりと、数々の騒動を起こしてきた。朝青龍にしてみれば、今回は“単独犯”ではなかっただけに、罪の意識も少ないのかもしれない。 派手な小手投げで窮地から脱し、ゴルフ問題も豪快に投げ飛ばした朝青龍。場所後の横綱審議委員会からのバッシングを避けるためにも、是が非でも今年2度目の賜杯を手にしたいところだ。(本紙特別取材班)
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スポーツ 2009年05月11日 15時00分
野球 楽天・野村監督の延命への“ベンチワーク”
ロッテのボビー・バレンタイン監督同様に、今季限りの退団を通告されている楽天・野村克也監督。ボビーに負けない口八丁手八丁のしたたかな73歳の老将だけに、簡単にユニホームを脱ぐ気はなく、「優勝すれば首を切れんやろ」とうそぶいている。野村監督は4月29日にはプロ通算1500勝を達成した。チームも現在首位と好調を保っている。しかし、ダンゴレース必至のパ・リーグだけに、優勝できるかどうかは保証の限りではない。そこで、お得意の毒ガス口撃と人質作戦を展開している。 野村監督が徹底した後任暴露を仕掛けている。 「ヤクルトの荒木(投手コーチ)が俺の後任候補らしいな。荒木に監督がやれるのか」と楽天担当記者にリークして書かせる紙爆弾投下作戦。さらには、当事者にもネチネチ口撃する。 ヤクルトID監督時代の教え子の古田氏(前ヤクルト監督)が取材に来れば、「古田、お前がワシの後の監督候補らしいやないか。もう球団のトップと何度も会っているそうやな」と正面から切り込んでいく。「そんなことあるわけないでしょう」とあわてる古田氏の対応を見てニンマリ。 WBC日本代表投手コーチを務めた与田氏(NHK解説者)があいさつに来た際にも「楽天の監督の話があるそうやないか」と直球を投げた。 「人事は正式決定する前に表面化したら潰れる」は、一般企業もプロ野球界も変わらない。ポスト野村のウワサを耳にしたら、暴露して消してしまえという作戦だ。 同時進行で、野村監督が進めているのが人質作戦だ。「WBCから帰ってきて一皮も二皮もむけた」とナインが目を見張っているマー君こと田中将大投手を味方に引き入れるためのゴマスリ戦術を展開。開幕以来、4試合連続で完投勝利した田中をこれ以上ないくらい絶賛した。「神様・仏様・田中様やな。稲尾の後継者ができた」「1点あれば勝てる。本当のエースや」と田中賛歌はエスカレートするばかりだ。 ID野球でヤクルト時代に名捕手・古田を育てたという金看板で名将扱いされるようになったように、今度は「神様・仏様・田中様」で延命を図ろうとしている。 ノムさんのボヤキはテレビ局をはじめマスコミには好評だが、楽天球団首脳は食傷気味。だからこそ世代交代を大義名分に、野村監督にはお引き取り願おうとしている。それを熟知しているだけに、田中を育てたという実績を盾に、来季続投を狙っているのだ。 ボクトツな田中が「監督にウイニングボールを渡せて良かった。あとは先輩たちに頑張ってもらいたい」と、ヒーローインタビューで答えるものだから、野村監督は内心笑いが止まらないだろう。マインドコントロールは、大成功している。 だが、ナインが証言するように、3年目の田中が大化けしてきたのは、日の丸を背負ったWBC日本代表選手としての世界一体験だ。レッドソックス・松坂大輔から貴重なアドバイスを受けた財産、重圧のかかる国際舞台の修羅場の経験などが田中を急成長させた。野村監督の手腕というわけではない。そのあたりの事情は楽天球団首脳は先刻承知している。田中が右肩の張りを訴え、4月30日に出場選手登録を外れたことも、ノムさんにとっては誤算だろう。 ただしファンは分かっていないかもしれない。野村監督&新エース田中の師弟関係に対し、ファンが熱烈支持を表明してくれるかどうか。今季限りという絶体絶命の危機から、来季続投を勝ち取ろうとする野村監督のサバイバル戦術の成否は、ファンという神の声に懸かっているともいえる。
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スポーツ 2009年05月11日 15時00分
マー君早期復帰へ警鐘
右肩に張りを訴え、戦列を離れていた楽天・田中将大が、今週中に先発復帰することが明らかとなった。 首位を走りながら先発投手の不足に悩むチームにあって、頼れる男の復活は何よりの好材料。だが、本当にこの段階で戦列復帰して今までどおり活躍できるのだろうか。 マー君は4月に4勝0敗(4完投)、防御率0.50と文句なしの成績を残し、月間MVPを初受賞。だが、大活躍の反動からか右肩の張りを訴え、4月30日に出場選手登録を抹消された。 今月5日にはキャッチボールを再開。12日からの日本ハム戦での復帰に向けて調整を始めた。 野球評論家の上田武司氏は、田中の早期復帰に警鐘を鳴らす。 右肩の張りについて「WBCもあってキャンプやオープン戦で、十分な投げ込みができているのか。肩のスタミナを作る調整ができなかったんじゃないか」と指摘。その上で「下半身を鍛えていないと上体だけで投げてしまう。走り込み中心でスタミナをつけることも必要」とアドバイスを送った。 果たしてマー君の早期復帰は吉と出るか、凶と出るか。
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スポーツ 2009年05月11日 15時00分
「王と長嶋〜プロ野球を国民スポーツにした2人の功労者〜」(27) 大病と妻の死乗り越え不滅の輝き
外交の王さんに対して内政の長嶋さんとして、今後も日本プロ野球界を支え続けていくONは、ファンにとって永遠の生きがいでもある。どんな難局に直面してもあきらめることなく、正面から立ち向かっていく姿がファンに勇気と感動を与えてくれるからだ。 「そういえば、オレもミスターも星野もそうだよね。日本代表監督をやった者は、女房を亡くしている。われわれよりも野球選手の妻というのは、それだけ気苦労が多くて、大変なんだよな」。こうしみじみと述懐したのは、王さんだった。 今回の第2回WBC日本代表監督は世代交代を標ぼうして、50歳の巨人・原監督が務めたから例外的だが、アテネ五輪日本代表・長嶋監督が68歳。第1回WBC日本代表・王監督は66歳。北京五輪日本代表・星野監督も還暦を過ぎて就任している。そういう年齢的な問題もあるだろうが、夫人を亡くすというのは計り知れない衝撃がある。 「生き別れの場合はいろいろな問題があるから別だろうけど、死なれるのはこたえるよ。だって、身の回りの物さえ、どこに何があるのかわからないんだからね。オロオロするだけだった。再婚? そんな気にはなれないよ」。王さんはこうしみじみと語った。 恭子夫人の命を奪った胃がんが、その後、王さんをも襲うというアクシデントまであった。しかも、恭子夫人の遺骨が盗まれるというとんでもない事件まで起こり、いまだに解決していない。 それでも、王さんは胃の全摘出という大手術からリハビリに励み、奇跡的な現場復帰を果たし、全国のファンを感動させ、勇気づけている。「遺骨はなくても、女房は墓の中で眠っている。自分を見守っていてくれる。そう思っている」。こう明言する王さんは、故・恭子夫人とともに憎い胃がんを克服したといえる。 長嶋夫人の亜希子さんの場合は、アテネ五輪日本代表・長嶋監督がアジア予選後に脳梗塞(こうそく)で倒れた看病疲れと、持病の膠原(こうげん)病のために、亡くなっている。ある週刊誌などは長嶋家の夫婦の不和による別居問題などを面白おかしく書き立てたが、長嶋さんと親しい球界関係者は憤然とした。 「亜希子さんが田園調布の家を出て、別居していたのは、自らの膠原病の治療のためだ。バリアフリーの家でないと生活できないので、仕方なく別の住まいに移った。膠原病が再発したのは、長嶋さんが脳梗塞で倒れ、その看病疲れもあった。それなのに、夫婦の不和で別居していたと書かれたのでは、長嶋さんも亡くなった亜希子さんもたまらないだろう」と。 そういった誹謗(ひぼう)中傷にもめげず、長嶋さんは懸命なリハビリを続け、巨人軍専務取締役・終身名誉監督として東京ドームへ行き、宮崎キャンプ視察をするまでに回復している。「あの長嶋さんの笑顔が戻り、本当によかった。長嶋さんだからできた奇跡の復活劇だ」とファンは安堵(あんど)すると同時に、勇気をもらっている。 「オレも長嶋さんもあれだけ健康管理に気をつけていたのに、全く予想もしなかった大病にかかってしまった。でも、2人がこうやって元気になったことで、ファンの人たちが自分の健康に気をつけるようになってくれれば、うれしいことだよ」。王さんはONの共通した思いを代弁する。常に視線の先にはファンがいる。「ONは神様だ」と巨人・渡辺球団会長は言うが、ONにとっては文字通り「お客さまは神様です」。ファンに支えられ、その恩返しとしてファンの元気の源になる。ONは永久に不滅だ。(終わり)
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社会 2009年05月11日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(40)
結婚した徳次に巻島が新居を見つけてきた。前と同じ林町の町内(2丁目35番地)だが、新居は2階建てで以前の2軒に比べるとだいぶ広い。上を住居、下を仕事場に使った。職人も増やして7人になった。 徳次は「機械がほしい」と口癖のように言った。職人仲間は陰で徳次のことを“機械狂い”と言っていた。徳次は常日ごろ、これからはいい機械を使わないと成功しないと考えていたのだ。 ようやく最初にセットしたのが、結婚と同時に200円余りで購入した1馬力のモーターとシャフトだ。当時の徳次にはかなりの支出だが、仕事場に据え付けられたモーターは、徳次が考えた通り、早速、万年筆クリップの加工でもその威力を発揮した。ひとつだけ困ったのは、モーターを始動すると隣家のおばあさんが「やかましいよ!」と怒鳴りこんで来ることだった。 万年筆のクリップとは、万年筆を胸のポケットに留めておくための物で、万年筆と別売りされていた。このクリップにも模様を入れる工夫をしたところ、注文が殺到。さらに万年筆のキャップに最初からクリップを取り付ける方法を考案する。現在の万年筆の形だ。これがまた評判になり、スワン、オリバー、サンエス、パイロットといった国産万年筆メーカーがクリップ付きキャップを採用するようになった。 そのころ、得意先の一つに亀戸のプラム製作所という文具製作所があった。プラム製作所は万年筆の模様入りクリップのほかに、繰出鉛筆内部に使う金具の製作を徳次の工場に依頼していた。当時の繰出鉛筆はセルロイド製で、金具が何個も組み合わせてあるために壊れやすく、形も太くて持ちにくい物だった。 徳次には文具というより一種の高級玩具のように思えた。プラム製作所に繰出鉛筆の部品を納品するうちに、徳次は繰出鉛筆そのものの改良を考えるようになる。何とか万年筆並みの実用品にならないかと思ったのだ。 「次の発明は繰出鉛筆だ」決心すると徳次はさっそく開発にかかった。(経済ジャーナリスト・清水石比古)
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レジャー 2009年05月11日 15時00分
ヴィクトリアマイル(GI、東京芝1600メートル、17日)丹下日出夫の虎の巻 打倒ウオッカの一番手はこの馬!
昨年の年度代表馬にひと泡吹かすのはこの馬だ! 春の女王決定戦「第4回ヴィクトリアマイル」(GI、東京芝1600メートル、17日)は、ウオッカで断然のムードが漂っている。ただ、不安材料がないかとなるとそうでもない。あまりにも不甲斐なかったドバイ遠征…それまで隆盛を極めながら、突然、スランプに陥ることも珍しくないのが牝馬の難しいところだ。そこで、競馬評論家の丹下日出夫は、打倒! ウオッカの一番手としてピンクカメオを抜てき。この条件はNHKマイルC勝ちがあり、相性は抜群。得意の道悪になれば、波乱のヒロインを演じる可能性は十分あるとみている。 4歳から8歳までズラリと世代を代表する牝馬が勢ぞろいしたが、人間でいえば、下は堀北真希から上は森光子サンまで、時代をときめくトップ女優たちが一堂に会するようなもんか。 なんて、スターはスターでも、現5歳のウオッカとダイワスカーレットだけは別格。昨年秋の天皇賞→ジャパンC→有馬記念の主役は、常にこの2頭の牝馬。ダイワスカーレットの引退後は、ウオッカを軸にマイル以上のGIの大半が展開されていくといっても過言ではない。 そのウオッカ…昨年とほぼ同じように、ドバイ遠征を挟んで今回が年明け3戦目。帰国後の調教タイムの出方や攻め馬の負荷のかけ方も、日本で競馬していたころと、ほぼ変わらない。海外遠征も2度目とあって、今回はレース後の回復も早いような印象さえ受ける。 しかも、55キロの定量戦に加え、東京コースは<3211>。その3勝がいずれもGIと、勝ち鞍の中身もちょっと違う。昨年は、ドバイ遠征の疲れが抜けきれず、2着に敗れたものの、今年は限りなくウオッカの勝ちが近いように思えるのだが…。 ただ唯一の懸念材料が前走内容。本年のドバイ遠征は、目標であるドバイデューティーフリーの前に現地のステップレースをひと叩き。「絶好調」で臨んだはずではなかったか。しかも、前が開かず、脚を余した前哨戦を教訓に、本番はスローペースの2番手にピタリと収まり、展開も絶好。抜群の手応えで直線を向き、あとは逃げ馬さえ交わせば、ハイ、それまでよ…だったはずなのに、残り2F近辺から、まったく脚が動かない。ズルズルと失速し、最後は7着まで沈んでいった。あんなウオッカは見たことがない。見かけは元気でも、もしかしたら、競走馬としての峠を過ぎつつあるのかもしれない。というワケで、ウオッカ絶対視は禁物。他馬にも付け入るスキはあるハズだ。 浮上してくるのは、昨年のエリザベス女王杯1・2着のリトルアマポーラとカワカミプリンセス。阪神牝馬Sのように、ツボにハマればジョリーダンス。ベッラレイアだって、まだまだ上位を狙える切れ者だ。4歳世代で一度はトップを張ったレジネッタも舞台がマイルなら、リトルアマポーラあたりとはそん色ない。伏兵の名を挙げようと思えば、それなりの数が挙がり、理由付けもできる。しかし、天下のウオッカを打ち破るには、なんだか月並みの域を出ない。大胆、奇策があるからこそ起こるのが大波乱。その役割をピンクカメオに求めてみた。 中山牝馬Sは、まだ復調途上にあっての1800メートル戦。前走は56キロを背負い、泥田の不良馬場を好位から押し切ろうかという力任せの競馬。結果的に、前2走は(2)(4)着に敗れたものの、走りそのものは不振にあえいでいた昨年の比ではない。 東京芝1600メートルは、牡馬混合のGI・NHKマイルを制した得意のコース。インか大外か。どちらに進路を取ってもいいから、今度は目いっぱいに脚をため、直線一気の競馬を後藤ジョッキーも考えているはずだ。ひと雨降って馬場が渋るようなら、さらにドラマ性もアップするんだけどなぁ。
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レジャー 2009年05月11日 15時00分
ヴィクトリアマイル(GI、芝1600メートル、17日) ウオッカ 主役の座は譲れない
女王降臨。今週は、春の古馬牝馬ナンバーワン決定戦「第4回ヴィクトリアマイル」(GI、芝1600メートル、17日)が東京競馬場で行われる。断然の主役は、もちろん昨年の年度代表馬ウオッカだ。ドバイ遠征は残念な結果に終わったが、国内戦で牝馬同士、しかも最も得意とする東京なら怖いものは何もない。絶好調の今年は、馬体減の影響で2着に甘んじた昨年の分も爆発しそうだ。 あたりを威圧するような黒光りする馬体、しなやかな身のこなしには、どこにも年齢や遠征疲れの陰りは見られない。ウオッカが素晴らしい状態で5つ目のGIに手を伸ばそうとしている。 「ドバイ遠征から戻ってきて、ここを目標に順調すぎるぐらい順調にきた」と清山助手はためらいなくうなずいた。その目は昨年との違いをはっきり物語っていた。ドバイから帰って、ヴィクトリアMに出走するのは昨年と同じローテーション。しかし、長旅による馬体減りに悩まされ、ぎりぎりの状態で送り出した昨年とは、心身ともに雲泥の差というのだ。 昨年は2月に京都記念を走ってから、あわただしくドバイへ。短期間に長距離輸送を2度こなさなければならず、反動が少なからずあった。 しかし、今回は昨年のジャパンC3着の後、有馬記念をスキップしてじっくりリフレッシュ。ドバイにも早めに入国して前哨戦を叩く余裕があった。ドバイデューティーフリーでは強豪の前に7着に敗れたが、それでも見せ場はつくった。帰国後のケアも楽だったという。 「グリーンウッドを経由して4月30日に栗東に戻ってきたけど、あちらでも乗り込んできたし、馬体もすっかり戻っている」。6日の1週前は栗東CWで3頭併せ。皐月賞2着のトライアンフマーチなどを0秒6追走して2馬身先着した。 時計も速い。5Fから63秒2→49秒2→36秒5→11秒2と文句なしだ。「ジョッキー(武豊)がまたがったなかでは、今までで一番良かったんじゃないかな。最低体重で出走せざるを得なかった昨年とは比べものにならない。精神的にも本当に強くなっている」と清山助手は言い切った。 ダービーを、安田記念を、そしてダイワスカーレットとの死闘を演じた天皇賞を制した東京、しかも牝馬同士なら死角は何も見当たらない。5つ目のGIへ、ダイワスカーレットが引退した今年は、まさに独壇場だ。
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レジャー 2009年05月11日 15時00分
NHKマイルC」(GI、東京芝1600メートル、10日) 今週も大荒れ ジョーカプチーノが大金星
やっぱり今年も荒れた! 3歳マイル王決定戦「第14回NHKマイルC」(GI、東京芝1600メートル、10日)は、10番人気の伏兵ジョーカプチーノが1分32秒4(良)のレースレコードで快勝。2、3着にもレッドスパーダ(5番人気)、グランプリエンゼル(13番人気)が入り、3連単は200万円超の大波乱となった。それに対し、1番人気のブレイクランアウトは休み明けのせいか、いつもの伸びが見られず9着に敗れた。 ゲットフルマークスが前半3F34秒3の軽快なペースで逃げるなか、ジョーカプチーノは2馬身ほど離れた2番手でジッと我慢。直線を迎え、藤岡康騎手が満を持して追い出すと、弾むようなフットワークで先頭に立ち、そのまま後続に影も踏ませず、ゴールに飛び込んだ。 「康太(藤岡康騎手)にはゲートが開いてから直線に向くまで折り合いに専念するように伝えた。道中はリズムよく走っていたし、理想通りに運んでくれた」と中竹調教師。今後については「来週の様子を見てからだけど、ファンの声も聞きつつオーナーと相談したい。ダービー(GI、東京芝2400メートル、31日)まで含めて考えたい」と3歳馬の頂点を目指すプランもあることを明かした。 一方、藤岡康騎手は「いろいろな人から“おめでとう”と声を掛けられて、ようやく(GI勝ちの)実感がわいてきました」と満面の笑み。その柔和な顔立ちとは対照的に、「プレッシャーはあったけど、GIは2度目だったし、いい緊張感で臨めた」と言い切るハートの強さが勝利を呼び込んだ。 藤岡康騎手は父が藤岡健調教師、兄が藤岡佑騎手という競馬ファミリーに育った20歳の“サラブレッド”。その良血が春の府中で一気に開花した。将来有望な若手は1歳年下で同じ12月19日生まれの“三浦皇成”だけじゃない。
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