ゲットフルマークスが前半3F34秒3の軽快なペースで逃げるなか、ジョーカプチーノは2馬身ほど離れた2番手でジッと我慢。直線を迎え、藤岡康騎手が満を持して追い出すと、弾むようなフットワークで先頭に立ち、そのまま後続に影も踏ませず、ゴールに飛び込んだ。
「康太(藤岡康騎手)にはゲートが開いてから直線に向くまで折り合いに専念するように伝えた。道中はリズムよく走っていたし、理想通りに運んでくれた」と中竹調教師。今後については「来週の様子を見てからだけど、ファンの声も聞きつつオーナーと相談したい。ダービー(GI、東京芝2400メートル、31日)まで含めて考えたい」と3歳馬の頂点を目指すプランもあることを明かした。
一方、藤岡康騎手は「いろいろな人から“おめでとう”と声を掛けられて、ようやく(GI勝ちの)実感がわいてきました」と満面の笑み。その柔和な顔立ちとは対照的に、「プレッシャーはあったけど、GIは2度目だったし、いい緊張感で臨めた」と言い切るハートの強さが勝利を呼び込んだ。
藤岡康騎手は父が藤岡健調教師、兄が藤岡佑騎手という競馬ファミリーに育った20歳の“サラブレッド”。その良血が春の府中で一気に開花した。将来有望な若手は1歳年下で同じ12月19日生まれの“三浦皇成”だけじゃない。