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北九州記念 サンアディユが再びサプライズを起こす

 驚きの連発だ。単勝13番人気の低評価を覆してアイビスSDを制したサンアディユが「第42回北九州記念」(JpnIII 小倉芝1200m 12日)で重賞連覇を狙う。初の芝で見事な劇走を見せた前走。新しい短距離女王を目指してまずはサマースプリントのタイトルをがっちり奪いにいく。だれもが驚いた。「この前は距離も合うし、一度芝の適性を試したいという意味合いもあった。それにしても、こちらが思っていた以上の能力があったんだね」管理する音無師をもうならせる強さをサンアディユは秘めていた。
 アイビスSD。初の芝という実績不足を嫌われ、単勝は13番人気だった。しかし、その中身は決してフロックではない。
 「直線の千で出遅れたらなかなか…」道中は9番手。前が競り合う展開になったとはいえ、道悪をものともせず不利な馬場のインに潜り込み差し切った。「本当に強かった」それはスプリント界にシンデレラが舞い降りた瞬間だった。
 その後は北九州記念に照準を絞り、しっかり乗り込まれてきた。「やっぱり夏は牝馬だね」という通り、本番を迎えた暑さのなかも順調に仕上がっている。難しい気性の持ち主で、かつては栗東の坂路で転倒、重い脳震盪(のうしんとう)を起こしたこともある。ここまで苦労も多かっただけに、今の充実ぶりには師も目を見張る。
 今回のポイントはコーナーリング。普段もコーナーに差しかかると引っ掛かるため、坂路でしか調教が行えない。
 「多頭数をどうさばくか。勝ったのはもまれなかった時だけだから。でも、前走は控える競馬で結果を出してくれたし、千二なら何とか…」
 勝てばサマースプリントの女王に大きく前進する。夢へ大きく踏み出すか、個性あふれるサンアディユが再びサプライズを起こす!

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