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トレンド 2012年06月19日 15時30分
噂の深層 「日常系アニメ」ってなに? ポスト「けいおん」は?
ただ単に、理想の日常を描くだけの、いわゆる“日常系アニメ”の勢いが止まらない。識者は、こんな解説をする。 「日頃の人間関係や、何をやってもうまくいかないような閉塞感のような、日常のストレスに囲まれているのが我々の生活ですが、それが一切ない、まさしく“理想の日常”を描くだけのアニメが“日常系アニメ”です。その代表的な作品が、《けいおん》。元々、軽音楽部の活動を題材にしているものの4コマ漫画ですので、肝心の演奏の様子があまり出てこない。登場する萌えキャラの女子高生達のなんのこともない日常会話の妙が、唯一の見どころだったんですが…」(アニメに詳しいライター) ところが、《けいおん》は、その後、思いもよらぬ人気を博すことになったという。 「アニメ化され、原作のエッセンスを元に登場人物の性格や行動をパターン化せずに深く描くことで、その子が考え抜いて行動するさまが、30代までのヲタだけでなく、若い人の青春のバイブルになってしまった。こうして命を吹き込まれた登場人物たちが、その思いを胸に秘めて演奏するシーンで、泣く人が続出して、ブレイクしたんです」(同) なるほど。そう言われると、少しずつ人気のわけがわかってくるような。 「いっぽうで、演奏される曲は、アニメソングの王道を往くぶっ飛んだ曲調の新鮮な音楽でした。いわゆる、“神曲”といわれるもの。こうして、今や《けいおん》は、青春真っ只中の大学生くらいまでの層からも支持を受け、キャラクターグッズは、女子中高生あたりにも売れている状況が続いています」(同)ということなのだ。 ネット掲示板などには、「その辺のアイドルよりももっと評価されるべきなのに二次元だからという事で評価されないという偏見がこの世の中間違ってると思う」「唯は憂にひび感謝ですもんねっ。その気持ちがこもってていい歌だとおもいます」(原文ママ)などの意見が飛び交っており、今回の取材内容を裏付けるようなコメントともいえるだろうか。 では、ポスト“けいおん”というと、どんなアニメが人気なのか。 トレンディ雑誌などの情報を頼りに(苦笑)やっと捻り出したのが、フジテレビ系列・《坂道のアポロン》というのは、違うのだろうか。ジャズも出てくる。 「《坂道のアポロン》は、ノスタルジックな内容ですし、恋愛模様が中心ですから、ちょっと世界観が違うんです…。あくまで、今どきの青春が描かれていて、登場人物もたくさんいる作品、ひいて若い人にも人気がさらに出そう…ということとなると、《アイドルマスター》あたりが筆頭でしょうか」(都内のアニメショップ店長) …千早というアイドルの子が、声が出なくなったが仲間に支えられて復活する、というエピソードを、たまたまテレビで観たのを思い出した! そこには、悩みというものに対する、理想の日常が描かれているといえるのではないか。 「ほかにも、ポスト《けいおん》と呼べそうなのは、音楽モノに限らなければ、《ゆるゆり》、《ロウきゅーぶ!》などが挙げられる。うちでも、《けいおん》をきっかけにファンになる方が多い日常系アニメです。内容は、バスケ部など部活の青春がテーマです」(同上) 今まで、日常系といえば、ふわふわした日常やギャグが中心だったようだが、これらの作品は、“ちょっとアツい新たな日常系の世界観”が描かれた作品、ということで、更なる知名度のアップも期待されているそうである。
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芸能ネタ 2012年06月19日 14時00分
初公開 昭和の大スター知られざる下積み秘話(3)
当時の俳優は必ずどこかの映画会社と専属契約しており、5社協定によって他社の俳優同士が共演することはほとんどなかった。そんな時代、渡部さんたちのような記者が、スターたちの交流を取り持つことも少なくなかった。 「雑誌での顔合わせをセッティングしてあげると喜ばれましたね。そういえばある年、『上半期の新人にスポットを当てる』という企画で座談会を開いたんですが、そのメンバーが日活の石原裕次郎、東映の高倉健、大映の川口浩、東宝の白川由美、松竹の杉田弘子と渡辺文雄。今考えると、凄い顔ぶれでしょ」 こうした取材でも、それぞれの性格がよく表れていたそうだ。 「裕ちゃんや浩ちゃんは、飲んで食べて言いたい放題なのに、健さんはほとんどしゃべってくれなかった。翌日に追加取材をしに行ったら、2人っきりで取材に応じてくれて。しかも、座談会に出席していた杉田弘子とデビュー前に付き合っていたなんて話まで明かしてくれました。この恋は先にスカウトされた杉田から『今度会っても気安く声をかけないで』と言われて終わったそうですけど」 当時、デビューしたばかりの高倉のギャラは一本2万円程度。よく先輩たちの車を洗いながら「早く自分の車が欲しい」とボヤいていたという。 「映画で共演した東映専属の若い女優さんが健さんにほれちゃって、その相談を受けたことも。それで私が健さんのところに『よかったら付き合ってあげて』って頼みにいったんですが、『どうしても妹としか思えない』って断られました。江利チエミさんと結婚するときも、『まだ結婚は早いんじゃないの。もう1、2年先に延ばせないの』なんて忠告したことがありました。人気が出始めていた頃で、結婚の影響を心配したんですけど、今考えれば本当におせっかいもいいところでしたね(笑)」 スター同士のロマンスをカムフラージュするために協力したことは一度や二度ではなかった。 「浅丘ルリ子ちゃんと小林旭の交際が噂になっていた頃は、よくロードショー劇場に一緒に行ってました。先に旭が指定席に座っていて、そこに合流するんですけど、私がいるから『仕事なのかな』ってほかの記者たちの目をごまかせたから(笑)。逆に対談をしてもらったウェスタン歌手の小坂一也が、ルリちゃんのストーカーみたいになっちゃって、私が注意を申し入れたなんてこともありました」 そんな渡部さんの目に現在の日本映画界はどう映っているのか。 「ここ数年、邦画界は盛り上がっていますけど、一つ言えるのは当たってる映画と、いい映画は違うんだということ。私的にはいい作品が是非当たってほしいですね。こんなこと言うと、また映画会社の人に嫌な顔されちゃうかな(笑)」渡部保子(わたべやすこ) 日大芸術学部映画学科から映画世界社に入社。『映画ファン』が休刊するまで編集部に在籍し、その後も映画評論家として映画界に深くかかわってきた。現在は日本映画批評家大賞選考委員代表も務める。この春には著書『昭和のスター 最後の証言』(収穫社)を出版した。
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芸能ネタ 2012年06月19日 14時00分
堺・新垣『リーガル・ハイ』は意外なクリーンヒット作 「録画率」はダントツ首位
打ち切りが2本も出た4月期ドラマだが、そのなかで“隠れたヒット”があることはあまり知られていない。 堺雅人と新垣結衣がW主演の弁護士ドラマ『リーガル・ハイ』(フジ)である。ちょっとおっちょこちょいだが、訴訟で一度も負けたことがない敏腕弁護士・古美門研介(堺)、それに真面目で正義感の強い新米弁護士・黛真知子(新垣)の2人が繰り広げるコメディーだ。 このドラマは9回平均12.4%でベスト5入りし、ここにきて視聴率は右肩上がり。7、8回では14%台を続けて出した。 驚きなのは「録画率」がトップということだ。これはソネット・エンタテインメントが行なっている調査で、どのドラマがもっとも録画されているかを調べるもの。こうしたデータはほとんど公表されていないが、多くのスポンサーが『リーガル・ハイ』がトップであることに注目している。 「いまのドラマ視聴者は、リアルタイムよりもブルーレイなどに録画しておき、土・日曜にまとめて観ることが多い。録画視聴率は、本来の視聴率に反映されないので、従来の視聴率を加えるといかに『リーガル・ハイ』が観られているかがわかります。日本には、視聴率調査会社がビデオ・リサーチしかなく、録画率にもほとんど力を入れていない。遅れているというしかありません」(テレビ業界関係者) 『リーガル・ハイ』が「録画率調査」の存在・重要性をアピールした功績は大で、今後は視聴率調査方法を大きく変えていくだろう。
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その他 2012年06月19日 12時00分
物がゆがんで見える…“老化”が引き起こす怖〜い「目」のお話(2)
加齢黄斑変性症は片目ずつ起こると前述したが、一方の目に症状が出た人は、もう片方の目にも起きやすいことも認識しておく必要がある。だから、片目の治療が済んでいても、もう片方の目のチェックを定期的にしなくてはならない。それが視力低下、失明防止へつながる早期発見への道だという。 目は脳と直結し、体の中で最も進化した物を見る器官だが、実は脳の出先器官でもあり、実際は脳で見ている、と言うのは回生眼科院長で『白内障、緑内障が少食でよくなる』(マキノ出版)の著者でもある山口康三氏だ。著書の中でこう記している。 《よく“目は心の窓”といわれますが、目はまた、全身の健康状態を映す窓でもあります》 目は全身の健康状態と深い関係にあって、その人の健康状態をダイレクトに反映しているという。 「健康な人は目がキラキラと輝いているし、病気があると目は力を失ったり、濁ったりします。“目は口ほどにものを言う”も同じ意味で、やる気があるときは目は力を持っているし、精神状態が不調な時は目に力がありません。目は外界と体内部の両方を見せてくれる“ダブルウインドー”になっているのです」(山口氏) それだけ、目の器官は大事であり、しっかりと守らなければならないということである。ちょっとしたことでも心掛けよう。便秘傾向にある人は、加齢黄斑性変性症になりやすいといわれる。1日3回ほど黄色い便が出るように生活改善してみてはどうか。 さらに、睡眠を十分取ることも老化を防ぐ。遅くとも夜11時には就寝したい。テレビやパソコンもほどほどにし、体調が悪い時ほど早く寝ることにする。そして、抑圧された怒りや欲求不満など、ネガティブな感情を減らしたり解消させれば、眼圧が下がるという専門家もいる。あとは何といっても食事療法だ。 「活性酸素も、黄斑変性症を引き起こす要因なので“大食”は禁物。体内で大量の活性酸素を発生させるので、私は“少食のすすめ”を提案します」 これは、栄養管理士で料理研究家でもある林康子氏の弁。さらに、抗酸化作用のあるビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂ることだと言う。 中でも重要なのは、ビタミンCと亜鉛。ビタミンCの血中レベルが低い人は、黄斑変性症に2〜3倍かかりやすい。ビタミンCは天然の紫外線フィルターの役目をするので、網膜の老化を防ぐ効果がある。一方の亜鉛も目にとって最も必要とされ、これが不足すると網膜が変性し、逆に十分摂っていれば視力も安定し、黄斑変性症が改善する可能性があるとも言われる。 いずれにしても「仕事が忙しいから」を理由に、人間が生きていく上で最も大切な目を、粗雑にしたりチェックを怠ったりしていると、取り返しのつかない事態に至ることを再認識すべきである。
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芸能ニュース 2012年06月19日 11時45分
AKB48渡辺麻友2ndソロシングル『大人ジェリービーンズ』発売決定
アイドルグループ、AKB48の渡辺麻友の2ndシングル『大人ジェリービーンズ』のリリースが7月25日に決定した。 2月29日にリリースされたソロデビューシングル「シンクロときめき」は20万枚を超えるヒット。オリコンウィークリーチャート堂々第2位を獲得した。ファン待望の2ndシングルは、“オトナ可愛い”楽曲になるということで、サビの歌詞の中にも「大人誕生」とあり、ジャケット写真では、今まであまり見せてこなかった大人っぽいビジュアルに挑戦。髪を下ろし、ゆるく巻いて、ナチュラルで大人っぽい印象になっているという。 今回のセカンドシングル発売について、渡辺は、「今回の曲もすごいカワイイ曲! 歌詞と合わさって、私がすごい好きな感じです! ジェリービーンズって単語もかわいいし気に入っています」「ジャケットは前回がバッシリ決めたアイドル系だったので、今回はナチュラルな大人っぽい感じを出してみました。髪も下ろして、ゆるく巻いたのはあんまりやらないので、新鮮で楽しかったです」とコメント。 衣装もブルーのシンプルなワンピース。今までの可愛さに加えて、“大人まゆゆ”を堪能できる、そんな作品に仕上がる予定だ。
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芸能ニュース 2012年06月19日 11時45分
中村勘三郎が初期の食道がん
歌舞伎俳優の中村勘三郎(57)が初期の食道がんであることが分かった。6月1日に受けた人間ドックでわかり、現在は都内の病院に検査入院中。 勘三郎は東京都出身。1959年に歌舞伎座『昔噺桃太郎』の桃太郎で五代目中村勘九郎を襲名して初舞台。 2005年には十八代目中村勘三郎を襲名。2010年には、特発性両側性感音難聴を発症して漸く休養していた。 なお、9月、10月に予定されている長男の六代目中村勘九郎の襲名披露興行は出演をとりやめるという。
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トレンド 2012年06月19日 11時45分
みひろがコンドームの使用感を紹介、待つだけじゃなく女性から『つけよ!』
タレントのみひろと芋洗坂係長が都内で18日、オカモトのコンドーム「003(ゼロゼロスリー)」のギネス認定イベントに登場し、トークショーを行った。 発売から9年目を迎えたオカモトの「003」。0.03ミリ台の薄さを実現し、さらに薄さの均一化に成功。80年間、コンドームを追いかけてきたオカモトの理念と技術の結晶で、今年1月には「世界最薄」として、生活用品としては異例のギネス認定を受けた。「003」は、形状、色、パウダー付きタイプなどバラエティーに富んだ7種類が発売中。 トークショーではまず、宣伝大使にも就任しているみひろが、0.03ミリを、日焼けをしたあとにめくれる肌の薄さと紹介。「003」のコンドームの装着時の形状らを示しながら、「精液だまりがないので、フィット感がいいです」「まるでつけていないよう」「パウダーであせらないようになっているのでつけやすい」など、特性を紹介。「大好きな人と使いたいので、男性から言われるのを待つだけではなく、女性から、『コンドーム、つけよ!』って言葉を掛けたり」するなどして、「2人の絆を深めあっていってほしい」とメッセージ。 また、みひろは、照れながらも、「003」の使用感を「ぬくい」と告白。「相手のぬくもりが伝わる」という。結婚について、「2、3年後にはしていたい」と願望を強く持っていることを紹介。余興として、体の一部始終を使って自動車レースの「F-1」を表現したという奇妙な踊りを披露した芋洗坂係長は、現在再婚の予定はないというが、2人でトークショーに出席したことで、みひろと「電撃婚と誤解されませんか」と笑いをとった。しかし、みひろは、「ごめんなさい、タイプじゃないです」と、いきなりガチな答え。どこがダメ? とふられると、芋洗坂係長の髪の毛へ手を伸ばし、「ここだけ長いのが」と笑いを誘った。(竹内みちまろ)
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スポーツ 2012年06月19日 11時45分
仮病説も… 猫ひろしがライバル選手との直接対決を欠場
お笑い芸人でマラソン選手の猫ひろし(34=本名・滝崎邦明)が、ライバル選手との直接対決を回避したことで物議をかもしている。 6月17日、カンボジア・プノンペンで「プノンペン国際ハーフマラソン」が開催され、男子ハーフマラソンでは、猫のライバルで同国の北京五輪代表、ヘム・ブンティン選手が1時間9分36秒で2年連続優勝を飾った。 猫は体調不良を理由に欠場。3キロの部のスターターを務めた後、同部に加わって走るにとどまった。猫は「私事ですが、39度の熱が出てしまいまして、ハーフマラソンを走ることができませんでした。本当に残念でした」とのコメントを出した。これが、「仮病ではないのか?」との憶測も飛んでいるのだ。 猫とブンティン選手との“遺恨”は深刻だ。昨年6月の同マラソンで対戦した両者。当時はまだ、猫が発展途上でもあったが、その際はブンティン選手が1位、猫が2位に終わっている。 その後、猫は昨秋カンボジア国籍を取得。2月5日の別府大分毎日マラソンで、2時間30分26秒の自己最高タイムを記録し、ブンティン選手の昨季最高タイムである2時間31分58秒を上回った。これにより、同国陸連は3月25日、猫を代表に選出した。この決定にブンティン選手は日本のマスコミに、「猫はカネで国籍を買い、五輪出場権も買った」などと、怒りをぶちまけた。 猫の代表選出に賛否両論が渦巻くなか、4月12日、国際陸連が猫の出場資格を疑問視し、同国陸連に説明を求めていることが明らかになった。直後のパリ・マラソンで、ブンティン選手は猫の自己最高タイムを7分近く上回る2時間23分29秒の自己ベストタイムを出して、「ロンドンに行きたい。猫は私より遅い。フェアじゃない」と主張した。 5月8日、国際陸連は「過去に国際競技会での代表経験がない」「国籍取得から1年未満かつ連続1年以上の居住実績がない」ことから参加資格を満たしていないと正式に判断、特例も認めないことを通達。同国陸連はこの決定を受け入れ、猫の五輪出場は消滅した。 ただ、パリ・マラソン自体は五輪代表の選考を終えた後のレースで、同国陸連の決定を覆すものではなかった。もともと、ブンティン選手は同国陸連、五輪委員会と確執があり、代表に選ばれることはなく、猫の代役には800メートルの選手が選出された。 そんな背景のなかで迎えた1年ぶりの直接対決。両者とも五輪出場はならなかったが、雌雄を決する絶好の場。猫にとっては実力でブンティン選手を破って、自身の存在をアピールするいい機会であったが、まさかの“病欠”。これには、「39度も熱があれば、3キロどころか、歩くことすら辛いのでは? 直接負けて、『やはり、猫は五輪代表にふさわしくなかった』と言われるのを避けたかったのでは…」(某スポーツライター)との陰口を叩かれる始末だ。(落合一郎)
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社会 2012年06月19日 11時00分
大阪・泉佐野市ネーミングライツ権騒動 いまだ地元は真っ二つ
市名売ります−−。6月1日、財政難に苦しむ大阪府泉佐野市が、市名のネーミングライツ(命名権)をはじめ、市の資産を広告媒体として活用する企業の募集要項をついに発表したが、いまだ地元の意見は真っ二つだ。 「自治体の名称変更は、市町村合併の際にはよくあることで、それ自体は決して珍しいことではない。しかし財政難を理由に、というのは前代未聞のこと。市議会では案が出た今年3月時点でも『歴史ある市名を売るとはなにごと』と反対意見が圧倒的だったのに加え、改名は最終的に議会の承認が不可欠なだけに、実現は不可能と見られているのです」(政治部記者) ところが市当局は真剣そのもの。あくまで実施の構えを見せ、ついに募集要項の発表に踏み切った。もし改名するとして、必要な“お値段”は100〜200億円前後。これに市名変更に伴う“事務経費”が約10億プラスされる。契約期間は10年以上。正式な応募受付は今年の11月からで、応募があれば審査の上、来年1月に新しい市名が決定するという。 しかし、市長公室の射手矢光輝氏は「3月の計画発表以来、ここまで100件以上の問い合わせがありました」と胸を張るものの、具体的な問い合わせとなると「まだゼロです」(同)という。それにしても、ここまでしてネーミングライツにこだわる理由は何なのか? 「市名変更に関しては、たとえ話がまとまらなくても、その間、泉佐野の名前が出るだけで何らかの経済効果が期待できるじゃないですか。それにネーミングライツは、有形無形可能な限りの市有財産が対象であって、市名変更はその極端な例ということなんですよ」(射手矢氏) 財政危機もここまでくれば開き直って目立ってナンボということか。気になるのは、そもそもこの案を、誰が持ち出したかだ。それについてはこんな話も聞こえてくる。 「実は千代松大耕市長の周りに強烈な『大阪維新の会』の支持者、関係者がいましてね。その人たちが市長を焚きつけたという声があるのです」(革新系市議) 確かに橋下徹大阪市長は、このネーミングライツ問題を「面白いアイデア」と評価していた。影にいたのはやっぱりアノ人だった?
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その他 2012年06月18日 18時00分
映画監督・若松孝二「いま三島由紀夫を映画にした理由」(1)
毎年5月、フランス南部のリゾート都市カンヌで開かれる『カンヌ国際映画祭』は、ベルリン、ヴェネツィアと併せ、世界三大映画祭の一つとして世界中から注目を集める一大イベント。65回目を迎える今回、日本人監督として唯一、招待(ある視点部門)されたのは『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(6月2日全国公開)で作家・三島由紀夫を描いた若松孝二監督だ。 三島が割腹自殺してから42年がたった今、海外の映画ファンはこの映画を観て何を思ったのか。自身41年ぶりのカンヌから凱旋帰国した監督に、その胸の内を語ってもらった。 「上映が終わった後、鳴りやまない拍手にまずは一安心しました。映画祭では数多くの映画が上演されるため、つまらない映画は途中で観客がドンドン退場していくんです。1000人以上入る劇場なんですが、誰一人として席を立つ人がいなかったのは嬉しかったですね。 金も名誉もある作家・三島由紀夫が、なぜ『楯の会』の若者たちと死へ突き進んでいったのか。今までさまざまな議論がなされてきましたが、映像でそれらを観ることができてとても良かったと、何人もの現地の人に言われましたよ」 2008年公開の映画『実録・連合赤軍浅間山荘への道程(みち)』では、永田洋子ら赤軍幹部が狂気へと走る様を衝撃的に描いた若松監督だが、なぜ、今回は民族派結社である『楯の会』、そして三島由紀夫を取り上げたのだろうか。 「インテリの評論家は右だ左だと言いますが、正直、私に思想なんてありませんよ。そもそも左右どっちだっていいじゃないですか(笑)。私は連合赤軍と楯の会の若者はどちらも一緒だと思っているんです。同じように国を憂いて決起した。誰もが皆、国のために体を張ったんです。起こした事件について賛否があるのは当然ですが、私は何かをやろうとして立ち上がった彼らの姿勢は共に評価したいんです。そんな部分を映像で表現したかったですね。そもそも三島由紀夫は45歳で自決しようと最初から決めていたんじゃないかな。桜のごとく、パッと咲いて散っていった。まぁ、その辺の解釈は人それぞれですから、映画を観た人に自由に考えてもらいたいですね。 元々、私の映画製作の原動力は“怒り”なんです。『この野郎、ふざけるな!』そんな気持ちを後世に作品として残したいんですよ。映像できちんとした形に残すことで、50年後でも誰かが目にすることができるでしょ。映画は娯楽というけれど、いつまでたっても犬や猫、病気を題材にしてるようじゃクソだよ! そんな映画、後になって誰が観たいと思いますか? 私は、別に作品に社会性を持たせたいと思っているわけじゃない。怒りの原動力を作品に変えて残したいだけですよ。だから出来上がった作品が褒められようが、ボロクソにけなされようが、一切気にしません。観た人がそれぞれ自由な感想を持っていいんです。平均的に受けを狙うから犬猫映画なんかが量産されるわけで、そっちの方が大問題ですよ」 宮城県出身の若松監督は若かりしころ、相当の問題児だったという。高校を1年で中退後、家出を繰り返し上京。様々な職種についたが、ちょっとしたケンカがきっかけで拘置所に拘留された経験もある。デビュー作であるピンク映画『甘い罠』では、その時の警官への反感から警官殺しを描くなど、反権力志向はこのころから培われていた。 「上京した当時は本当に明日のコッペパン1個をどうするかという生活でしたね。人生の目標なんてまったくありませんでした。食うために住み込みの仕事に就いたり、それはもういろんな事をしましたよ。船の荷揚げの仕事では1日働くとニコヨン、240円もらえるんです。朝、集合場所に集まるとヤクザが迎えに来てね。みんなトラックに乗って仕事に行く。ピンハネされて手元に残るのがニコヨンというわけ。そりゃ、悪さもすればケンカもよくしたね。当時は、まさか自分が映画監督になるとは思ってもみなかった(笑)。 最近の若者は『就職できない』なんて理由で自殺する人もいるでしょ。でもね、私の若い頃はもっと酷かったよ。そこら中にホームレスがいてね、みんな必死に生きていた。お先真っ暗と落ち込む前に、何か自分が残せるものをつくったのか? 努力をしたのか? もう一度よく自身を振り返った方がいい。過保護に育って考え方が甘いんだな。1+1のお勉強は私よりも優れているかもしれないけど、想像力は俺の爪の垢を飲め! と言ってやりたい(笑)。つらいことはあるだろうが、自信を持って語り部になれと思うよ」