トレンド
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トレンド 2010年12月10日 11時30分
あなたも死刑判決を下す日が来るかもしれない…その前に啓発フィルムで学ぼう
11月25日、元交際相手の家族を殺害した少年に対して、裁判員は死刑判決を下した。制度が始まってから死刑判決は2例目、少年に対してでは初だ。 2009年から始まった裁判員裁判も今年の8月時点で5222人もの人が経験している。私やあなたが選ばれる可能性だって十分あるのだ。その時、私たちは適切な判断ができるだろうか? きちんとした振る舞いで裁判を進行できるだろうか? そう不安に思っている人のために、裁判所は素敵なプレゼントを用意してくれている。2007年制作の『ぼくらの裁判員物語』は裁判の仕組みや裁判員のあり方を教えてくれるアニメ形式の啓発フィルム。企画・制作をなんと最高裁判所、プロデュースをあの電通が行っている。アメリカには陪審員制を描いた『12人の怒れる男』という名作映画があるが、こちらも負けていない。何せ裁判所が自ら制作しているし、アニメは日本のお家芸だ。 舞台となるのはごく普通の高等学校。不真面目で勉強もあまりできない別所翔太は、クラスメートで秀才の栗原茜に思いを寄せている。どうにかして仲良くなりたいが、頭の出来も違うし接点が見つけられない。この2人の恋愛模様をメインに、ストーリーは進行していく。 ちなみに別所の声は人気テレビアニメ『名探偵コナン』のコナン役でおなじみの高山みなみが担当。税金を使って有名な役者を起用するのは啓発フィルムの特徴の一つ。鑑賞する際は、その辺も頭に入れておくと楽しみが増える。 その別所は栗原との接点を探そうと、コナンばりに栗原を尾行する。そして、友人との会話を盗み聞きし、彼女の将来の夢が裁判官であることを知るのだ。 別所はない頭をしぼって、「裁判について詳しくなれば仲良くなれるのでは」と思いつくが、勉強していない人間がいきなり堅い本を開いたってさっぱりわからない。そこへ別所の魂胆を知った図書管理の涼子先生が入門用のDVDを貸してくれる。ちなみに涼子先生は『ルパン三世』で峰不二子をやっている増山江威子が声優をしており、無駄にセクシーでエロい。 だが、実はそのDVDは本来は栗原が借りる予定のものだった。偶然かエロい涼子先生の計らいか、別所と栗原は視聴覚室で一緒にDVDを見ることになる。そして、2人で裁判と裁判員制度について知っていく、というのがこのアニメの筋書きだ。 好きな人と仲良くなるためにあれこれと行動を起こす別所の衝動は、誰もが理解できることだと思う。しかし、恋に対するこの衝動は時おりネガティブに反転してしまうこともある。 恋心が憎しみへと変わりそうになったときは、別所のピュアな衝動が思い出そう。自分がピュアだったときのことを思い出そう。そうすれば、心を落ち着けることができるかもしれない。(啓発フィルム研究家・菊池良)
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トレンド 2010年12月10日 11時00分
愛知県名古屋市発! どっひゃー、「名古屋弁かるた」だぎゃあー!
今年の夏に名古屋開府400年を記念して、名古屋の文化などを盛り込んだ読み句を満載した「名古屋弁かるた」を作るため、読み句を一般公募した。そして、平成22年11月1日に名古屋開府400年祭パートナーシップ事業「名古屋弁かるた(読み手CD付き)」が発売された。 「名古屋弁かるた」は、公募された優秀作品を南山大学人文学部日本文化学科教授・安田文吉氏が監修し、付属の読み手CDにはフリーアナウンサー・蟹江篤子さんが正確で正しい名古屋弁で読み上げている。 「名古屋弁の発音に自信のない」というお母さんにも気軽にお子さんと楽しめるように、正しい名古屋弁(ことば)の発音・イントネーションがよくわかる読み手CDが付属されている。また読み手CDをCDプレーヤーでランダム再生すれば、読み手がいなくてもかるた遊びはできる。名古屋弁をマスターした人は標準語で読み上げ、名古屋弁を推測して絵札を取るというレベルの高い遊び方も出来る。また読み札にはオリジナルフォント「金シャチフォント(名古屋城と名古屋嬢をイメージしたご当地フォント)」が採用されている。話題の河村名古屋市長も「名古屋ことばの綺麗なアクセントもわかりやすく、子どもたちにぜひ使ってもらいたい」と出来栄えに大満足している。読み句例:(名古屋弁)「ちんちんの最上級はちんちこちん」(標準語)「熱い」という表現の強い言い方は「ものすごく熱い」です しかし、読み句には「ん」の文字が使われる名古屋弁(んまゃ〜)はあるのだが、「る」がないということで、現在でも読み句を募集している。 正月には家族揃って、目から耳から「滑らかで、優しくて、温かみがあって、おおらかな」名古屋弁をかるたで学んでみてはどうだろうか。なお「名古屋弁かるた」は開府400年公式グッズショップ、名古屋市内の書店で入手できる。(「三州の河の住人」皆月 斜 山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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トレンド 2010年12月10日 08時00分
ニューヨークレポート NYでゴミ拾い、いえ、ゴミュニケーション
ニューヨークの舗道、特に五番街は不況の頃に比べると格段にきれいになった。市の清掃員が巡回して街角に設置された大きなゴミ箱のゴミをひんぱんに収集しているし、地下鉄のプラットフォームにもドラム缶より大きな黒いゴミ箱が置いてあるのでゴミを路上に捨てなくてもいいシステムが出来上がっている。 ニューヨークの名所であるロックフェラーセンタービル付近も管理が行き届いて非常にきれいである。が、付近の五番街を良くみるとけっこう吸殻が落ちている。ニューヨークではレストランやバーでの喫煙が禁止されているので歩行喫煙者がポトリポトリと吸殻を捨てて行くのだ。 そんなゴミを拾うボランティアグループが「ゴミニュケーション」。月に2回土曜日の朝9時頃に「バラエティ・カフェ」に集合、スタートとなる。ここのオーナーが活動に賛同して店内の飲食を無料で提供しているのでコーヒー代すらなしで参加できる。 事前の連絡や登録は一切必要なし。ニューヨークで何かボランティアをしてみたいという人はけっこういるが、手続きが面倒だったり、お金がかかったりするので二の足を踏んでいる人には恰好のボランティア活動である。 トングを手にモク、いや、吸殻を拾う姿から戦後のモク拾いを思い浮かべる年配の方もいるかもしれない。この活動には日本人だけでなく、口コミで知って参加するアメリカ人もいる。ゴミ拾い中に通行人との触れ合いもあり、参加者同士の自己紹介でちょっとした交流会にもなっている。ゴミ拾いとコミュニケーションが合体したまさに「ゴミュニケーション」だ。 「手袋(軍手がお勧め)、ゴミ袋(買い物袋でOK)を用意して笑顔をお供にご参加ください」とはリーダーのトム森本さんからのメッセージ。 ニューヨークでゴミ拾いついでに知己というお宝も見つけられるのが「ゴミュニケーション」の醍醐味(ダイゴミ)である。(セリー真坂)Variety Cafe48 W. 48th Street
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トレンド 2010年12月09日 16時30分
米倉涼子・上戸彩を育てた芸能事務所の“育成ノウハウ”を初公開! 『世界一受けたい「美女」養成講座』国民的美女のつくりかた
後藤久美子・米倉涼子・菊川怜・上戸彩・森泉を育てたオスカープロモーションが、大人気芸能人の“育成ノウハウ”を初公開。 40年間培ってきた秘密の“女の子変身プログラム”が話題の書籍『世界一受けたい「美女」養成講座』国民的美女のつくりかた(講談社 税込:1,680円)は、24時間「可愛い女の顔」の作り方や、美の才能を磨き「眠っている魅力」を引き出す方法、「もう一度会いたくなる人」の話し方など、「普通の女の子」を「1億人に愛される女性」に変えるシンプル・ルールを紹介。 全日本国民的美少女コンテスト公認DVD付き。努力次第であなたは、もっと美しくなれる! その言葉を信じて「モデル美女」へトライしてみては。『世界一受けたい「美女」養成講座』 国民的美女のつくりかた 監修他: オスカープロモーション全日本国民的美少女コンテスト公認DVD付き。価格(税込):1,680円講談社
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トレンド 2010年12月09日 15時00分
家庭用サーバーで樽生を味わいたい…
年末年始、友人や親戚と樽生ビールを家庭で…などと目論んでいる人も多いだろうか。 キリンでは、かつてコンビニでも買えた、家庭用・生ビール専用サーバーの販売を残念ながら現在は終了してしまっている。よって、キリン樽生一番搾りという商品も、これがない人には飲めない。 ちなみに業務用サーバーとキリンのような家庭用サーバーの違いは、 「急速冷却出来るかどうか、が最も大きな違いでしょう。これによってうまさは大きく違います」(ビール通) ということだ。つまり基本的に“居酒屋のビール”は、家庭では飲めないのである。その代わり、泡と液体を別々に注ぐ、注ぐ際に炭酸ガスを充填させる、などのワザは簡易なサーバーにもあるので、業務用と近い味は楽しめる。 ちなみに気になるキリンさんの生ビールはというと、「ねっとりした生ビール」(注文専用ダイヤル)、という説明だった。これは、ビアガーデンなどの業務用サーバー用の業務用樽の鮮度に負けないのであろうか…気になるところだ。 いずれにせよ、ネットなどで家庭用サーバーを買えば普通のビールを入れる訳だから、ビールメーカーの家庭用サーバーの味に基本的には軍配が上がりそうである。が、 アサヒビールお客様相談室によれば、 「生ビールに炭酸ガスを充填させるのは非常に難しく、業務用サーバーを一般向けに販売した事はなく、ホームサーバーの販売も今はやっていません」 ということ。やはり、金色のオブジェの建物の周辺のグループ会社経営の生ビールのうまさをそのまま味わうのは難しそう。 結局、それぞれで家庭用サーバーを買い、気分だけでも生ビール気分、というのが一般的な楽しみ方だろうか。 なお、瓶ビールも缶ビールも、各社ともに炭酸ガス充填の技術はその“粋”が尽くされている事は言うまでもない。よって、よく言われているような両者の味の差はないらしい。 むしろ日光を通さないぶん、缶ビールのほうがうまい、という説まである。
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トレンド 2010年12月09日 09時00分
かつらむきの歴史に名を残せるか? 「かつらむき」
「かつらむき」(http://itunes.apple.com/jp/app/id404736515)とは、大根を薄〜く切っていく、あの「桂剥き」のこと。iPhoneの画面いっぱいに広がる大根を薄く長く剥いて、記録にチャレンジしてみよう。 絶妙な角度を保たないとすぐに切れてしまう。でも、あんまり余裕を持って剥いていっても、分厚くなって長さの記録が生み出せない。剥いていくたびに少しずつ変わっていく、ゲージを見ながら、微妙に角度を変えて「薄く長く」剥いていかなくては、記録はなかなか生み出せないのだ。切れてしまったらその時点でゲームオーバーなのは言うまでもない。 最後まで剥ききると2mを超える。ぜひ、薄〜く長〜い美しいかつらむきを目指してみてほしい。ちなみに、本物のかつらむき大会では4mを超える記録が出ているという。このアプリで、どこまでリアルに迫れるのかも気になるところだ。(谷りんご)
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トレンド 2010年12月08日 16時00分
ニューヨークレポート ニューヨークの中の日本「ザ・キタノ・ニューヨーク」
横メシ、縦メシという駐在員用語がある。西欧人と横文字で会話しながらの食事が横メシ。日本食以外の食事を指す場合もあるようだ。反対が縦メシ。つまり日本人同士で食べる、又は和食の食事の事である。概して日本人の駐在員や外交官は横メシが苦手なようだ。やはり世界のどこにいても日本人は日本的な習慣や伝統の中で一番くつろげるという事なのだろう。 ニューヨークには素晴らしいホテルがたくさんある。例えばマークホテルやマンダリンオリエンタル・ニューヨーク。こんな五つ星ホテルに宿泊した事はないが、横メシと一緒であまりくつろげない、と感じる日本人宿泊客もいる事と思う。 コンクリートジャングルのニューヨークでビジネスや観光で疲れた時にはホッとできるホテルが一番だと思う。それがザ・キタノ・ニューヨークなのだ。1973年創業で、ホテルが林立するミッドタウンを少し下ったバークアベニューの38丁目にある。 人込みもなく、のんびりした雰囲気が漂う地域である。ここを定宿にする日本人ビジネスマンは多い。 何しろ日本人スタッフが常駐し、事務的なアメリカ式のサービスではなく細やかな日本的な心配りが行き届いているのがひしひしと感じられる。キーワードは「やすらぎ」と「安心」。そして「笑顔」。ニューヨークではサービス業の人達の笑顔を見るのは稀なのだが、同ホテルではドアマンからして笑顔を浮かべている。 個人的には「バーラウンジ」のジャズ演奏が気に入っている。最近ニューヨークのジャズクラブはやたら高いが、ここは平日にはチャージがないのが嬉しい。 そして、わざわざ外まで出かけなくてもには本格的な懐石からランチの定食まで日本料理を出す「白梅」がホテル内にある。モダンアメリカンレストラン「ガーデンカフェ」では地元の農家から仕入れた新鮮な素材を使った食事も出来る。 ホリディシーズン真っ只中のニューヨーク。同ホテルでもクリスマスディナー、大晦日のジャズパーティが開催され、元旦、2日には「白梅」でお節料理まで食べられるというのだから年末年始をニューヨークで「和風」に過ごすのも一興というものではないだろうか。(セリー真坂)
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トレンド 2010年12月08日 15時00分
ミュージシャンのスネオヘアー、映画初主演は僧侶の役で。『アブラクサスの祭』
02年5月「アイボリー」でメジャーデビューし、数々のヒット曲で知られる、渡辺健二のひとりプロジェクト・スネオヘアー。ある日風呂上がりに鏡を見ると、自分の髪型が某マンガの登場人物そっくりだった事からついたこの名前は、どこかノスタルジックな彼のキャラクターをよく表している。そんなスネオヘアーが、現役僧侶で芥川賞受賞作家・玄侑宗久氏の原作を映画化した『アブラクサスの祭』に主演。かつてはミュージシャンだったが、夢をあきらめきれずにうつ病に苦しむ禅僧・浄念を演じた。学生時代から芝居に没頭し、演技の経験も豊富なスネオヘアー。音楽表現のみならず、魅力的な芝居で、見るものを引き付ける。 僧になった自分の「役割」に悩む浄念は、自分の中で音楽への想いがたち切れていなかったことに気付き、町でライブをやりたいと強く思いはじめ…。「自分」をまるごと受け入れる“禅”的ヒントが満載。不景気の波が押し寄せ、重苦しい雰囲気に包まれた2010年の年の瀬を吹き飛ばすような爽やかな一作。 エンディングテーマは、スネオヘアー+ともさかりえによる「ハレルヤ」。『アブラクサスの祭』監督・脚本:加藤直輝原作:玄侑宗久『アブラクサスの祭』(新潮文庫刊)出演:スネオヘアー ともさかりえ 本上まなみ 小林薫12/25(土)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー★オフィシャルサイト: www.aburakusasu.com(C)「アブラクサスの祭」パートナーズ
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トレンド 2010年12月08日 13時30分
『BLEACH』第48巻、斜め上の展開で破面篇完結
『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『BLEACH -ブリーチ-』(久保帯人作)の最新刊第48巻が12月3日に発売され、破面(アランカル)篇が完結した。 『BLEACH』は虚(ホロウ)を退治する死神の能力を身につけた高校生、黒崎一護(くろさき・いちご)と仲間の活躍を描いた漫画である。破面は死神の力を手に入れた虚で、破面篇の主要な敵キャラクターである。 破面篇は以前のストーリーから完全に独立したオムニバスではなく、連続している。破面を率いる藍染惣右介は、その前の尸魂界(ソウル・ソサエティ)篇で尸魂界を裏切った。死神の力を手に入れた虚の対照的な存在は、虚の力を手に入れた死神であるが、既に一護は尸魂界篇で虚化していた。尸魂界篇では謎であった虚化のカラクリが破面篇で説明されることになる。 また、虚の力を手に入れた死神の集団・仮面の軍勢(ヴァイザード)の中心人物である平子真子(ひらこ・しんじ)は、第1話「Death & Strawberry」の見開きに井上織姫やチャドら主要キャラクターと共に登場していた。 破面篇は尸魂界篇の黒幕であった藍染と決着をつける。尸魂界篇は物語の最初の死神代行篇で朽木ルキアが一護に死神の力を分け与えたことが発端になっている。その意味で破面篇が完結する第48巻は連載開始時からの『BLEACH』の大きな区切りである。 護廷十三隊の隊長格や仮面の軍勢に対して圧倒的な力を見せた藍染であったが、最後は意外にもあっけなかった。実は『BLEACH』では戦闘のワンパターン化が指摘されている。劣勢なキャラクターがパワーアップして、逆転勝利するという展開である。もともと『BLEACH』では死神の卍解(ばんかい)や破面の帰刃(レスレクシオン)のようにキャラクターが最初から本気では戦わず、奥の手で本気を出す仕組みになっている。 これは藍染との戦いでも同じで、格段にパワーアップした一護が登場する。ところが、決着の要因は別のキャラクターが大分前に仕掛けた罠であった。誰も予想できない斜め上の展開であった。 破面篇の完結によって過去の伏線の多くが回収されたものの、新たな謎が生まれた。一護の父・黒崎一心は死神であった。一心がどのような死神であり、どうして人間として生活していたのかは謎のままである。現在、『週刊少年ジャンプ』で連載中の死神代行消失篇に期待したい。(林田力)
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トレンド 2010年12月08日 13時00分
連載ラノベ 夢ごこち(2)
吉原君と初めてデートをしたのは、夏休みに入ってから。けど、吉原君は剣道部の練習があって、夏休み中はあまり会えなかった。二学期が始まって学校が落ち着いてきた今日が、四回目のデートだ。 夏休みのデートの時、吉原君は、白い綿のシャツに、紺色のずぼんをはいてきてくれた。短い髪の毛も、整髪料で整えていた。女の子に積極的に話しかける男の子たちよりも、ぜんぜん、すてきに見えた。 でも、吉原君といっしょにいるときは、まだ、何をしゃべればいいのか、わからない。 吉原君も、よく下を向いたり、黙り込んだりしてしまう。けど、吉原君は、いつも私を気づかって、いろいろなことを話してくれる。さっきも、階段道で、「大丈夫」って、何度も聞いてくれた。 それに、吉原君は、私が何を言っても、私の心を感じ取ってしまう。 「ごめん、やっぱり、興味なさそうだね」 今も、すまなそうな顔をしてくれた。 吉原君のせいじゃないのに。今日は生理で体調が悪いだけなのに。 けど、「ごめん」って、あやまってくれた吉原君に、なんて言えばいいのかわからない。 吉原君に、崇徳院と西行の話の続きを聞いてみた。 「問答をして、それから、どうなったの」 吉原君が、一瞬、驚いた顔をした。けど、話してくれた。 「西行は崇徳院に成仏を願うんだけど、崇徳院は皇位を奪われたことを恨んでて、すでに魔道に身を染めてたんだ」 魔道って、悪魔の道のこと。 「…魔道」 つぶやいたら、ちょうど相づちを打った形になって、吉原君が、さっきよりも楽しそうな声で説明してくれた。 「うん。それで、崇徳院は西行の話に耳を貸さずに、手下の怪鳥を呼び集めるんだ。怪鳥に、『天下に大乱を起こせ』って、厳密に言うと『平家を滅ぼせ』ってことなんだけど、命令するんだ」 「…怪鳥」 「うん」 吉原君が鼻をかいた。どうしたのだろう。(つづく/竹内みちまろ)