社会
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社会 2009年01月28日 15時00分
日系ブラジル人“マフィア化”を懸念する声
日本に滞在する日系ブラジル人は約30万人。その大半は派遣労働に従事し、世界的な景気悪化の影響を受けて帰国を余儀なくされている。しかし、日本社会から弾き飛ばされ、帰国する所持金さえない人もいる。そうした人はどのように生活の糧を求めればいいのか。ブラジルといえば、世界に冠たる麻薬天国。彼らが薬物密売に走ることを心配する声もあるのだ。 日系ブラジル人の「マフィア化」を心配するのは厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部元捜査第一課長の小林潔氏。 「ブラジル人の一部はかねてから六本木で薬物密売に手を染めていた事実もあります。しかも、ブラジル女性がダンサーとして来日する際、コカインを少量ですが、持ち込んだ例もありました。今の不況はそう簡単に改善しそうにない。派遣労働者は弱い立場です。しかも、日系人となるとさらに弱い。ならば、手っ取り早く薬物の売買をやるかという人が出ても不思議ではありません」 小林氏の見方は数字でも裏づけられる。外国人の薬物犯罪というと、すぐにイラン人を思い浮かべがちだが、実はブラジル人はそれを上回る。厚生労働省によると、2004、05年に薬物犯罪で摘発されたのは、イラン人123人、119人に対してブラジル人は116人、139人に上るのだ。 背景には、南米のほとんどの国で大麻が栽培されている実情がある。 「なかでもブラジルは南米における大麻押収量の半分を占めるほどの麻薬天国。ヘロイン、コカインの生産国であるばかりでなく、中継地としても知られています」(小林氏) というのも、犯罪組織が貧しい市民を取り込んで麻薬密売を行っているからだ。「国から見離された貧民層に生活支援を行っているんです。それだけでなく、子供たちに麻薬密売を手伝わせている。彼らは17〜18歳ともなると、いっぱしの密売人に成長しているんです」(小林氏) こうしたお国柄は日系ブラジル人といえども、無縁ではない。 「日本に来て社会に根付いたつもりでいたが、不況のあおりで解雇され、生きていくことも難しくなった。そのようなとき、麻薬の密売組織が彼らに注目しないわけがない。日系人は三世までは日本国籍が取れる。不法残留している外国人と違って動きやすい。そうした事情もマフィア化を促進するのではないでしょうか」(小林氏) 国内ではナイジェリア人の男性が薬物密売に関与している事実がある。彼らは日本人女性と結婚し、日本社会に根を張って密売に手を染める。追い詰められた日系ブラジル人がそうならないとも限らないのだ。 「数年前には麻薬取締部が東京税関と連携してコントロールデリバリー(泳がせ捜査)で密売に関与したブラジル人を摘発したこともあります」(小林氏) つい最近では福岡で職場の上司に復讐をしようと銃器を密造した日系ブラジル人が逮捕された。 もちろん、善良な日系ブラジル人がほとんど。さらにこうした悲劇が起こらないよう国が手を差し伸べなければならないのだが、聞こえてくるのは「日系ブラジル人大量解雇」のニュースばかり。昨年末には、日系ブラジル人が多く住む静岡県浜松市でブラジル人学校が閉鎖された。 日本に来て20年。帰国してもポルトガル語が話せない子供も大勢いる。 「私の心配が杞憂(きゆう)に終わればいいが、状況は余りよくない」と小林氏は顔を曇らせる。日本人の多くは日系人の心配をしている余裕はないのだろうか。(岡田晃房)○日系ブラジル人 ブラジルに渡った日本人の子孫はいまもブラジル国内に約150万人いる。1970年代以降、激しいインフレで祖国に戻る人が相次ぎ、90年出入国管理法の改正で3世までの無制限の入国を許可すると、さらにその流れを加速した。現在、国内に30万人。群馬県太田市、栃木県小山市、愛知県豊田市、豊橋市、静岡県浜松市など期間工を必要とする地域に多く住む。
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社会 2009年01月28日 15時00分
麻生首相大ピンチ!? 民主党代表質問“最強刺客”田中真紀子氏決定
麻生太郎首相(68)が絶体絶命のピンチを迎えた。あす29日から始まる衆院各党代表質問で、民主党は同党会派に所属する無所属の田中真紀子元外相(65)を“刺客”に立てることを決めた。 真紀子氏は類まれなる毒舌のセンスを持つ。麻生首相の外交政策を追及させ、2009年度予算審議に向けて対決姿勢を鮮明にする狙い。民主党はいまひとつ“口撃力”に欠け、瀕死の麻生政権を追い詰められずにいる。そこで最強助っ人の“決定打”に期待をかけることになった。 真紀子氏は小泉元首相とのバトル終息後は目立った動きがなかったが、2007年には当時外務大臣だった麻生氏を「口の曲がったわけのわからない外相」と揶揄(やゆ)。その後も“ひょっとこ総理”と命名するなど麻生氏をからかってきた実績がある。 真紀子氏は鳩山由紀夫幹事長の後、質問に立つ。小沢代表をぶつける“大将戦”は見送られたという。 一方、自民党は27日、麻生政権の第2弾ポスターを発表。麻生首相の穏やかな表情が印象的で、「景気に全力。予算の早期成立こそ最大の景気対策」との文言を刷った。民主党が予算案に反対することを念頭に入れ、暗に“抵抗勢力”扱いしている。 昨年9月に出した前作ポスターでも麻生首相の顔を大写しにしたが、街頭演説時のマジ顔だったため「顔が怖すぎる」などと評判はいまいち。やわらかい表情で老若男女に親近感をアピールする作戦に切り替えた。ポスターは10万枚を作成し、党都道府県連や各選挙区支部に配布する予定。予算成立後には第3弾を作成するという。 真紀子氏の舌鋒は確実に相手の弱点を突く。麻生首相に対しては「漢字読み間違え」をいじる場面もありそうだ。
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社会 2009年01月27日 15時00分
リベンジ狙う森田健作氏 勝算は?
「完全無所属、一人で正々堂々と戦いたい。再び敗れれば、もう二度と政治にはかかわらない」。俳優森田健作氏(59)が、3月の千葉県知事選への立候補を表明した。前回、2005年の同知事選で、約6000票の僅差で敗れた現職の堂本暁子知事にリベンジを挑むことになる。堂本知事の3選出馬が確実視され、自民、民主両党に共産党も独自候補を模索しているといわれ、にわかに激戦の様相を呈してきた。“千葉県民くらし満足度日本一宣言”とうたい、不退転の決意で臨む森田氏のリベンジはかなうのか。 「落ちたあくる日です」 きのう26日、千葉市内のホテルで行われた記者会見。出馬をいつ決意したかと問われて、森田氏はそう即答した。早くからウワサされながら表明しなかったのは、タイミングを図っていたのか。 昨年12月には事実上の出馬決起集会を千葉市内で開いている。その著書「ゼロの勇気」の出版記念パーティーには約2000人が出席。「もう一度、出てください」「口コミで応援する」などと立候補を促す声が相次ぎ、そのトリを務めたのが友人のタレント、浅香光代。 「今回、森田が泣くようなことがあったら、私が承知しないから」と満場の支持者を鼓舞した。永田町関係者が言う。 「本当に本を売りたいなら、マスコミがはるかに多く集まる東京でやる。それを千葉で開いたのは、県民にアピールしたかったから。『落選後も千葉のことを勉強している。(千葉への)思いは変わらない』と言っている。ここで、出馬表明しなかったのは森田流のパフォーマンス。ステップを踏んでということ。今回の出馬表明はスケジュールどおりと見ていいだろう」 すでに参院議員と衆院議員の経験があり、前回の千葉県知事選出馬の前には埼玉県知事選にも意欲を示したことがある。タレントというより、すでに政治家。 政治の世界の裏も表も知り尽くしている森田氏だけに、勝算あっての記者会見だったともいえるのではないか。 前回は自民党千葉県連が支持した程度の草の根選挙。出遅れもあり惨敗が予想されながら、ふたを開けてみればわずか6000票差の惜敗。最終盤に石原慎太郎東京都知事の応援が入ったことがプラスしたといわれたが、青春の巨匠のブランドが、まだまだ通用することを証明した。 今回は今のところではあるが、政党の支援も受けなければ市民グループのバックアップもない。 「麻生政権の凋落(ちょうらく)ぶりは見てのとおり。自民党の応援がウワサされるだけで、マイナスになる。それに新東京銀行や築地市場移転でミソをつけている石原都知事もかつての勢いはない。森田サイドは、そのあたりは計算済み。無所属であることを強調するのは無党派層を狙っているからです」(前出・永田町関係者) すでに終盤戦を迎えている千葉県知事選。自民党は候補者選びが難航、民主党が擁立に傾いたことのある関西大学教授、白石真澄氏を推すともいわれている。地元紙記者の分析。 「自民党と民主党がよほどのタマを用意できない限り、堂本知事と森田氏の一騎打ちと見ていい。鍵を握るのは、千葉都民といわれる無党派層の判断。堂本知事は3選目だけに清新さはない。森田氏には払拭しようとしても自民党の影がついて回り、マニフェストはこれからのようですが政策にこれといった目新しさはない。千葉県民にとっては不毛の選択ともなりかねない。情勢は、まだ五分五分でしょう」 59歳、還暦目前の万年青年が見事、一本取れるかどうか。選挙戦はもうまもなくスタートする。○森田氏が掲げた施策 森田氏が掲げた“千葉・日本一”への施策は次の通り。◆移動交番の全県配備◆アクアラインの通行料を800円に値下げ◆成田空港ー羽田空港にリニアモーターカー◆中学までの医療費無料化など、7項目。また、東国原宮崎県知事の観光PR策を評価。「できる限りマスコミを利用。より多くの人に千葉県の観光資源をPRしたい」。橋下大阪府知事は「硬直しがちな環境の中で、果敢に戦っている点は評価したい」。著名人、芸能人の応援については「一人で正々堂々戦いたい」と言うだけで、あるともないとも明言しなかった。なお、マニュフェストは後日、発表する予定。
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社会 2009年01月27日 15時00分
2次補正成立に待った! 小沢氏の地味な嫌がらせ戦術と最強のクジ運
総額2兆円の定額給付金などを盛り込んだ2008年度第2次補正予算政府原案は26日夜、両院協議会で民主党が前代未聞の徹底反対戦術をとり、成立はきょう27日以降に持ち越された。衆院の議決が優先されるため、成立は時間の問題。それでも民主党は、弱体化する麻生政権に1発でも多くのボディーブローを打ちこんでおきたい狙いがある。この“トリックプレー”を実現可能にしたのは、小沢一郎代表の“最強のクジ運”だった。 けさ27日の毎日新聞は民主党の作戦を「新手の牛歩戦術」と報じた。まさにその通り。嫌がらせ以外の何物でもない。 大人げない、時間の無駄、スマートじゃない…などとさまざま批判はあるだろうが、小沢民主党はそれを承知で麻生政権に1発、2発食らわせる必要があった。 国民ウケの悪い定額給付金分を削除する民主、社民、国民新3党提出の2次補正修正案は26日、野党優位の参院本会議で可決。衆院本会議に回されたのち、与党などの反対で不同意となった。 衆参両院で議決が異なった場合、両院協議会を設けて調整するが、話し合いで解決するはずもない。特に予算案などの重要法案をめぐっては、ここでひっくり返るようでは逆に大問題。協議会では、衆参両院の意見調整はまず不調に終わり、憲法60条の規定に基づき衆院の議決が優先される。つまり、麻生首相がこだわる給付金支給を止める手立てはないわけだ。 両院協議会は衆参各院から10人ずつを選出して開会する。ここで、議長をクジ引きで決めるのがミソだった。26日は民主党の北沢俊美議員が議長となったため、時間切れとなる夜遅くまで粘って散会宣言。嫌がらせのボディーブローを打てたのである。 永田町関係者は「各メディアの調査でも給付金が国民に支持されていないことは明白。小沢民主党はこうした問題で麻生政権をとことん追い詰め、ダメなものはダメという不退転の決意を示すことができた。自民党側が議長職に就いていればこうした戦術はとれなかったわけだから、小沢氏はクジ運が強いというか“なにか”を持ってるね」と話した。 結論が出ないまま散会した両院協議会は27日午後から再開予定。規定によって今度は自民党側から議長が選出されることになるため、これ以上の嫌がらせはできない。同日中に政府原案が成立する見込みだ。 次の与野党の攻防の焦点は2009年度予算案。衆院は26日に、小坂憲次議院運営委員長の職権により政府4演説を行う衆院本会議を27日午後に開くと決定している。自民党の大島理森国対委員長は与党単独でも実施する意向を示している。
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社会 2009年01月26日 15時00分
性行為感染症の闇 アブない“隠密”自主治療疑惑が浮上
医療機関を受診しなければ治療できなかった、性行為感染症(STD)の性器ヘルペス。その治療薬「アシクロビル」が薬局で買えるようになり、患者にとっては朗報…と思いきや、この“神の軟膏薬”を塗ることができるのはくちびるの周囲だけ。性器ヘルペスへの使用は認められていないのだ。 ヘルペスウイルスに感染すると、唇や性器の周囲などに無数の水疱(すいほう)ができ、痛みや発熱を伴う。免疫力が落ちた時にウイルスが活性化し、数週間から数年おきに発症。水疱がつぶれて他人に接触することで感染する。 このヘルペスの治療薬として登場したのがアシクロビル(成分名)だ。イギリスに本社を置く「グラクソ・スミスクライン」(以下、GSK)が「ゾビラックス」の商品名で売り出し、日本でも1980年代から皮膚科、泌尿器科などで処方されている。 このアシクロビルが医療用から一般用に転化され、GSKが「アクチビア」、そして国内最大の一般薬メーカー「大正製薬」が「ヘルペシア」として2007年10月から薬局で売り出した。2社による併売だ。 アクチビアもヘルペシアも、成分はゾビラックスと同じ。ところが国と企業は、効能を「口唇ヘルペスの再発」に限定した。性器ヘルペスや初発の口唇ヘルペスには、効くはずなのに使えない。 国は医療費高騰抑制のため、軽い病気なら医療機関にかからず自分で治そうと、セルフメディケーション(自己治療)を推進。多くの医療用医薬品が一般薬に転化されている。 しかし、安易な自己判断でかえって健康を害する恐れがある疾患は受診が不可欠。性器ヘルペスや初発の口唇ヘルペスも「自己治療は危険」と、国と企業は判断した。 だから、07年にアシクロビルが一般薬として承認された際、購入者が本当に口唇ヘルペスの再発なのか、薬剤師が現場で厳重にチェックすることが義務付けられた。 一般薬としての発売後1年あまり、両薬がどの程度売れたのか2社は公表を控えている。発売前に大正製薬は「初年度5億円」と目標を掲げたが、それをクリアできたのかどうかさえ明らかにしない。 かなり売れているようなのだ。しかも、効能の「口唇ヘルペス再発」以外で買い求めるケースが少なくないと見られる。 首都圏の複数のドラッグストアで、実際に両薬を買い求めてみた。薬剤師によるチェックは、いずれでも受けなかった。 新製品の投入でGSKは、アクチビアのテレビCMに女優の森脇英理子(27)を起用。ヘルペシアの大正製薬は、女優・比嘉愛(25)を投入した。CMで森脇は、くちびるの痛々しい水疱を見せながら、「口唇ヘルペス、出たらどうする?」と画面に訴えかける。比嘉は、「見られたくな〜い」と頭を抱える。 いずれも口唇ヘルペス再発を念頭に置いた内容。これが性器ヘルペス治療薬のテレビCMだったら違った作りになったであろうし、若手女優が出演することはなかっただろう。 性感染症の治療薬と同一成分だということを、清楚な女優をCM起用することでオブラートに包んでいるつもりなのかもしれない。 09年6月施行予定の改正薬事法では、一般用医薬品を副作用の程度によって「第1類」「第2類」「第3類」に分類。最も厳格な「第1類」は、薬剤師が手渡しし、商品内容や利用法について文書で購入者に説明しなければならない。 一般薬に転化したばかりのヘルペシア、アクチビアは「第1類」に分類されることが決まっている。まさに「法改正前夜」に承認され、法の精神を先取りして「薬剤師による厳格なチェック」を条件とされたのに、現場ではそれが守られていない。 医療用医薬品の中でもゾビラックス(アシクロビル)は副作用が少なく比較的安全な薬とされるが、自己判断でヘルペスではないのに妄信して使うなどで、症状の悪化が懸念される。性行為感染症は、部位が下半身だけに医療機関に掛かりたくないのが患者のホンネ。薬局で買った薬でこっそり治したい、との心理が働くのは当然だ。インターネットのサイトでも、こうした悩み相談と怪しげな回答が散見される。 患者心理を企業側は逆手にとって、好調な売り上げの要因のひとつと考えられる「認められた効能以外の使用」を、見て見ぬふりするかのようなのだ。
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社会 2009年01月26日 15時00分
麻生首相“大相撲パフォーマンス”読み違えで自爆、小泉元首相の「感動したっ!」再現ならず
“誤読宰相”こと麻生太郎首相(68)がまたやってしまった。25日、東京・両国国技館で大相撲初場所を観戦。5場所ぶり23回目の復活優勝を成し遂げた横綱朝青龍に自ら表彰状を渡す際、本来は「内閣総理大臣賞」と読み上げるべきところを「賞」の字を読み飛ばし、「内閣総理大臣、朝青龍殿」とやった。かつて横綱貴乃花の優勝を「感動したっ!」と称えて話題を集めた小泉純一郎元首相を真似たパフォーマンスは、締まらない読み間違えで自爆に終わった。 「総理大臣杯はたいてい首相代理で官房副長官が手渡すもの。しかし、今場所は引退のかかった朝青龍優勝なるかに注目が集まり、異常に盛り上がった。麻生首相の発案か周囲の入れ知恵かわからないが、2001年夏場所千秋楽でけがをかばいながら優勝した横綱貴乃花を『感動したっ!』と絶叫調で褒め称えた小泉元首相を意識したのは間違いない。結果的には読み間違えで“2匹目のドジョウ”とはならず、好感度アップを狙ったパフォーマンスは大失敗だった」(全国紙政治部記者) 大相撲観戦は品格が重んじられるうえ、高齢者が多く、それほど辛らつなヤジは飛ばない。まして朝青龍の復活優勝で、国技館の空気は十分すぎるほど“温まって”いた。ところが、麻生首相が笑顔で手を振って登場するや「ブ〜!」の声。「景気対策をしっかりやれ」などと容赦ない批判が浴びせられた。朝青龍への大歓声にかき消されてしまったものの、プロレス会場なら一斉ブーイングになるところだった。 これに動揺したのか麻生首相は「内閣総理大臣、朝青龍明徳殿」とまさかの大チョンボ。朝青龍に“総理はアンタだろ”と突っ込まれてもおかしくないボケっぷりだ。 首相はミスに全く気付かない様子で、「数々の試練を乗り越えての優勝。やっぱり横綱は強くなくっちゃ」とスマイル。大歓声のなか、重さ約40キロの総理大臣杯トロフィーを持ち上げようとしてよろめき、会場から「あ〜あ〜」と“だから言わんこっちゃない”といったタメ息が漏れた。 一方、この日投開票された山形県知事選では、民主党などが支援する無所属新人で行政書士の吉村美栄子氏(57)が、自民党の大半が応援した無所属現職の斎藤弘氏(51)を接戦の末に破って初当選。自民党が厚い支持基盤を持つ山形県で事実上の「与野党対決」を民主支援候補が制したことは、支持率低迷が続く麻生首相の政権運営に影響を与えるのは必至の情勢だ。麻生首相の大相撲パフォーマンス不発も相まって、今後の政権運営は一層難しくなりそうだ。
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社会 2009年01月24日 15時00分
小向美奈子逮捕で芸能界売春ネットワーク摘発か?
覚せい剤取締法違反の疑いで22日に逮捕されていたことが判明した元タレントの小向美奈子容疑者(23)。昨年、週刊誌で芸能界の“売春ネットワーク”について赤裸々に語った同容疑者だけに、警視庁はその方面にも関心を寄せることは必定。さらに、同容疑者の逮捕は別の方面にも波及しそうだというのだ。 警視庁によると、小向容疑者は昨年6月下旬、東京・新宿区の交際男性宅で微量の覚せい剤を共同所持していた疑い。その件で逮捕状が出ており、22日夜、東京・六本木の路上で警視庁の捜査員に身柄を押さえられ逮捕された。小向容疑者は調べに対し、「覚せい剤というものは知りません」と容疑を否認しているという。 「小向容疑者は昨年9月、精神不安定や、音信不通の状態が続いたことなどを理由に所属事務所を解雇されたが、以前から薬物使用のうわさがあり、後々、事件かすることを恐れた所属事務所が解雇に踏み切った」(芸能プロダクション関係者) 事務所から解雇された後、小向は一部週刊誌で「売春を副業にしているタレントがいる」など芸能界の“売春ネットワーク”の存在を赤裸々に暴露したものの、「(私は)神様に誓ってやっていない」と自らの売春は否定していた。 「あれだけ赤裸々に語れた理由は、小向容疑者がタレントと客の“窓口”になっていたからだという見方もできる。警視庁はあの記事に関心を寄せ、芸能界の売春ネットワークを一網打尽にすべく、小向容疑者に事情聴取を行う予定だった。今回、別件とはいえ逮捕したことで、その方面のことについて取り調べが及ぶと思う」(社会部記者) そんな小向容疑者だけに、記事を掲載した週刊誌も、掲載にはかなり慎重になったようだ。 「取材は何回かに分けてやったようだが、その理由は小向容疑者の話が支離滅裂で、話が疑わしかったから。記者が目の前にいるのに、ずっと誰かと携帯で話し込んだり、メールをやっていたり行動が明らかに異常だったという。さらに、その週刊誌に掲載されたグラビアの写真が明らかに不自然なやせ方だった」(週刊誌記者) 小向容疑者の逮捕により、脈々と芸能界にはびこってきたとされる“闇”にメスが入る可能性が高いようだが、別の方面に捜査の手が及ぶこともありそうだという。 「昨年、警察庁が脱税で、ある個人投資家を逮捕した。その投資家の周辺を洗ったところ、小向容疑者の名前が出て、投資家は『小向に150万円渡した』と供述したようだ。おそらく、その150万でタレントを買った疑いが強く、売春あっせん容疑で小向容疑者が取り調べを受けると思われる」(先の社会部記者) 麻薬、売春、売春あっせん。小向容疑者に対する今後の捜査の行方が注目される。
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社会 2009年01月22日 15時00分
麻生VS小沢 オバマ争奪戦勃発
世界が注目するバラク・オバマ米大統領(47)をめぐり、麻生太郎首相(68)と民主党・小沢一郎代表(66)による争奪戦のゴングが鳴った。日米首脳会談を実現してオバマ人気に便乗したい麻生氏に対し、小沢氏は「チェンジ!」を合言葉に接近をもくろむ。解散総選挙までにどちらが親密な関係を築けるのか。 「オバマ大統領が就任パレードで巻いていたエンジ色のマフラーを真似たのか、麻生首相はコートに薄いブルーのマフラー。もともと本人はダンディズムの最先端をいっているつもりだし、こういう小技をさせたらピカイチ。日米首脳会談を早期に実現し、漢字誤読で落とした株を上げたいようだ。英語力には自信があるみたいだから」(永田町関係者) 漢字力はさておき、米留学経験のある麻生氏は英語のコミュニケーションに積極的だ。福田前首相と総裁選を戦った2007年9月、外国特派員協会の会見では“べらんめえ調”の英語を駆使。外交通を自認しており、日米首脳会談にこぎつければ“いいところ”を見せられるという計算が働いているのだろう。 麻生氏は21日、オバマ大統領就任を受けて記者団に「経済危機についての認識は一致している。国民の潜在力を引き出すという手法も同じ。世界1、2位の経済大国が手を組んでやっていけると改めて確信した。そんな感じですかね」と親近感たっぷりにコメントしている。務めて冷静な口ぶりながら、はやる気持ちを懸命に抑えている様子だった。 一方の小沢氏も負けてはいない。昨年11月にオバマ氏が当選を決めるや「『チェンジ』の波は確実に日本でも起きている」とする親書を送った。翌月には、民主党幹部が都内で次期駐米大使に就任濃厚なジョセフ・ナイ元国防次官補と接触。オバマ政権とのパイプづくりに励んでいる。 小沢氏は、元旦のインターネット番組の公開生放送で、ガラにもないパフォーマンスさえみせている。番組に飛び入り出演したお笑いコンビ「デンジャラス」の“オバマそっくりさん”で知られるノッチと、「イエス・ウィー・キャン!」の物まねを連呼。オバマ旋風にあやかった。 「その番組内で小沢氏は、オバマ氏の地元シカゴの貧困地区にある小学校に、10年以上にわたって支援活動を続けていると明かした。ミシェル夫人(45)の出身地でもあり、かなりの高ポイント。本人は衆院選後に訪米する意向のようだが、党首の力量の差で与野党逆転を果たしたいま、そう悠長なことは言っていられない」(全国紙政治部記者) 日米関係を重視するスタンスのオバマ氏が、現職首相をさしおいて小沢氏だけに会う可能性はゼロ。まして民主党は日米地位協定改定や海自の給油活動反対など反米的ともいえる政策を掲げている。それだけに、オバマ氏が小沢氏になんらかの配慮をみせれば“次期政権”と認めたに等しい。 前出の永田町関係者は「麻生氏有利」として次のように話す。 「オバマ人気は相当強力だし、日米関係だけ見ても現職の麻生氏有利は揺るがない。問題は、かつての“ロン・ヤス(ロナルド・レーガン&中曽根康弘)”や小泉・ブッシュのような親密な関係を築けるかどうか。そこに至るまでに、党内で本格的な“麻生降ろし”が始まるかもしれない」 さて、オバマ大統領争奪戦で勝つのはどっち!?○麻生首相とオバマ大統領のビミョーな共通点 【宗教】麻生氏はクリスチャン。敬けんなカトリック信者で、胸元に十字架のネックレスをのぞかせていたこともある。オバマ氏もクリスチャンだが、宗派の異なるプロテスタント信者である。 【スポーツ】麻生氏は昨年8月に日本バスケットボール協会会長に就任。オバマ氏は学生時代、バスケットボール部で活躍した。 【不良】麻生氏はかつて「生まれはいいが育ちは悪い」と豪語したことのある“ちょい不良(ワル)”系。オバマ氏は自伝の中で、かつて喫煙、飲酒、ドラッグにおぼれた過去を告白している。 【キューバ】オバマ氏は経済制裁を続けてきたキューバとの関係修復に積極的で、制裁解除の期待も高まっている。そのキューバ特産の高級葉巻を麻生氏はこよなく愛しているといわれている。
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社会 2009年01月21日 15時00分
オバマ大統領 リムジン降りて歩いた
黒人初のバラク・オバマ44代米大統領(47)就任式が20日(日本時間21日未明)、首都ワシントンの連邦議会議事堂前で行われ、危機突破を誓う就任演説に史上最大約250万人の観衆が沸いた。しかし、演説上手なオバマ新大統領の口から決定的なフレーズは最後まで飛び出さず、“名演説”は不発。日本時間同午前5時半すぎにはホワイトハウスまでの街頭パレードが始まり、装甲車並みの頑強さを誇る新型大統領専用リムジンから夫婦で車道に降り立った。暗殺の恐怖をものともせず、2度も“ラブ・ウォーク”するパフォーマンスを見せた。 就任式は、人種差別団体による暗殺などを警戒し、軍や警察など計4万人の物々しい超厳戒警備態勢が敷かれた。随所にテロ警戒の目が光り、狙撃兵の姿も。氷点下のワシントンで、観衆は白い息を吐きながら新大統領の演説に耳を傾けた。 「60年前に地元のレストランで食事すらできなかった男が、いまみなさんの前で最も神聖な誓いを立てている。われわれは共通の危機に直面している。でも米国よ、解決はできるのだ」 堅実ながらも地味な内容だった。約18分30秒かけて経済危機克服に向けた決意を示すと同時に、責任あるかたちでイラクから撤退する方針を示した。しかし、リンカーンやジョン・F・ケネディのような“名ゼリフ”は生まれなかった。それでも、全米から集まった約250万人の観衆は歓喜の声を上げた。 その後の祝賀会で民主党のE・ケネディー上院議員(76)が倒れるハプニングもあり、パレードは予定を1時間以上遅れて出発。専用車の両脇4隅に黒いコートを着たシークレットサービス4人が張り付き、周囲を警戒しながらペンシルベニア通りを進んだ。 米国民の関心事は、パレード中、暗殺の危険性が高いオバマ氏が車道に降り立つかどうかだった。歴代大統領は専用車を降りて沿道の観衆に手を振ってきた。黒人大統領誕生を苦々しく思っている勢力があるにも関わらず、オバマ氏は危険を覚悟で車道に降りた。一向に車に戻ろうとしない。ミシェル夫人と片時も手をはなさず観衆の声援に笑顔でこたえ、約2.5キロのコース中、2度も歩いてゴール。強気と夫婦愛のパフォーマンスで“地味演説”をカバーした。 米国には白人至上主義の秘密結社「KKK(クー・クラックス・クラン)」をはじめ、「アーリアン・ネーションズ」などのネオナチや、武装民兵集団「ミリシア」など危険なグループが数多く存在する。昨年10月には、オバマ氏暗殺を計画したとしてスキンヘッドの若者2人を逮捕。今年に入ってからも、UFOサイトに暗殺予告を書き込んだ男を検挙している。 秘密結社に詳しいジャーナリストは「勢力が縮小しているKKKは、これを機に組織拡大をはかっているとみられる。行動に移すとすれば勢力が整うこの先か」と指摘する。人種差別するような連中には、これからも屈してほしくないものだ。
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社会 2009年01月20日 15時00分
事件法廷「40歳“マイホームパパ”盗撮魔」
紺のストライプ柄スーツを着こなすM(40)はまじめな紳士といった印象で、とても“盗撮魔”には見えない。東京地裁で昨年12月、盗撮行為で都迷惑防止条例違反の罪に問われたMの初公判があり、盗撮魔の“公開恥辱刑”に驚いた。 起訴状などによると、昨年10月、東京駅構内で女性(18)のスカートの中を盗撮し、犯行に気付いた周囲の男性から取り押さえられた。Mは起訴事実を全面的に認めている。その手口は、盗撮用デジタルカメラをセットしたバッグに“フラッシュ代わり”のペンライトを忍ばせ、より鮮明な画像を追求するというマニアックなものだった。 検察側は、Mが自宅のパソコンに盗撮画像を保存していたと指摘。「週に2、3度の盗撮と、その画像をもとに週3回自慰を行っていた」と“使用法”まで暴いた。 Mは少なくとも3年前から盗撮を繰り返しており、被害は相当数に上ると推測される。昨年、同種犯罪で罰金刑を受けたことも明らかにされた。 被告人質問では、犯行のきっかけを「仕事上のストレス」と自己分析。これには検察官はもとより、弁護人からも「仕事のストレスと今回の件は結びつきがないように思うが」と厳しい声が上がった。繰り返し盗撮した理由については「なかなかうまく撮れず、『次は』という気持ちになった。『あと1回』が続いた」と妙な向上心をチラリ。すんなり盗撮できないストレスも溜まったといわんばかりだった。 弁護側証人としてMの妻が証言台に立った。 「誕生日にはケーキを買ってきてくれたりするとてもやさしい人。育児にも100%協力してくれる」と、2児の父親の“マイホームパパ”ぶりを訴え、二度と変態行為に走ることのないよう監督していくと誓った。 厳粛な法廷で、夫の自慰回数やオカズを聞かされる妻はたまったものではない。Mは「特に妻には非常に迷惑をかけ、恥ずかしい思いをさせた。次にまたやると離婚だろうし、大好きな子供にも会えなくなる。二度としない」などと謝罪した。 裁判官は「身内には理想的な人物のようだが、無関係の他人をモノとして見ているのでは」と問い詰めた。Mは「そういうところはあると思います」と消え入りそうな声で答えるのがやっと。即日結審し、判決が言い渡された。求刑1年に対し、懲役1年(執行猶予3年)の猶予付き判決。しかしMは今回の件で職場を解雇されている。不況の折、すぐに次の職にありつける保証はない。変態行為の代償はあまりにも大ききかった。(阿部雄二)