社会
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社会 2016年05月26日 10時00分
今がチャンス! 日産傘下・三菱自動車の中古「バナナの叩き売り」
三菱自動車による燃費不正表示問題の緊急会見から1カ月、急転直下で日産の傘下入りが決まった。市場には、これにて一件落着の空気が流れている。 しかし、実際に三菱車を購入したオーナーは怒り心頭だ。燃費といえば購入者が一番気にする部分であり、しかもセカンドカー用途としての需要が高い軽自動車での問題だけに、過去のリコール隠しのときと同様、あきれる企業体質にまたもや付き合わされる形になってしまった。 一方で、イメージダウンした三菱車なら必ずたたき売りされると、格安購入をもくろむ人もいる。 「10年乗った軽がいよいよくたびれてきたので、中古で同じ軽を探していました。久しぶりに車探しをしてみてビックリしたのが価格の高さ。軽ならば安いだろうと思っていたのですが、中古でも150万円以上する車もあり、全く手が届きません。そこへ今回のニュース。どうせ乗りつぶすつもりですし、三菱車なら安くなるかなと思っているのですが…」(都内在住会社員) 実際のカタログ値より燃費が悪いと言っても、そもそもデータ通りに走ると本気で考えている人は少ないだろう。検証値と実走行では環境や運転者の乗り方によって大きく数値が左右されるからだ。ならば、少々燃費が悪くても気にしないという人にとっては、車を安く購入できるチャンスかもしれない。 今、市場で三菱自動車は暴落しているのか−−。首都圏を中心に各地の販売店を訪れ、価格動向をチェックした。まずは東京都下の三菱ディーラー系販売店。不正発覚報道からまだ数週間ということで、店内に客は一人もいない。 「本社からの通達で現在、該当車種の新車販売はできない状態です。中古車は店舗で在庫しているものに限っては販売することは可能なのですが、補償問題等で未定なことも多く、積極的にオススメすることはできません。今のところ本社からの指示待ちなので、大幅値引きもご提示できないのが現状です」(販売員) この後、他のディーラー系の販売店にも当たってみたが、どこの店も似たような対応だった。と、ここまではある程度想定済みの話。果たして一般的な中古販売店ではどうか。 「もともと三菱の軽はスズキやダイハツなどに比べて販売価格が安いので、特別大きな値引きはしていないですね。今のところ、積極的に問い合わせをしてくる方も少なく、様子見という状況でしょうか。ただ、他の販売店では大幅に安売りしているところもあるようです」(千葉県中古車販売店) 多くの店では、これからの三菱の対応によって状況が変わることを考慮してか、大幅な値引き販売は自重しているようだ。しかし、中には投げ売りをしている店も確実にあるはずだ。 「全国展開している大規模中古車販売店ではなく、地元で長らく営業しているような店は、価格動向にも敏感に反応する場合が多いですよ」 こう話すのは中古車マーケットに詳しい自動車ライター。ならばと、この助言に従って何店か当たってみるとビンゴ! やはり中古車は地道な店選びが肝心である。早速、その店に取材を試みた。 「当店ではニュース直後に何件か問い合わせをいただき、今後、不良在庫化する可能性もあるので当初の値付けよりもさらに10〜20%程度値引きした価格をご提示させていただきました。そもそもどんなに低燃費を謳おうが、実際には7掛け程度がいいところ。アクセルワークが荒く、エコ運転を意識しないドライバーの場合、半分くらいの数値に落ち込んでしまう場合もありますからね。実際に走行不能になるようなトラブルならともかく、数値上の不正なら気にしないという方も多いです」(埼玉県中古車販売店) 実際、この店では新車から3年落ちの三菱『ekワゴン』(0.5万キロ)を80万で販売していたそうだが、これを60万円に値引きしたところ瞬く間に売れてしまったそうだ。 「リセールを気にして三菱車を買うのを躊躇する方も多いと思いますが、今は軽の下取り相場もあまりよくありません。新車で200万円近くする車も、3年後には80万円程度、さらに3年経てば30万円くらいになってしまいます。どうせ安く買いたたかれるなら、乗りつぶすことも考えて格安三菱車を買うのは大いにアリです」(前出・ライター) 不正表示の4車種『ekワゴン』『ekスペース』、日産向けに生産している『デイズ』『デイズルークス』は、フォルクスワーゲンが犯した偽装とは異なる。不具合があるわけでもなく、性能にも問題はない。とにかく安く買いたい人にはチャンスだろう。 しかし、注意したい点が二つある。安くなったら今度は需要が増し、極端な下落から反動が起こる可能性があること。そして、やはり日産との資本提携による安堵感で、三菱車のたたき売りを見合わせる中古車販売店が出始めることだ。 “あの三菱車”などと、妙なプレミアムも期待できるかもしれない。検討している方は、早め早めが吉!?
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社会 2016年05月25日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第175回 財政破綻論のデマゴギー
安倍政権は来るべき伊勢志摩サミットにおいて、先進7カ国が協調して「財政出動」に踏み出すことを目指している。2014年度以降、過去に例を見ないレベルの「超・緊縮財政」を強行した安倍政権にしては、珍しくまともな動きだ。 安倍総理は5月上旬、欧州を行脚し、各国首脳に「財政出動」の協調を訴えた。結果は、フランス、イタリアからは歓迎され、予想通りドイツ、イギリスからは歓迎されないというものであった。微妙な情勢である。 ドイツのメルケル首相は、財政出動に対し明確な拒否をしたわけではないが、 「私は財政出動のフロントランナーではない」 と、何というか「嫌悪感」がにじみ出た印象の反応を見せ、議論はサミットに持ち越されることになった。 3月にアメリカのノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授が来日し、安倍総理と会合を持った。クルーグマン教授の議事録によると、総理は会合の場で5月のドイツ訪問に触れ、 「さらなる財政出動について、協調した行動を起こすべく(ドイツを)説得しなくてはならない。何かアイデアはないだろうか?」 と、質問した。総理の質問に対し、クルーグマン教授は、 「それは難しい」 と回答したわけだが、やはりドイツは簡単には同意しなかった。 現代の世界は、ドイツに限らず「財政破綻論」あるいは「財政均衡主義」という呪縛に各国政府が縛られ、正しい政策を打てない状況にある。 くどいほどに強調しておきたいのだが、政府が自国通貨建ての負債の返済不能になる可能性は「ゼロ」である。理由は、政府は永続する存在であり、さらに通貨発行権という強大な権力を保持しているためだ。 読者の多くは、 「国債(政府の負債)は税金で返済しなければならない」 という間違った認識を持っているのではないだろうか。個人とは異なり、永続性があり、通貨発行権を保有する日本政府は、そもそも借金を返済する必要はない。もちろん、税金で返済する必要もない(しても構わないが)。 政府の負債の返済方法は、主に三つある。(1)税金で返済(2)未来永劫、借り換えを続ける(3)日本銀行に通貨を発行させ、買い取らせる これらをインフレ率や金利、景気の状況を見ながら使い分ければ済む話なのだ。 政府の負債について「税金で返さなければならない」などと言ってのける人は、個人を対象とした予算制約式を、通貨発行権を持つ政府に適用している愚か者である。 個人の場合、何しろ通貨発行権を持たず、しかも寿命がある。「個人は生涯に稼ぐ以上の借金はできない。個人は稼ぐ所得で借金を返済しなければならない」という予算制約式に、一定の合理性はある。だが、政府は違うのだ。 ところで、ドイツはユーロ加盟国である。ユーロ加盟国は金融政策をECB(欧州中央銀行)に委譲してしまっているため、各国政府は通貨発行権を持たない。とはいえ、独自通貨を持つ日本、アメリカ、イギリスは違う。 独自通貨国である日本が、日本円建ての国債の「財政破綻(債務不履行)」になる可能性はない。そして、日本国債は100%日本円建てなのである。 しかも、現在は日本銀行が量的緩和政策を継続し、日本円を発行し、市中銀行から国債を買い取っている。結果、政府の負債(国の借金ではない)は、ピークの2012年9月と比較し、実質的に130兆円超も減ってしまった。 中央政府の国債・財投債・国庫短期証券に限れば、政府が実質的に返済しなければならない負債は600兆円である。残りの331兆円については、日銀が保有しているため、政府は返済の必要はない(返済しても構わないが)。 国内のマスコミは、この「事実」を無視し、抽象的な表現で財政問題を煽る。例えば、信濃毎日新聞は5月9日の社説「財政出動要請 改革進める覚悟どこに」において、 『1千兆円を超す借金を抱える日本はその筆頭だ。マイナス金利の導入で、国債を発行しやすい環境にある。それに甘えて国債を乱発すれば、将来へのつけはさらに膨らむことになる。 経済対策を目的とした財政出動は本来、規模や内容を慎重に検討しなければならない。従来型のばらまき政策では効果は一時的だ。日本の財政に対する国際的な信認も低下しかねない。経済成長と財政再建の両立策を示せないまま、日本が各国に財政出動の必要性を訴えても説得力に乏しい』 と、安倍政権を批判していた。 「1千兆円を超す借金を抱える日本」「将来へのつけはさらに膨らむ」「従来型のばらまき政策」「財政に対する国際的な信認も低下」−−。まさに、典型的なプロパガンダ用語だ。思考停止に陥り、言葉の定義を真剣に考えない人は、この手のレベルが低いプロパガンダにコロリと騙されてしまう。 1千兆円を超す借金を抱える日本、ではなく、1千兆円を超す借金を抱える日本政府、が正しい。先に述べたように、日銀が国債を買い取り、借金を帳消しにしているため、実質的には600兆円といったところだ。 また、将来へのつけ、というならば、デフレが継続し、供給能力が削り取られ、モノやサービスを生産できない発展途上国と化した日本を受け渡す方が、よほど「将来へのつけが膨らむ」に該当する。従来型のばらまき政策とは、公共投資を意味しているのだろうが、そもそもわが国は1996年に45兆円だった公共投資を、20兆円にまで減らしてしまった愚かな国なのだ。結果的に、国民の生命さえも危険にさらされていると言える。 さらに、財政に対する国際的な信認とやらが何を意味するのか不明だが、国債の信用度(デフォルトの確率が低い)というのであれば、金利以外に見るものはない。世界で2番目(1番目はスイス)に低い超々低金利で国債を発行しているわが国は、むしろ財政の信任があり過ぎて困っている。 信濃毎日新聞の社説が典型だが、この手の財政破綻論のデマゴギーを容赦なく糾弾し、排除していかなければ、わが国がデフレから脱却し、国民が豊かになる経済を取り戻す日は訪れない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2016年05月24日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 盛り上がりを欠く伊勢志摩サミット
伊勢志摩サミットが5月26、27日に開催される。それに先立って安倍総理は欧州各国を歴訪し、地ならしに務めた。 ところが、いまひとつサミットに向けての動きが盛り上がらない。課題がないわけではない。最大の課題は、昨年まで世界経済をけん引してきた米国経済が、昨年末のゼロ金利解除以降低迷し、世界同時不況の様相を呈していることだ。 その経済低迷を打開するために、先進国が協調して財政出動を行い、景気浮揚策を採るというメッセージを世界に発信するというのが、議長である安倍総理の腹積もりだろう。欧州訪問のあと、サミット参加国ではないロシアを訪問したのも、領土問題以前に、日本の支援でロシアの投資を拡大する思惑があったものとみられる。 ただし、サミットで協調財政出動を完全に合意するのは、非常に困難だろう。財政健全化を信条とするドイツのメルケル首相が同意するとは、到底思えないからだ。 しかし、本当は財源を心配せずに財政出動をする方法がある。それは、現在問題となっているタックスヘイブンへの資金移動を制限することだ。いまや、海外投資の3分の1が、タックスヘイブンに流れ込んでいると言われる。日本からケイマン諸島に向かっている投資資金だけで60兆円に達するというのだから、逃避している資金に課税ができれば、日本だけで10兆円単位の税金が入ってくるのは確実だ。 しかも、タックスヘイブンに流れ込んだ資金は、極めて怪しい使途に向かっている。 例えば北朝鮮は、36年ぶりに開いた労働党の党大会開催に合わせて、世界のメディアに平壌の街並みを取材させた。そこで見られた風景は、頻繁に行き交う車であり、店舗にあふれる商品だった。大通りには、摩天楼がずらりとそびえ建ち、科学者は豪華なマンションに住んでいた。 いいところばかりを見せたにせよ、世界中からの経済制裁を受けて、外貨が自由にならない状況の中で、なぜそんなことが可能なのか。その唯一の答えは、タックスヘイブン経由で資金を調達できているからだろう。 北朝鮮の暴走を食い止めるためにも、タックスヘイブンを封じ込めることは、いま先進国にとって一番緊急性の高い課題だ。そして、先進国が協調してタックスヘイブンの利用を禁止すれば、大きな効果が期待できるだろう。 ところが、伊勢志摩サミットで、この問題が突っ込んで話し合われる可能性は皆無なのだ。なぜなら、参加する首脳たち自身にタックスヘイブン利用の疑いが掛かっているからだ。とくに、パナマ文書によってイギリスのキャメロン首相は、自身の関与が指摘されている。 証拠はないが、ほかの首脳もタックスヘイブンと無縁とは言い切れないだろう。叩けばホコリの出る首脳が集まって、タックスヘイブン撲滅などという話ができるはずがない。そんなことをしてしまえば、火の粉が自分自身に降りかかってくるからだ。 結局、一番大切な問題を避ける形で、サミットは「持続的成長の実現に向けて努力する」といったきれいごとを並べるだけに終わるのが関の山だろう。
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社会 2016年05月23日 14時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第19回
組織というものが維持され、さらに発展、拡大への道をたどるにはいくつかの要諦がある。ビジネス社会はじめ、どんな組織にもこれは当てはまる。強大無比の田中角栄の後援組織「越山会」も、またそうであった。 前回記したように一つはリーダーたる人物の人を動かすモチベーション(動機)がまず不可欠。その上で、二つにそうしたリーダーを敬愛あるいは信奉するゆえに発生する部下、とりわけ側近のロイヤルティー(忠誠心)がどれだけ強いかにかかる。側近のロイヤルティーについて言えば、越山会はまさに鉄壁のそれと言えた。組織の「盟主」田中のもと、多々役割りをこなした数多くの秘書の中で、特に4人の秘書の名参謀ぶりが際立っていたのである。 佐藤昭子。永田町の田中の個人事務所に常駐、かの有名な「田中角栄の金庫番」「越山会の女王」として田中と終始“二人三脚”、越山会のカネを最終的に管理していた。 山田泰司。田中の目白邸に常駐、越山会の「江戸家老」と呼ばれていた。毎年夏、2週間ほどかけて〈旧新潟3区〉内の三百数十の各地越山会の陳情、要望を聞き、それぞれ前回の田中の選挙でどれくらいの票を出したかで、どこまでその陳情、要望を実現するかを厳しく差配していた。この独特の陳情、要望受け付け方法は「越山会査定」と呼ばれた。「信賞必罰」を貫いた。 田中勇。東急電鉄グループ創始者だった五島慶太の「懐刀」と言われ、田中の側近となって越山会の組織化に寄与、とりわけ計数に明るく、「得票率」という“手法”を編み出した。各地越山会の田中への単なる票の多寡だけでなく、有権者数に比して何%の票を出したかで各地越山会の“ヤル気”を図ったのであった。もう一つ、この田中の知恵は各地越山会に「肩書」の多きを導入した点にもあった。筆者もこの肩書の種類を調べたことがあるが、各地越山会ともほぼ全員が何らかの“役員”の肩書が付き、足の踏み場もないほどであった。筆者の問いに、ある越山会の「幹事長」氏はこう言ったものであった。 「肩書というものは、ある意味で人間の生きがいに通ずる。生きがいがあれば、皆よく働く。企業でもヒラから主任あるいは課長といった肩書が付いた途端、ヒラ時代とは一変した働きを見せる人間はいっぱいいる。越山会も同じ。ほとんどの会員が肩書を持つから皆が粉骨砕心、コマネズミのように票の掘り起こしに動き回るのです。肩書の付与を生きがい論と結び付けた田中勇さんの功績は大きかった」 そしての本間幸一。田中の新潟「国家老」と呼ばれ、長岡市に本社を置くかつて田中が社長だった越後交通の2階個室に陣取り、物腰は柔らかいが一瞬たりとも各地越山会へ目を離さずという伝説の人物。この人の存在なくして越山会は機能しなかったと言ってよかった。とにかく田中のためなら寝食を忘れ、票になりそうな、あらゆるアイデアを次々に導入した。それまでの議員の後援組織というものに「観光」というものを初めて取り入れたのも、この人であった。新潟の各地越山会の会員をバスで目白邸に運び、憧れの田中に会わせる一方、東京見物のコースも入れるという「目白ツアー」、各地温泉旅行等々である。 また、「娯楽性」をも取り入れた。これは昭和43年12月11、12日の2日間にわたる長岡市厚生会館での越山会会員のための「美空ひばりショー」開催が白眉であった。2日間、3回公演を同じ場所で行ったのは、“女王・ひばり”としては全く異例であった。時に田中は自民党幹事長、テレビでひばりと同席したという経緯もあった。本間は、このときのエピソードを筆者にこう語ったものであった。 「2人は性格も合うようだったので、思い切って『越山会会員のためにお歌い願えないか』と頼んでみたのです。さて、問題はギャラ。2日間、3回公演ですから、こちらは数百万円は覚悟のところです。ところが、当時まだお元気だったひばりさんのお母さんが、キッパリおっしゃられたんですね。『一銭もいりません。ただ、弟に小遣いとして50万円もやって下さい。おカネも使う子ですから』と。結局、ひばりさん自身はノーギャラで出て下さった」 美空ひばりは、時に弟で歌手の香山武彦、漫才の青空星夫・月夫、三波伸介健在の「てんぷくトリオ」、演奏の原信夫とシャープス&フラッツらを引き連れ、自らは「お祭りマンボ」「ひばりの佐渡情話」「悲しき口笛」「越後獅子の唄」「悲しい酒」「柔」「真赤な太陽」など、各回22曲を熱唱した。ちなみに、当時の「弟への50万」は現在の金額でほぼ10倍、500万円ほどの“小遣い”であることから、何ともべらぼうではある。 それから1年後の昭和44年12月の総選挙で、田中はそれまで取ったことのなかった13万3千という最高得票を得た。本間ら田中を取り巻く側近秘書たちの知恵が結実した、越山会という後援組織の“完勝”ということであった。ここでは、組織はあらためて「人」であることを明らかにしたのだった。(以下、次号)***********************************************小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2016年05月22日 14時00分
日本経済沈没寸前!? 激増する非正規残酷「下流中年」問題
“下流化”がすべての世代に広がっている。キーワードは『孤立』だ。 子どもの貧困や老後破産が大きな社会問題となっているが、その予兆は35歳〜49歳のミドルエイジの時代に芽吹いていると言える。高齢者たちを介護などで養うことや、子どもたちを家庭や教育で支える立場にある働き盛り世代の中年層を下流化させる引き金となっているものは何か。 「大量採用の恩恵を受けたバブル期世代と団塊ジュニア世代が42歳〜49歳になり、半数はリストラ対象といわれています。一方、1993年ごろから2005年当たりの『就職氷河期世代』の新卒者で、やむを得ず非正規労働者となった世代も40代に突入しています。転職市場では年収3割減は当たり前ですし、一度でも非正規になれば正社員になることは難しい。また、妻が自立している共働き世帯では、夫のリストラや親の介護が離婚につながるパターンも多い。ある日突然に人間関係が崩壊する孤立化リスクが、現在の40代には急激に高まっているのです」(労働問題に詳しいジャーナリスト) 日本の会社中心社会では、孤立や貧困は自己責任という考えが根底にある。例えば、東日本大震災でホームレスが避難所から追い出されたケースがあったが、「家の所有者でない人は被災者ではない」と捉えるのが日本の現実だ。 中年層の一部が、病気などで働けなくなり社会保険などのセーフティーネットからもこぼれ落ちると、最後に頼れるのは生活保護しかない。生活保護受給者は昨年7月時点で216万人と過去最多を更新。それに匹敵する中年フリーターが、生活保護予備軍として存在しているという。一体どれくらい存在するのか。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算によると、35歳〜54歳の非正規(パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、請負など。女性は既婚者を除く)の数は'00年から増加し、直近では273万人に上る。また全労働者における非正規の割合は、ここ20年間でほぼ毎年増え続け、今や労働者の3人に1人が非正規だ。 ここから見えるのは、生活保護予備軍は最低でも273万人という戦慄の事実だ。平穏な生活を送る正社員の下流化も、決して他人ごとではない。 「国税庁による『民間給与実態統計調査』(平成26年版)によると、1人当たりの平均年収は継続的に下がり続け、'04年には439万円だったものが10年後の'14年には415万円まで落ち込んでいます。この調査で対象とされた人々の平均年齢は45.5歳ですから、中年層の給与減は明確な事実です。年齢階層別に見ても、平均給与は35歳〜59歳まで一様に減少している。こうしたことから分かるのは、確実に『下流中年』が増えているということです」(同・ジャーナリスト) 下流中年に至るケースは、ある意味分かりやすい。まずは転職・離職の失敗やブラック企業から逃れられないことから起こる収入の少なさ、そして親の介護。さらに最近、顕在化しているのが予期せぬ子どもへの援助。いつまでも子が定職に就けずに“パラサイト”している例だ。 子が同居をしておらず親が年金のみで暮らしていれば、親は収入が少ない場合、生活保護を受けることも可能。しかし、子が同居していると保護は受けられない。10年も経てば親子共倒れになる。すぐにでも「中年層の貧困化」の実態をしっかり調査し、十分なセーフティーネットを構築していかなければ、やがて日本は“オール貧困化”に陥り、企業の生産性も社会の活力も失われていく。 その一方で、今、新たな上流層が出現しているといわれている。 「特に上流意識が強いのが、国会議員や地方議員、そして公務員です。民間企業の平均給与はリーマン・ショック以降低迷を続けていますが、東京都職員の平均年収は約735万円で、民間企業の平均より320万円も高い。加えて公務員には倒産がなく、手厚い退職金が約束され、福利厚生も充実している。ですから、大学生の就職志望ランキングでは、地方公務員がナンバーワンです。三菱総研が行った調査によると、自身の階層意識を『上流』と答えた人は公務員で3割を超え、民間企業の正社員の2倍。さらに『下流』意識は、正社員の2割に及んでいます。民間企業で働く人たちが下流化する一方で、公務員が上流化しているのです。上流が下流のためのセーフティーネット構築に精を出すわけがありません。7月に判決公判が予定されている“号泣県議”野々村竜太郎被告や、豪華過ぎる海外出張が批判されている舛添要一東京都知事がいい例です」(社会福祉のエキスパート) 公務員天国で国家破綻に至ったギリシャを、われわれは他山の石にしなければならない。
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社会 2016年05月22日 13時00分
舛添降ろし加速! 橋下徹が「都知事候補」筆頭に躍り出た(2)
仕掛けはさらに続く。 「5月9日には、みんなの党の元代表、渡辺喜美氏と松井知事が会談を行い、渡辺氏が夏の参院選で比例代表として出馬することが決定した。それでも、パンチ力はいま一つ。そんな折、舛添氏の疑惑が発覚したのです。即座に松井知事、馬場幹事長らが密談に入ったともっぱらでした」(同) とはいえ橋下氏は、すでに『橋下×羽鳥の新番組(仮)』(テレビ朝日系)にレギュラー出演し、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)にも復帰しつつある。 「テレビは途中で降板すれば違約金も発生し、なかなか選挙出馬は難しい」とテレビ関係者。しかし、おおさか維新の関係者は、こう明かす。 「特に馬場さんが都知事選に向け意気込んでいる。選挙になり橋下さんが出馬すれば、話題性も抜群で当選は確実と見ています。テレビの問題も、優先出演などの条件を付ければ折り合えない問題ではない」 となると問題は、舛添氏の辞任があるやなしやだ。 「もともと都議会自民党は、前回も舛添氏擁立には消極的。ただ当時は、反原発の細川護煕氏の対抗馬という意味合いもあった。しかし当選後は、韓国学校増設の都有地貸し出しに自民の反対を押し切って決め、新国立競技場問題でも自民と対立するなど最悪の関係。そのため都民の評価も急落する今が、自民にとっても一気に引きずり降ろす好機というわけです」(都議会担当記者) では、肝心の橋下氏はどう考えるのか。周辺関係者はこう言う。 「橋下氏が最終的に狙っているのは首相の座。そのために大阪市長も降り、テレビでさらに顔を売って衆院選で国会議員、そして自民の力も得てテッペン攻略という筋書きを描いている。しかし今は、都知事に打って出た後に衆院選に出るほうが天下取りには楽かもしれない。橋下氏が都知事になれば、おおさか維新は大阪以外でも全国区となり、党勢も民進を抜いて自民党に近づけるはずで、足場も固まる。その意味で橋下氏は、都知事も悪くないと思い始めていることは間違いない」 橋下氏周辺が都知事選出馬を模索する中、他にも“ポスト舛添”の名が続々と浮上している。 「筆頭が、以前都知事選に出馬して敗れた東国原英夫元宮崎県知事。さらに自民党東京都連会長の石原伸晃経済再生担当大臣、東京10区選出の小池百合子元自民党総務会長、さらには民進党参院議員で東京都選挙区選出の蓮舫代表代行らの名も挙がっている。中には、極秘で選対会議を開いた人もいると漏れ伝わっています」(全国紙政治部記者) 首都決戦は近いのか。
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社会 2016年05月21日 17時23分
食材はしっかり加熱! これからの季節の食中毒の危険性と予防策
これから夏に向けて、出かけた先でバーベキューなどを楽しむ方も多いかと思います。青空と太陽の下での食事は格別です。 でも、気温が高くなると気を付けなければならないのが食中毒です。食材も傷みやすく、しっかり火を通さないと体に害を及ぼす可能性があります。 今回は、看護師の大木アンヌさんに、食中毒の危険性と予防策などをお聞きしました。■暑い時期に増えるのは細菌性食中毒 「食中毒とは、食べたものによって嘔吐や発熱、下痢や腹痛などの症状に見舞われること。場合によっては二次感染を引き起こして被害が拡大したり、症状が酷ければ死に至るケースもあります。食中毒は主な原因によって3つのタイプに分けられます。細菌によるものとウイルスによるもの、それとフグやキノコなどの毒によって起こるものです。このうち、これから暑くなる時期に増えるのが、細菌性ものです。冬場はウイルス性のタイプが流行りやすくなります」■潜伏期間に注意 「夏に細菌性の食中毒が増えるのは、気温が高く、梅雨時期などの湿度により、細菌が増殖しやすい環境となるからです。主な菌として挙げられるのが、生焼けの肉などに多い、カンピロバクター。弁当類からの感染が多い、ブドウ球菌。生卵や肉に多い、サルモネラ菌など。気を付けなければならないのは、それぞれ潜伏期間が違うことです。食後すぐに発症するわけではありません。カンピロバクターなどは、潜伏期間が2〜7日間ほどあります。食べたあとに問題なかったからといって安心はできないんですね」■食中毒予防の三原則 「食中毒の原因となる細菌は、肉眼では確認できず、においもないので判別は困難。ですから、予防をしっかり行うことが大事です。その際に重要とされる三原則が『付けない』『増やさない』『殺菌する』です。食材や設備を清潔に保って菌を付けない。食材は冷蔵庫で保存して菌を増やさない。十分に火を通して菌を死滅させる。などを行うことが、最大の予防策になります。もちろん、食材を扱う自分の手もしっかり洗って、清潔な状態で調理してください」 暑い時期はどの食材も食中毒の危険性大。火を通しても安心はできません。生ものは、特に注意が必要です。できるだけ控えて、食べものの美味しく感じる季節まで待ったほうがいいかもしれませんね。【取材協力】大木アンヌルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。
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社会 2016年05月21日 16時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第174回 安倍政権は『外国移民推進政権』である
もはや安倍政権と自民党は、隠すこともなく「外国移民」を推進し始めた。 現在の日本は少子高齢化が原因で、生産年齢人口(15歳-64歳)の総人口に占める割合が下がってきている。バブル期に70%だった生産年齢人口比率は、今や60%だ。すなわち、今後のわが国では、人手不足が深刻化していくことが確実なのである。 素晴らしい話だ。経済成長とは、人手不足環境下における生産性向上(生産者一人当たりの生産量を増やすこと)以外では起きない。高度成長期の日本も、超人手不足であった。当時の日本の政治家や経営者は、外国移民の受け入れではなく、生産性向上のための設備投資、公共投資、人材投資、技術開発投資により人手不足を解消した。 投資拡大で生産性が向上すると、GDP三面等価の原則により「生産者一人当たりの所得」も増える。実体経済は「生産=需要=所得」なのだ。生産性向上こそが、国民を実質的に豊かにする。 豊かになった高度成長期の国民は、消費や投資を増やした。結果、企業や生産者の仕事が激増し、またもや人手不足。さあ、どうするか。もちろん、生産性向上あるのみだ。 と、高度成長期に「人手不足+生産性向上」という資本主義の王道を突き進み、わが国は世界第2位の経済大国に上り詰めた。そして今、生産年齢人口比率の低下により、日本国は再び経済成長率を高める“絶好のチャンス”を迎えようとしている。 そのチャンスを、安倍政権や自民党は外国移民受け入れでつぶそうとしている。 安倍総理は、4月19日の産業競争力会議において、 「第4次産業革命を担う優秀な人材を海外から呼び込みたいと思います。このため、永住権取得までの在留期間を世界最短とします。『日本版高度外国人材グリーンカード』を導入します」 と、語った。 第4次産業革命とは、まさに人手不足を生産性向上で補うための技術開発投資になる。日本が第4次産業革命を推進するべきという主張は正しいのだが、なぜそこで「永住権取得」の話が出てくるのだろうか。 断っておくが、筆者は別に第4次産業革命をすべて日本独自の技術で成し遂げるべきなどと言いたいわけではない。優秀な人材や技術を外国から招くのも大いに結構だ。 ただ、それと「永住権取得」は全く結び付かない。そもそも永住権取得が外国人の来日の条件だとするならば、現時点で90万人も外国人労働者がわが国で働いていることについて説明がつかない。 永住権取得までの在留期間が長かろうが、現実に外国人労働者の数は増え続けている。安倍総理の言からは、「わが国が永住権取得までの在留期間が長いため、外国人労働者が働けない」という印象を受けてしまうが、現実を無視している。 要するに、安倍政権は端から「外国移民を推進したい」という目標を持っているのである。とはいえ、外国移民受け入れ政策は、国民の反発を買う。だからこそ、第4次産業革命にかこつけ、永住権の話を持ち出しているにすぎない。 そもそも意味不明なのは、第4次産業革命はサービス産業の生産性を高め、わが国が、 「外国移民に頼らずとも、国内のサービス業の需要を満たすことができるようにする」 ことを目的に推進されるべきなのだ。外国移民の受け入れを回避するための第4次産業革命までもが、移民推進に活用されている。 姑息である。 姑息といえば、筆者が「亡国の特命委員会」と呼ぶ自民党の労働力確保に関する特命委員会は、人手不足のため労働力が必要な分野に外国人労働者を受け入れるべきとの提言を、政府に提出しようとしている。提言では、わざわざ「移民政策ではない」とデマゴギーが明記され、さらに木村義雄委員長が「移民」について、 「入国のときから永住を許可されて入国する人」 と、勝手に定義を変更してしまった。 国連により、移民は「出生あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人」と定義される。というわけで、現在の安倍政権や自民党が推進している「外国人労働者受け入れ政策」は立派な移民政策なのだ。 現実に移民政策を推進していながら、「移民の定義」を変更することで、移民政策ではないと強弁しようとする。姑息、以外に表現しようがない。 先に述べた「亡国の特命委員会」は4月26日の初会合の講師として、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフ・アナリストのロバート・フェルドマン氏を招いた。フェルドマン氏はロイターの取材に対し、 「日本政府は、実質的な移民政策に向かっている。『移民』という言葉には慎重だが、優良な住民となる可能性の高い、定住を希望する外国人を受け入れたいと思っている」 と指摘したが、その通りである。 日本政府は、実質的な移民政策にまい進している。もっとも、木村委員長の姑息なレトリックからも分かる通り、安倍政権や自民党は「移民政策」を推進していると有権者に思われるのは嫌なようである。 というわけで、安倍政権や自民党が「移民推進」をしているという現実を、できるだけ多くの国民が知るべきなのだ。 わが国が、「日本国民の日本国家」として生き延びられるのか、正念場を迎えようとしている。現在の日本が外国移民を大量に受け入れると、日本人労働者は外国人労働者と過酷な「賃金切り下げ競争」を強いられる。実質賃金はさらに下がり、国民は貧困化していく。また、第168回で解説したが、資本主義経済において、経済成長に必要なのは「ヒトを増やす」ことではない。生産性向上のため、資本や技術におカネを投じることだ。 産業革命後の資本主義の世界では、生産量は「ヒトの量」ではなく、生産性向上のための投資に依存している。生産性こそが、すべてを決する。 「亡国の特命委員会」の木村委員長をはじめ、日本で移民推進をしている政治家は資本主義の基本すら理解しておらず、発想が300年前に退化してしまっている。 国家を守り、国民を守り、さらには経済成長を達成するためにも、日本は外国移民を受け入れてはならない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2016年05月21日 14時00分
伊勢志摩サミット効果ナシ! 不満溜まる真珠養殖業者
5月26、27日開催の伊勢志摩サミットが目前に迫っている。舞台となる三重県志摩市の賢島は、真珠の養殖で知られる英虞湾に浮かぶ人口約130人余の小島だ。 三重県はサミット開催の経済効果を全国で約1071億円(県内分は480億円)との試算を明らかにしている。県や市、地元観光業界などのサミット効果への期待は高まっているが、実際はどうなのか。 「志摩市界隈では、各店舗が語呂合わせで『3310円(サミット)』サービスを提供しています。真珠専門店『イワジン真珠』では、真珠のピアスとアンクレット・ブレスレットのセットを売り出していますし、地元鮮魚店では、地魚など水産品セットを、あるペンションは限定ながら『伊勢志摩サミット開催記念おひとり3310円カップル素泊プラン』など。しかし、今回のサミット警備は“見せる警備”ですから10メートル間隔に1人ないし2人のお巡りさんがいる。記念撮影しても絶対に写り込んでしまうほどです。それより何より3310円の商品やサービスは、残念ながら警察官には縁遠いものばかりなのです」(地元民) 最も打撃を受けているのは、繁忙期を迎える真珠の養殖業者だろう。地元記者が声を潜めて言う。 「最盛期の5月は養殖場に船を海に出して台風の準備や貝の状態管理をしなくてはならないのですが、21日からは出港停止になるのです。2時間交代で1日12回の巡回があるのは安心ですが、海辺の小屋で作業していても、何となく仕事に集中しづらいとこぼしていました」 宿泊施設を満杯にしてくれる警備関係者には“ブタに真珠”ということか。
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社会 2016年05月21日 13時00分
舛添降ろし加速! 橋下徹が「都知事候補」筆頭に躍り出た(1)
家族旅行代に政治資金を使うなど税金へのたかりっぷりが明らかとなった舛添要一東京都知事が、もはや火だるま状態だ。5月13日の記者会見で「一部返金する。説明責任は果たした」と開き直ると、都には1万件を超す苦情電話が殺到。最大与党、都議会自民党も“舛添降ろし”の腹を固め、6月1日からの都議会本会議は大荒れ必至だ。そんな中、橋下徹前大阪市長(おおさか維新の会法律政策顧問)が、虎視眈々とポスト舛添を狙い始めたと囁かれ始めている。 「もう政治は卒業」と宣言し、大阪市長を降りたばかりの橋下氏が今度は都知事!? そんな無節操なことはあるはずがない−−。そう思う読者も多いはず。しかし、舛添氏の疑惑が週刊文春により報じられ、批判の声が一気に高まり始めた11日前後から、おおさか維新の周辺が俄かに動きが慌ただしくなったのは事実。 その裏事情を在阪記者がこう説明する。 「どうやら、馬場伸幸幹事長とその周辺が、舛添氏の辞任は必至と見て都知事選があると想定。橋下氏出馬への準備と説得に向け、急ピッチで動きだしている」 背景には、おおさか維新が抱える悩みが大きく反映している。 全国紙記者が解説する。 「昨年11月、橋下氏の辞任を受けての大阪市長選で、おおさか維新が推した吉村洋文氏が約60万票を獲得。自公の推す柳本顕氏を20万票近く離しブッチギリで当選した。しかし、いまだスター不在で、どうにも党勢が伸びないのです」 NHKの世論調査(5月9日)でも、自民党37%、民進党8.2%、公明党3.7%、共産党4.1%に対し、おおさか維新はわずか1.3%。 「おおさか維新は2月に夏の参院選に向け選挙区3人、比例区6人の候補を擁立し、さらに随時、公認候補を増やしていくつもりだった。ところが、その試金石ともなる4月末投開票の宮崎謙介氏の辞任に伴う京都3区補欠選挙で森夏枝氏を擁立したが、民進党の泉健太氏に4万票も差をつけられ敗北。これに松井一郎大阪府知事や馬場幹事長は、なんとか打開策の仕掛けをしないと維新は崩壊すると、慌てふためいた」(同) その仕掛けの一つが、河村たかし名古屋市長との連携だ。 「松井知事は名古屋での支持基盤拡大のため、河村氏が率いる減税日本と、おおさか維新の合流を持ち掛けた。ところが河村氏から、名古屋は“名古屋”好きが多いので『おおさか維新』の党名では無理と、ソデにされたのです」(前出・在阪記者)
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