同局によると男性は4日、1人でトレイルを走っていた際に物音を耳にして振り返ったところ、1頭のピューマが襲いかかってきた。男性はピューマに顔と手首を噛まれながらも、自分の命を守るために絞殺したという。
検視の結果、ピューマは生後1年未満で体重は約36キロだったことが判明。男性は重傷を負って病院に運ばれたが、手当てを受けて退院した。
現場のトレイルにはほかにもピューマがいた形跡があったことから、一般の立ち入りが禁止された。
公園野生生物局の担当官は、「コロラド州でピューマに襲われることはめったにない。運悪く、ピューマの狩猟本能がランナーによって刺激された」と話している。
コロラド州では1990年以来、ピューマに襲われて3人が死亡、16人が負傷している。コロラド州のポリス知事はフェイスブックへの投稿で、たとえピューマに遭遇しても、できる限り近付かず、可能であればゆっくりと後ずさりするように促している。
ピューマはネコ亜科では最大級の大きさで、時速約50kmの走行が可能、ものを噛む力を示す「咬合力」は約150kgと言われている。瞬発力にも優れ、高さ4メートル、幅12メートルほど跳躍したという記録もある。
この事件を受けてネット上ではさまざまな感想が飛び交う結果に。「世界には襲いかかってきたピューマを重傷を負いながらも素手で絞殺できる人間がいるそうです」「日本だと"熊退治"に相当かな。どこの伝説の武道家かよ」「素手でピューマ殺すとかリアル武井壮かよ」「俺もピューマに襲われても返り討ちにできるくらい鍛えないと」などと賞賛する声が多かった。
冷静に男性の身体能力を分析する人も。「よく武器を持たぬ人間は野生動物の前では無力のように言われるが、体格のいいアメリカ人男性ともなると、ゴリラに次ぐ大型霊長類で、かつ知能の高さ、絞める器用さ、体重を乗せたパンチ、脚力、二足歩行による高い頭部の位置(が利点)」などと米国人男性の身体能力の高さを説き「動物としては結構強い」と解説している人もいた。
同じような事件は日本でも起こっている。2016年、群馬県の山で当時63歳の男性が体長1.9メートルの熊に襲われた。男性は空手の有段者で、クマの目を攻撃し素手で撃退したが、頭や額をかまれるなど全治数週間のケガを負っている。
日本でも熊に襲われる事件は昨年だけで50件も起きている。撃退できたのはまれなケースだ。もし猛獣と偶然出会ってしまったら、もちろん決して戦おうとは思わない方が賢明だ。相手を興奮させないように逃げるなど、慎重な行動が求められる。