事件が発生したのは神戸市須磨区の路上。27日午後0時50分頃、70歳の女性が小型犬ミニチュアシュナウザーを連れて散歩していたところ、突然体長1メートルの犬が出現。ミニチュアシュナウザーに向かい突進した。
70歳の女性は飼い犬を襲われないよう、身を挺して向かってきた犬をブロック。その結果、左腕を噛まれた。この様子を見た通行人が犬を確保し、通報。警察官が駆けつけ、女性を襲った犬を引き渡した。
女性は左腕を噛まれるなどし、大怪我を負ったものの命に別条なし。通行人の迅速な行動が、命を救ったものとみられるが、体力の弱った高齢女性だけに、生命の危険性も否定できない事態だった。なお、襲った犬には首輪がついており、飼い犬の可能性もあることから、警察が飼い主を探している。
現在のところ、なぜ首輪のついた犬が野放し状態になっていたのかは不明。鎖を壊し脱走中だった可能性もあるが、散歩中にリードを外し、そのまま逃走した可能性も指摘されている。
いずれにしても、飼い犬の場合、飼い主の責任は免れないものとみられる。民法第718条には、第1項「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない」、第2項「占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う」
と規定されている。今回の事案で、仮にこの被害者が損害賠償を請求し、「動物の性質に従い相当の注意を持ってその管理をしていない」と判断された場合、飼い主は損害賠償金を支払う必要が発生する可能性が高い。
ミニチュアシュナウザーを守るため、1メートルの犬に立ち向かった女性については、「勇気ある行動」「怖かったと思う…」「凄い」など、称賛の声が。そして、存在しているとみられる噛み付いた犬の飼い主については、「最低」「管理できないなら飼うな」「素直に名乗り出て女性に謝罪しろ」と怒りの声が噴出している。
人に危害を加える可能性のある大型犬を飼う場合、当然、他人を襲わないよう注意する必要がある。襲った犬に飼い主がいるのならば、速やかに名乗り出て謝罪し、然るべき賠償金を支払うべきだろう。
文 神代恭介