「転職者数は、リーマンショック後一気に減少しましたが、現在は増加傾向にあります。求人数も増えているので、転職希望者にとっては有利な“売り手市場”と言えますね。ただし、すべての業界や業種ということではないので、注意は必要です。最近は、ITやサービス、小売・外食業界の求人数が特に伸びていますよ」(転職エージェント関係者)
しかしながら、その状況も変わってきているようだ。というのも先月、安倍晋三首相は『外国人労働者の受け入れ拡大』の意向を表明したのだ。業種を農業、介護、建設、宿泊、造船の5つに限定しているものの、やがて拡大するという見方は強い。そうなれば、日本人労働者の仕事が減る可能性も…。さらに、大手銀行や飲食チェーンなど、AI(人工知能)の導入で人件費カットを試みる企業も年々増加している。
また、2020年の東京オリンピック後には景気が悪化し、企業が採用活動を控えるだろうという見方もある。つまり、ほんの数年後には、今の状況から激変している可能性が高いのだ。
そんな中、実際の転職希望者からは、「転職したいけど、自分の希望条件に合う会社が見つからない」「売り手市場なのは知ってるけど、転職活動は自分のタイミングで始めたい」「次の転職先を決めてから辞めたいが、仕事しながら転職活動するのはキツイし…」という声が多い。
また、「もう少し給料の高い会社に行きたいけど、人間関係は悪くないからもったいないと思ってしまう」「新しい職場に馴染めるか不安」「今すぐ転職したいけど、年齢で落とされそうで怖い」など、勇気が持てず転職に至っていない人もいるようだ。
転職希望者にとって有利な状況がそう長く続かないとすれば、ぜいたくも言っていられないだろう。「いつかは転職…」と考えているならば、今こそ重い腰を上げて行動に移すタイミングではないか。