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「きさらぎ賞」(GIII、京都芝1800メートル、15日) リーチザクラウン 今度は負けられない

 西のエースの座を守れるか。クラシックに直結する重賞として存在感が高まっている「第49回きさらぎ賞」(GIII、京都芝1800メートル、15日)。今年はリーチザクラウンが主役を務める。前走のラジオNIKKEI杯2歳Sは1番人気ながら、よもやの2着。未勝利戦を大差勝ちした京都の1800メートルで巻き返しを図る。橋口調教師がダービーへの試金石と位置付ける一戦。譲れない戦いが早くもきた。

 昨秋、リーチザクラウンが未勝利戦を大差勝ちした後、橋口調教師は「この馬でダービーを勝てなかったら調教師失格だ」とまで言ってのけた。
 そして、今回は「ここで結果が出なければ、オレ自身、ダービーは目指さない。それぐらいの気持ちでいる」と言い切った。ダービー2着が2度。何としてもダービーを勝ちたい名伯楽は、そこまで思いを深めている。
 ノンストップで春を迎えるはずだった。しかし、思わぬ誤算が生じた。圧倒的1番人気に支持されたラジオNIKKEI杯2歳Sでよもやの2着。ロジユニヴァースに差し切られ、しかも突き放される完敗だった。

 有り余るスピードがクラウン最大の武器だが、それがもろ刃の剣であることも示した。武豊騎手が振り返る。
 「気性が激しい。もう少しのんびりしてくれればいいんだけど。気が強いからどうしてもムキになってしまう」。前走も抑え切れないような勢いでハナへ。息を入れながら相手の出方をうかがうような余裕はなかった。
 今回もポイントはその1点だ。橋口師もさらに厳しくなる春を見据え、「何としても控える競馬をさせたい」と公言している。だが、武豊の意見は違う。「先生はそう思っているようだけど、前走だって、望んで逃げたわけじゃない。あの馬のペースで自然と走らせただけだから」。この食い違いが実戦でどういう結果を呼ぶか、注目だ。
 中間の調教は何とか抑えが利くよう工夫している。4日の1週前は栗東DWコースで6F82秒7→13秒0。併走馬を1秒4追いかけ、0秒8先着した。「手綱を軽く放しただけで楽に先着してくれた。今回は先生も気合が入っている。何とか期待に応えたい」と武豊はうなずいた。
 先々週の京都牝馬S(チェレブリタ)に続き、共同通信杯(ブレイクランアウト)も優勝。右腕の骨折から立ち直り、調子を上げてきた天才のパフォーマンスがカギを握っている。

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