数年前、記者が旅行で大阪城に行った時の話。旅行の荷物を預けようと大阪城の最寄駅のロッカーが全て満室(?)。何と、首から同じタオルをかけた女の子たちが制服からみんな同じTシャツにそこで着替えていた。大阪城ホールでその日行われるORANGE RANGEの為にみんなで待機してるのだ。仕方ないので荷物を引いて大阪城の公園内に行くと、同様の少女たちの一団でいっぱい。当時のオレンジレンジの人気はすさまじく、彼らをCMに起用したサーフ系衣料メーカーのTシャツは飛ぶように売れた。
そんな事も忘れていた昨年、そしてその前の年に、「おしゃれ番長 feat.ソイソース」という、お菓子のCM曲をMステで披露していた彼らの横に、お笑いの勝俣州和が半ズボン姿で借り出されていて、何かおかしいと思った。そして昨年の「瞳の先に」。すごくいい曲なんだけどパンチが無く売り上げも6位止まり。オレンジレンジはNHK2006 FIFAワールドカップテーマソングだった「チャンピオーネ」以降ランキング1位になってない。曲のストックも少なければ、下積みも無い若いバンドにヒットを長続きさせる方が無理なのかもしれない。
デビュー当時、オレンジレンジが本来持ってる良さが、たまたまその時の若者たちのニーズに合っちゃったというか、仲よくノリノリに歌っている彼らの楽しそうな姿にみんなが心沸き立ったというか、とにかく20代前半で、日本中で売れて莫大な利益を上げてしまった彼ら。ジャニーズのアイドルとか、お笑い芸人なら浮き沈みの「沈み」も理解されるのけど、バンドはそうはいかない。人生の“上がり”しか見てない彼らは、就職したり、結婚したり、大人になってオレンジレンジどころでなくなったファンたちのリアルな現実に向き合う曲が作れないのだ。そこに気づかなかったのはご本人たちでは無くて、彼らを売り出す周りの大人たち。でも、彼らを使ってさらに儲けようとした。人気急落の“境”になったシングル「イケナイ太陽」の売り方が酷かった。
この曲はフジテレビ系ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』のオープニングテーマで、さわりだけ聞かせて、なぜか主題歌はぜんぜんドラマと合ってない大塚愛の「PEACH」。オレンジレンジファン(記者含む)はものすごく気持ち悪かった。しかも、翌週発売したベストアルバムにはアレンジも変えないショートバージョンのみを収録して、シングルをセットで買わせようとし、肝心のシングルは同曲をふざけてカラオケで歌った「イケテナイ太陽」を収録。あきらかにファンをなめてる。なまじ大きく儲けた実績のあるORANGE RANGEは、バンドでは無く金儲けの道具になってしまったようだ。
オレンジレンジ自体は悪いバンドでは無い。自らパクリと言っている音楽のコラージュも、それなりのセンスは光ってるし、地元愛やメンバー同士の結束の強さも魅力がある。女や酒に関しても、同じ沖縄の某ダンスグループに比べたら全然まじめ。ふざけた「イケテナイ太陽」は何かの間違いだ! そんな売り方をする大手とはさっさと手を切って、ORANGE RANGEは独自音楽の流通が盛んな地元・沖縄のインディーズで出直した方が早い。その方がいい曲ができるのではないか。(コアラみどり)