新日本は過去に同体育館をはじめ、日本ガイシホール(名古屋レインボーホール)、ナゴヤドームでもビッグマッチを開催。近年は1年に3回前後、愛知県体育館大会をシリーズに組み込んできた。今回は高い動員力を維持してビッグマッチ開催につなげた形だ。
メインイベントでは、日本時間7日のマディソン・スクエア・ガーデン(MSG、米ニューヨーク)大会で内藤哲也を破り、IWGPインターコンチネンタル王座を獲得した飯伏幸太が登場。MSGのバックステージで逆指名したザック・セイバーJr.と初防衛戦を行う。
ザックはMSGで飯伏が「神」とあがめる棚橋弘至を破っているが、左肘を痛めた棚橋はそのまま無期限の欠場をしいられ、飯伏自身も2年連続で『ニュージャパンカップ』でザックにギブアップ負けを喫している。今回の一戦は「神の仇打ち」と自身の「リベンジ」という2つのテーマを掲げた闘いとなる。連日行われている前哨戦ではザックが優位に立つ。飯伏が「邪魔でしかない」と話していたザックのマネージャー、TAKAみちのくの策士ぶりにも磨きがかかっているだけに、まさかの3連敗をしてしまう可能性も決して低くはない。棚橋同様、飯伏にとっては「苦手」なタイプなのは間違いないだろう。飯伏は久々となる名古屋のビッグマッチをハッピーエンドで終わらせることができるのか?関節技対策に注目したい。
セミファイナルでは、IWGP USヘビー級選手権試合、チャンピオンのジュース・ロビンソンに、バレットクラブのバッドラック・ファレが挑戦する。
この2人はお互いに新日本の留学生だった共通点がある。時期は違うが、ファレは新日本の先輩だ。新日本で育った外国人対決はジェイ・ホワイトや、デビッド・フィンレーの間でも行われているが、後輩のチャンピオンに挑戦するファレの気持ちは複雑だろう。ましてやバレットクラブでも後輩のジェイがリーダー格を務めている。ファレとしてはシングルプレイヤーとして結果を出しておきたいところだ。
ノンタイトルマッチではオカダ・カズチカや棚橋弘至から何度も勝利を収めているファレだが、シングルのタイトルには不思議と縁がない。平成最後のタイトル挑戦で、シングル初戴冠となるのか?それともまだまだ成長が止まらないジュースが防衛するのか?大和魂を持った外国人対決に期待が高まる。
来年1月の東京ドーム大会での引退を表明している獣神サンダー・ライガーは第2試合に出場。愛知県体育館でライガーがあと何回見られるか分からない。名古屋のファンは見逃してはならないだろう。今年の春は名古屋がアツイ!
取材・文・写真 / どら増田