今年のアメリカ大会第2弾は日本時間7月7日に開催される『G1クライマックス29』開幕戦だ。G1が国外で開催されるのは史上初。その場所はテキサス州・ダラスのアメリカン・エアラインズ・センターに決定した。
プロレス界とダラスといえば、かつて日本マットでも活躍した“鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックのテリトリー。1980年代はフリッツの息子たちを中心に活躍してきたことで知られており、今年WWEの殿堂入りを果たした“超獣”ブルーザー・ブロディも定期参戦していた。
WWEの全米侵略で、世界最高峰のプロレスアライアンスNWAが事実上崩壊してからはWCWAという団体で老舗団体AWAと提携。ブロディの仲介で新日本にもエリック兄弟など選手を派遣した。しかし、エース格だった四男のケリーがWWEに移籍、その後、兄弟の不慮の死が続くなど“呪われたエリック一家”というレッテルを貼られてしまいダラスのエリック王国は崩壊。現在、存命しているフリッツの息子は6兄弟のうち、次男のケビンのみ。3人は自ら命を絶っている。
エリック王国崩壊後、WWEやインディー団体がプロレスの明かりを消さないように盛り上げてきたダラス地区に新日本が進出する。だが、今回はMSGとは違って新日本単独の興行。しかもG1の公式戦が開催されるとあって、MSG大会とはまた違った意味合いの期待が高まっている。
ダラス大会の第1弾出場選手として、オカダ・カズチカ、飯伏幸太、内藤哲也、ジェイ・ホワイトの4選手の参戦が決定した。この4人はG1への出場も決定したと言ってもいいだろう。今年のG1の大会数を見るとダラス大会で公式戦が5試合組まれるのは間違いない。AブロックまたはBブロックどちらかの公式戦5試合に、アンダーカードが組まれるのだろう。
G1は毎年、開幕戦にドラマが起きるだけに、どんなカードが組まれるのか注目したい。
文 / どら増田
写真 / 萩原孝弘