警視庁によると、警部補は昨年8月頃から今年3月まで計3回、署内の同課事務室で、同僚5人の机の引き出しから計12万円を盗んだ疑いがある。
そのうち、今年3月9日午後7時頃、同僚3人の机の引き出しから、捜査費計6万円を盗んだ容疑について、盗んだ日などが特定できたとして、書類送検した。他に、昨年8月、同11月に計6万円を盗んでいた。
犯行当時、事務室内は警部補しかおらず、引き出しは施錠されていなかった。捜査費は月初めに2万円ずつ支給され、各捜査員が机などに保管していた。
同僚の1人が同11日、被害に気付いた際、警部補が「自分が借りている。すぐに返す」と話したという。その同僚は以前にも、同様の被害を受けたことがあったため、上司に相談し、事件が発覚した。
警部補には数千万円の住宅ローンがあるほか、パチスロ代や生活費などに充てるため、消費者金融に約400万円の借金があったといい、「光熱費などの支払いに困って盗んでしまった」と容疑を認めている。
警視庁の森元良幸警務部参事官は「警察官としてあるまじき行為で厳正に処分した。人事管理、業務管理を徹底し、再発防止に努めたい」とコメントしている。
捜査費ということで、罪の意識が希薄だったのかもしれないが、人様の金を黙って持ち出すのは紛れもなく盗人行為だ。
(蔵元英二)