「今オフは外国人選手の動きが活発になるかもしれない」(球界関係者)
日本通算6年目、シーズン60本塁打の日本記録を樹立したヤクルト・バレンティンと、阪神の投打の主軸、メッセンジャーとゴメスが今季で契約を満了する。チーム内での評価、置かれた立場等から、「動く=他球団移籍」と見る関係者は少なくない。
「バレンティンに2013年の力はもうないよ」(プロ野球解説者)
60本塁打を放った2013年と比較すれば、衰えは否定できない。近年では速球派投手に差し込まれ、凡フライを上げるシーンも目立つ。しかし、打率2割9分台で、本塁打17はリーグ4位。打点61の数値から「まだまだチャンスには強い」とも評価する者もいた。ヤクルトは日本人野手が順調に成長しており、「バレンティンの残留は執着しない」との見方がされている。
「年俸3億6000万円(推定)。この年俸なら、少なくともフルシーズン出てもらわないと…」(前出・同)
高額年俸がネックとなりそうだ。クリーンアップではなく、その脇を固めるポジショニングでと外国人選手の補強を考えているチームならば、バレンティンは魅力的な選手というわけだ。
メッセンジャー、ゴメスの去就も気になる。
「メッセンジャーは『エース』の自負が強く、開幕投手の座を藤浪と争うなど、チームに対する愛着も強い。但し、残留となれば、現在の3億円(推定)以上を求めてくるでしょう。阪神が3億円以上を出すかどうかが分かれ目になる」(前出・関係者)
“他球団移籍”の可能性がもっとも高いのは、ゴメスだろう。ゴメスはスタメン落ちや代打を送られる屈辱を味わった。理由は自身の不振とはいえ、元メジャーリーガーのプライドを考えれば、この先、モチベーションが上がるとは思えない。
「阪神の渉外担当は中南米系の選手獲得がスムーズにいくよう、定期的に現地入りしているそうです。中南米系選手の獲得ルートができたのは、ここ2、3年かな。今年1月からシーズン序盤に球団上層部も現地関係者に会うなどし、関係強化に努めていました」(同)
このとき、球団上層部が現地入りしたのは「将来のためのパイプ作り」だろう。だが、ゴメス、メッセンジャーの慰留に失敗した際のことも念頭にあったはずだ。
今季、外国人選手に泣かされたチームがいくつかある。巨人のギャレットは守備難で、DeNAはクリーンアップを予定していたロマックが機能しなかった。
「ゴメスは一塁しか守れないし、バレンティンも守備は決して巧くない。DH制のパ・リーグ球団が獲得に動くかもしれない。2割7分台、本塁打20本台でいいという計算なら、両選手とも確実に計算できます」
近年のプロ野球では、他球団が解雇した外国人選手を獲得する傾向もある。爆発的な活躍はないが、確実に計算できるからだ。来季の補強策として、ゴメス、バレンティンの周辺調査が始まった。