同社は東映の不動産にうま味を感じているようだが、一部にはテレ朝への影響力も視野に入れているとの見方もある。
アルガーブと聞いてもピンと来ないかも知れないが、証券会社幹部は、こう解説する。
「同社はホテル・ニユーオータニ系のビル賃貸会社、テーオーシーに敵対的TOB(株式公開買い付け)を挑むなど、株式市場で存在感を増しつつある不動産投資ファンド運営会社、ダヴィンチ・アドバイザーズの子会社です。運用マネーが既に1兆円を超えるダヴィンチの別働隊です」
7月9日付で関東財務局に提出した大量保有報告書によると、保有目的は「経営陣との建設的な対話・議論を通じて企業価値向上を支援し、株主としてリターンを享受すること」。何とも不気味ではないか。
「大量保有報告書を提出する際、たとえどんな下心があったにせよ、相手を刺激しないように“純投資”と記し、本当の目的は隠すものです。ところがアルガーブ=ダヴィンチは、筆頭株主になっただけでも東映の神経を逆撫でするというのに、挑発的なファイティングポーズまで取った。東映が対抗策を繰り出せば、今度は敵対的TOBを仕掛けるかもしれません」(証券マン)
今後、双方が激しい火花を散らし合うのは必至。ことによると映画を地で行く“仁義なきバトル”に発展しそうだ。