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投資会社に狙われる東映

 映画の「東映」に“魔手”が忍びよっている。同社の第2位の大株主だった投資会社、アルガーブが株を買い増して保有比率を11.88%に高め、遂にテレビ朝日を抜いて筆頭株主に躍り出たのだ。
 同社は東映の不動産にうま味を感じているようだが、一部にはテレ朝への影響力も視野に入れているとの見方もある。
 アルガーブと聞いてもピンと来ないかも知れないが、証券会社幹部は、こう解説する。
 「同社はホテル・ニユーオータニ系のビル賃貸会社、テーオーシーに敵対的TOB(株式公開買い付け)を挑むなど、株式市場で存在感を増しつつある不動産投資ファンド運営会社、ダヴィンチ・アドバイザーズの子会社です。運用マネーが既に1兆円を超えるダヴィンチの別働隊です」
 7月9日付で関東財務局に提出した大量保有報告書によると、保有目的は「経営陣との建設的な対話・議論を通じて企業価値向上を支援し、株主としてリターンを享受すること」。何とも不気味ではないか。
 「大量保有報告書を提出する際、たとえどんな下心があったにせよ、相手を刺激しないように“純投資”と記し、本当の目的は隠すものです。ところがアルガーブ=ダヴィンチは、筆頭株主になっただけでも東映の神経を逆撫でするというのに、挑発的なファイティングポーズまで取った。東映が対抗策を繰り出せば、今度は敵対的TOBを仕掛けるかもしれません」(証券マン)
  今後、双方が激しい火花を散らし合うのは必至。ことによると映画を地で行く“仁義なきバトル”に発展しそうだ。

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