伊藤氏は発表の翌23日にツイッターを更新し、候補入りについて、「現代日本で、小学校に通えない児童などいません。たとえ『貧困』と言われる家庭であれ、学校に通えない児童など存在しません」と断言。万が一、就学実態がない場合があれば報道されるといい、「この映画は諸外国に誤ったメッセージを発信しているようなもの。日本はそんな悪い国ではありません」と批判していた。
しかし、これに対してネットからは、「万引き家族は『映画』であって日本のイメージアップフィルムではありません」「所在不明児は存在します。小学校に通っていない児童は存在します」「文科省が把握しているだけでも、学齢児童中不就学児童は30万人を超えます」といった批判や指摘が殺到。また、「映画を観ていないのでは?」といった指摘に対し、伊藤氏は「映画ビジネスに名を残す目的で作品を手がけるような監督の映画など、観たくもありません」とリプライを送っていた。
『万引き家族』は、貧困や未就学児童問題、虐待や年金不正受給など、現代の日本の問題をテーマに、足りない生活費を万引きで補い暮らしている家族の姿が描かれている映画。一家の息子の祥太(城桧吏)が学校に通っておらず、日常的に万引きを繰り返しているシーンが印象的でもあり、公開以来大絶賛を呼んでいた。
「未就学児童問題については、万引き家族が撮影された平成29年に文部科学省が発表したデータによると、法務省が把握している限りの無戸籍児童201名について、『就学していない』は0%ではあるものの、『登校の状況』については『不登校状態』が1.5%で、『未就学期間』が『あり』も2%いることから、『学校に通えない児童』が存在しないとは言い切れません。伊藤氏はその後批判に対し、『私が申し上げたのは、どんな境遇でも学校に通うことができる、制度上の話です。就学実態については一言も触れていません』と弁解していますが、いまだ矛盾を指摘する声も多く集まっています」(芸能ライター)
外国語映画賞で邦画が候補入りとなるのは、09年の滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来10年ぶり。おめでたいニュースに対し、水を差されたと感じた映画ファンも少なくないようだ。
記事内の引用について
伊藤純子公式ツイッターより https://twitter.com/110junkoito
文部科学省公式ホームページより
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1399645.htm