事態を受けて竹田会長は、1月15日に東京都内で記者会見を行い、汚職の事実を否定するも、調査中の案件もあるとして質疑応答は一切受け付けず、会見はわずか7分で打ち切りになった。これには、ネット上では「全然潔白主張になってない。かえって怪しすぎる」「これ数年前から捜査が進んでいるんだよね。もう詰み寸前じゃん」といった声が聞かれる。
今後の動向次第では、最悪の場合、オリンピックの開催地返上の可能性も出てきた。そもそも、オリンピックはこれまで返上、中止となった例はあるのだろうか。
最初にオリンピックが中止となったのは、1916年のドイツのベルリン大会である。第一世界大戦の混乱のため中止となった。
次に中止となったのは日本である。1940年の東京オリンピックと、同年に開催予定だった札幌での冬季オリンピックが中止になっている。この大会はアジアで初めてのオリンピックとして注目が集まっていたが、日本が軍事大国化を進め、諸外国との外交関係の悪化により、日本が開催権を返上する形で中止となった。夏はフィンランドのヘルシンキ、冬はスイスのサンモリッツ、さらにドイツのパルテンキルヒェンが代理開催地となるも、結局中止となった。翌1944年のロンドンオリンピックも第二次世界大戦のため中止となっている。同年にイタリアのコルチナ・ダンペッツオで開催予定だった冬季オリンピックも中止となっている。
戦後において唯一の返上例が、1976年にアメリカのデンバーで行われた冬季オリンピックである。決定直後から地域住民から激しい反対運動が起こり、さらに、当初から懸念されていた資金難も現実のものとなったため、最終的に反対運動派が起こした住民投票の結果、オリンピックの返上が決定した。代理開催地はオーストリアのインスブルックとなった。デンバーは1970年に決定し、開催権が返上されたのは1972年10月であり、開催の4年前である。
2020年の東京オリンピックの場合、再来年に開催が迫っているため、さすがに開催地返上の可能性は低いといえるが、過去2度のオリンピック中止は日本で起こっているため、3度目の可能性もありそうだ。