サイバー補導は、インターネット上に不適切な書き込みを発見した場合、警察官の身分を隠して、少年少女に接触し、直接会って注意や指導を行うもの。広島県警では昨年4月から導入し、これまで計39人の少女らを補導した。全国では昨年12月に本格始動している。
補導された少女26人の内訳は定時制高校生が7人、全日制高校生5人、中学生4人、その他はアルバイトや無職だった。補導された少女らは保護者に引き渡されたが、3人は家裁が鑑別所での観護措置処分とし、家出中だった2人は児童相談所に入所したという。
書き込みはすべて少女たちのスマートフォン(多機能携帯電話)から行われ、その動機の半数以上が小遣い銭欲しさだった。
少女らは掲示板に「2、3万円で会える人」「今すぐ会える人」などと書き込み、一つの書き込みに対して、男性から数十件の返信があるほどの“売り手”市場だったという。
県内では12年以降、客を装った風俗業者が、インターネットを通じて少女と会って脅し、店で働かせる「援助交際狩り」が相次いだため、県警では全国に先駆けて集中警戒に乗り出した。
サイバー補導は少女売春などの青少年犯罪の未然防止に効果を上げており、県警では今後も強化する見込み。
(蔵元英二)