しかし、この裁判所前の列だが、周知の通り、テレビ局のバイトの列。ほぼすべてと言っても言い過ぎではない。残りは新聞社や出版社が自社で動員した社員。“傍聴マニア”と呼ばれる一般人は数えるほどしかいない。
「東京地裁の裁判の時などは、傍聴券の抽選がはじめる前まで、向かいの総務省前には不思議な行列ができるときがあります。“何してるんですか?”なんて聞いたら、嫌な顔されますね。どうやらバイトだってことは口止めされているみたいです」(週刊誌記者)
自分たちで、雇ったバイトの列が裁判所へ入るところを中継し、「世間の注目度が高いことがうかがえます!」なんて発言してしまうのは、“やらせ”とは言わないまでも、滑稽な話だ。
ただ、テレビ局は司法記者クラブに加入しているため、そもそも最低限の傍聴券はしっかり用意されている。「記者だけでなく、自分たちの番組でつかっているタレントみたいな評論家の席も確保したいんですよ。金にモノを言わせてるんで、フリーや週刊誌の記者はお手上げになりますね」(週刊誌記者)
最近はテレビ業界も不景気に…なんて声も聞こえてくるが、まだまだお金は余っているようだ。