そうなると当然不祥事も発生。中には「やりすぎではないか」と感じてしまう事件も。中でもネット界を震撼させたのが、「kukuluLIVE」という生放送サイトで動画を配信していた人物D氏(当時40)だ。
D氏は2015年、マインクラフトというゲームの動画配信中、最近購入したというオイルマッチを紹介する。「火のつけ方がわからない」と話すと、タバコをくわえながら格闘。コメントで「穴にオイルを入れる」と聞き、その通りタップリとオイルを注ぐ。その際、かなりこぼれたようで、オイルを何度も拭き取り、ティッシュを横にあったゴミ箱のようなものへと捨てた。
「火種がない」と話すD氏は、オイルマッチの棒に火をつける。すると、タップリとオイルを吸ったため、オイルマッチに引火し、大きな火がついてしまう。パニックになったD氏は、棒を横に捨てたティッシュへと投げ入れ、それを背にした形でオイルマッチの消火作業へ。
すると、D氏の後ろで猛烈な火の気が。それもそのはず、彼の横にはオイルを吸い込んだティッシュや、その他燃えやすいものがたっぷりと入ったゴミ袋が置いてあり、瞬く間に引火したのだ。
悲劇はそれでは終わらない。火のついたゴミ袋を風呂場に持って行き水を掛けていれば、事なきを得た可能性が高いが、D氏はダンボールが置いてある場所へと持って行き、なぜかダンボールで煽ぎ、風を送ってしまう。そして、火の中にダンボールを投げ入れ、洗面器にわずかな水を入れて戻り火に掛けるが、まさに焼け石に水。
火災報知機が鳴ると、D氏は配信用のマイクを抜き取る。この後も布団で煽ぐなどしたD氏の姿は次第に火の中に消えていき、こんこんと燃え盛る火に鍋で少量の水を掛けるD氏の姿を最後に、配信が途絶えた。
この様子はネットで話題となり、新聞でも報じられ、木造2階建て約125平方メートルのうち2階の部屋など約37平方メートルを焼いたことがわかっている。また、「配信中に火事で炎上」という事態に、普段ネット配信を敵視しているテレビ局もかなりローカルな話題であるにもかかわらず、詳細を取り上げた。
さらに、海外のテレビ番組でも取り上げられ、司会者がD氏をいじり、観客にゲラゲラと笑われてしまう。その様子はYouTubeで日本にも拡散され、「日本の恥」と批判を受けることになった。
当時40にしてニートだったというD氏。火事事件後、掲示板に「火事事件は起こしてはいけないが、自分的にはいい方向に変わることができると思っている」「ころんでも結果的にいい方向に向けることが重要」などと、まったく反省した様子を見せていなかった。
彼のその後はわかっていないが、現在も炎上配信の動画はYouTubeやニコニコ動画に残っており、「火事でやってはいけないことがすべて詰まっていて勉強になる」という声も出るほど。「パニックなったら自分もああなってしまうかも」と言う声もあり、「火の怖さ」と「火遊びの恐ろしさ」を体現した動画として伝説化することになった。
ちなみに、D氏の現在はわかっていない。火事を乗り越えたくましく生きていることを祈りたい。