search
とじる
トップ > トレンド > 書評「狐火の家」貴志裕介著、角川書店

書評「狐火の家」貴志裕介著、角川書店

 第4回日本ホラー小説大賞を受賞した100万部突破の最怖ジャパニーズ・ホラー「黒い家」。その著者が挑んだのは、密室を舞台にした4つの本格ミステリーだ。日本推理作家協会賞に輝いた前作「硝子のハンマー」から4年。女弁護士と、防犯探偵のデコボココンビが復活した。
 ナゼか密室事件の相談ばかりが舞い込む“密室専門”天然系女性刑事弁護士の青砥純子と、本職は泥棒だとしか思えないほどのテクニックを持つ防犯ショップ店長の榎本径。2人の主人公のちょっと変な掛け合いは、万人受けする面白さ。

 表題作のほか、ある生き物を使った殺人事件が起こる「黒い牙」、棋士がホテルの密室で殺される「盤端の迷宮」、極度な犬嫌いの容疑者がカギを握る「犬のみぞ知る」の4編。重厚感こそないが、誰でも気軽に楽しめる作品に仕上がっている。
 なお、寡作で知られる著者だが今年は本書ではやくも3冊目。今後も著者のアッといわせる新作に期待したい。(税別1500円)

関連記事


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ