K-1MAX世界王者の体はボロボロだった。
10月3日に2度目のK-1MAX世界王者になり、わずか3週間足らずで次の試合をこなす強行日程。ダメージ回復を図り本格的な練習はおよそ1週間しかできなかった。
そんな状況下での試合。1Rから思わぬ展開が待ち構えていた。サワーはローキックを中心に間合いを詰めるも、一瞬距離が空き右ストレートを被弾。まさかのダウンを喫した。さらに左ストレートを食らい倒れるが、スリップと判定されダウンを免れた。やはり疲れがあるのか、本来の動きができない。
しかし、2Rからは反撃に転じ、猛ラッシュ。左右のフック、ヒザなどを叩き込みダウンを奪う。その後も猛攻を仕掛け、最後はマシンガンのようなジャブで相手を追い詰めたところで試合終了のゴング。終わってみれば、3-0の判定で貫禄の勝利を飾った。
試合後のサワーは思わぬ苦戦に「リーチがある選手だったので、その圧力に耐え切れずスリップしてしまった」と反省し、「もう両国国技館では試合をしたくないよ」と苦笑いを浮かべた。さらには大みそかとの魔裟斗との対戦について「正直なところ休暇がほしい。11月24日(対ニッキー・ホルツケン)に試合をしてからは休みたい」と本音を吐露した。
この証言を受けてSB関係者は「本人の意思を尊重したい」とした。さらに「サワーは『(魔裟斗選手に)2勝しているのに、大みそかに時間を空けるのは違う。家族との時間を過ごしたい』と語ってました」と語った。
どうやら世界王者は休みを利用して家族との時間を大切にしたい様子。思い起こせば、K-1MAX10月の大会終了後も「2人目の息子のために銀行口座を開きたい」「賞金は家族のために使う」「親、子供、妻とは電話で話をしました」など、サワーは何より家族を大事にする。
大みそかを前に世界王者は戦いを取るのか、家族サービスを取るのか、サワーの決断は果たして。