侍ジャパンの頭脳が本になる!?
決勝戦で宿敵・韓国を下し、2連覇を果たした日本代表。優勝を決めたのはチームリーダー、イチローの一打だったが、今大会を振り返れば、やはり投手陣の貢献度が輝いていた。
2大会連続MVPに選出された松坂大輔、ベストナインにも選ばれた沢村賞投手・岩隈久志など各球団のエースがズラリと顔を揃えた。チーム防御率1.71は全16チーム中2位(1位は1次リーグ敗退のドミニカ共和国)。ベスト4に残ったチームの中では唯一、1点台をキープした。
その背景にはキャッチャー城島の存在があった。グラウンドの外でもバッテリー組の食事会を開き、投手陣とのコミュニケーションを強化。楽天・野村克也監督との“場外戦”を繰り広げながら、キューバを2試合連続で完封するなど結果を残した。
大舞台で見事に投手陣のポテンシャルを引き出した城島には、意外な業界から熱い視線が注がれている。
「防御率が良かったのは城島さんのリードが大きかったのではないでしょうか。城島さんの(持っている)影響力や組織力、コミュニケーション能力をビジネス書としてぜひ広めたいですね」
そう語るのは、追悼本「飯島愛 孤独死の真相」(双葉社)などを担当した渡辺拓磁氏だ。
捕手の本といえば、大先輩でもある野村監督が自身の考え方を記した「野村ノート」(小学館)を出版している。
渡辺氏は今回、城島の能力の引き出し方や統率力に注目しており、「野村ノート」ならぬ“城島ノート”として世に出せないのものかと考えているという。
2連覇を果たしたことで、他の選手にもオファーが舞い込んでくる可能性も十分ある。日本中に夢と希望を与えた侍ジャパンは未来永劫(えいごう)、後世へと語り継がれていくことになりそうだ。