多くのマスコミが注目する中で、日本テレビの看板アナウンサーであった羽鳥アナのテレビ朝日デビューが目前に迫っているわけだが、業界関係者の間では不穏な噂が飛び交っている。
実は、テレビ業界にはアナウンサー引き抜きに関して、暗黙の協定がある。他局のアナウンサーを使う場合は、元々在籍していた局を退社して半年から一年ほどの間は使用するのを遠慮するという協定である。特に明文化されたものではないが、昭和の頃から暗黙の了解のもと実施されてきた不文律であった。
この協定を最初に破ったのはテレビ朝日である。2007年3月23日にTBSを退社した川田亜子アナ(故人)を、同年4月7日『サタデースクランブル』(テレビ朝日)で、報道キャスターとして起用したのだ。
この時もテレビ朝日の強引な手法に批判の声があがったが、なし崩しにされてしまい、今回の羽鳥アナ引き抜きという結果につながってしまった。またしても、テレビ朝日が協定破りをやったと非難する声が挙がっており、もはやテレビ業界にアナウンサー引き抜きに関する不文律は存在しないと、多くのベテランの業界人は嘆いている。
フリー転向後に悲劇を迎えた川田アナのようにならないためにも、羽鳥アナには、よりいっそう自分の活動や言動に注意し、フリー転向によって生じたマイナスイメージを打破してもらいたい。