新加入のピープルズは196センチの大型右腕。今季はAAAながら25試合に先発し10勝をマーク。剛速球ピッチャーではなく、チェンジアップ、スライダーなどの多彩な変化球を低めに集めるグラウンドボーラータイプ。144回2/3を投げ抜いた実績から、今季、規定投球回数に届いたのは今永昇太のみの手薄な先発陣で長い回を稼いでくれることを期待したい。
もう一方のオースティンはメジャー通算33ホームランを誇る長距離砲。パワーは飛びぬけているがボールコンタクト率は低く、日本の変化球攻めに対応できるかが鍵となりそう。ここは日本野球を知り尽くし、ソトも大いに参考にした先輩・ロペスやラミレス監督のアドバイスに耳を傾け、筒香嘉智の抜ける穴を埋める活躍を期待したい。
ラミレス監督は来季は更なる競争を強いる方針を明かしていることもあり、外国人にももちろんあてはまる。出場登録の関係で4人までとなっていることから、毎年気温が上がらない時期に調子が上がらず、今季は自らの暴走行為で戦線離脱したパットンは、調整方法の見直しも求められるだろう。コンディションによってはピープルズが一軍に選ばれる可能性も高い。また、ファーストとして連続守備機会無失策1571の日本プロ野球公式記録を樹立したロペスも、記録が途切れてからは7失策してしまい、打撃面でもOPS.756は寂しい数字。内外野を守れることはオースティンにとって武器となり、ポジション奪取の機会もありそうだ。言わずもがな今季大活躍したエスコバー、ソトにとっても、新外国人の2人はいい刺激となり、競争によってチーム力がボトムアップされる効果もある。
チーム状況により臨機応変に対応を行うのは、ラミレス監督の得意とするところ。まずは、新外国人が実際にプレーする姿を見てみたいものだ。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘