山崎は入団以来5年間、リリーフエースとして君臨。昨年最多セーブのタイトルを手にし、今シーズン最年少で通算150セーブを記録、2年連続の最多セーブ投手にも輝く。侍ジャパンでも、守護神を務める日本を代表する守護神となった。
また、明るいキャラクターで、ファンサービスも“神”と称されるほど徹底。横浜スタジアムで登板する際の“康晃ジャンプ”はもはや名物で、誰からも愛される超人気者でもある。
そんな山崎が、早ければ来季オフにもポスティングシステムでメジャーへ移籍する可能性もあるだけに、横浜には衝撃が走った。
山崎は「1、2年目のオフにアメリカに行った」ことがきっかけとなり、「あらゆる国際舞台での経験」から、次第に世界最高峰でのプレーを思い描くようになったと明かした。「国際舞台で落ちる系は有効だった。自信を持って投げられた」との成功体験もあり、「純粋に勝負をしていて楽しい。いつかは挑戦して抑えたい」との気持ちが大きくなっていったと語った。
さらに、「年齢がいけばいくほど、いい条件では行けなくなる」ことも理由で、「ケガをしていない身体も元気なうちに」行きたいと、選手として脂の乗り切ったタイミングで夢舞台に立ちたいと素直な心境も吐露した。
球団からは「然るべきタイミングでまた話をしましょう」としたが、今年快く筒香嘉智の夢を叶えるべく動いたことからも、山崎の希望も受け入れる可能性は高い。
ファンからは「本人の夢だから」「メジャーで活躍する姿を見たい」といった声のほか、「純粋に寂しい」「筒香もいなくなって康晃もか」「主力が次々抜けて、ベイスターズはどうなる」など、様々な意見が飛び交っている。
メジャーでは、過去の成功例からも、日本人の評価は野手よりも投手のほうが高い。しかも、魔球ツーシームをウィニングショットに持つ山崎には多くのメジャー球団が興味を示すだろう。本家大魔神・佐々木主浩氏のように、小さな大魔神も海を渡るのか。まずは来季のオフに注目が集まる。
写真・取材・文 / 萩原孝弘