今年の山崎は昨年の課題をクリアし、ブラッシュアップに成功。特に本拠地・横浜スタジアムでの成績は、昨年の防御率5.08(ビジターでは0.32)から1.60と大幅に改善。チームの勝率が6割を超える好成績を収めている一因にもなっている。
また、夏場の防御率も、昨年の7月は7.11、8月は6.00の数字から、今年は7月は0.75、8月は4.50とそれぞれ成績アップ。7月には自身初となる月間MVPも受賞した。通算防御率も、昨年の2.72から今年は1点台と下げることに成功し、信頼感もグッと増した印象だ。
この活躍に、ラミレス監督も「とても安定したピッチングを見せてくれている。彼も人間なので失点することもあるが、彼の活躍のおかげでこの位置にいることが出来ている」と評し、「過去5年間で、彼ほど安定しているクローザーはいない」と絶賛。タイトルを取ったことに関しても、「とてもハッピーなこと。強いチームには素晴らしいクローザーがいるものだ」と、喜びを表現した。
「小さな大魔神になります!!」とお立ち台で宣言してから、はや5年の年月が経った。過酷なクローザーのポジションで、5年連続結果を残す事は至難の業と言われているが、30セーブに届かなかった年は2017年だけ(26セーブ)と、安定した成績を残している。7月17日には史上最年少、最速タイでの150セーブを達成。通算300試合登板し、通算セーブ数は163と歴代記録でも12位に付け、あと4つセーブを積み重ねればベスト10入りとなる。
MVP受賞の際も「出場機会があってのセーブ」と、常に周りへの感謝を忘れない山崎康晃。ファンへのサービスは“神対応”で、毎月19日にハマスタで試合がある時は、座席にサイン入りカードをサプライズで用意するなどの徹底ぶりだ。終盤戦の大切なゲームの続くベイスターズ。「康晃ジャンプ」の回数が増えるほど、勝ち星の数も増していく。
写真・取材・文 / 萩原孝弘