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ロッテ、楽天との「選手交換」は失敗? 他球団も一目置く小野・ハーマンに囁かれる不安材料とは

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 千葉ロッテマリーンズと東北楽天ゴールデンイーグルスは、選手交換の打ち合わせをしたのだろうか。

 千葉ロッテが美馬学を、楽天が鈴木大地をフリーエージェント交渉で獲得し、両球団は人的補償の手続きに必要な28人のプロテクト名簿も交換した。その直後に発表されたのが、千葉ロッテのエース・涌井秀章投手が金銭トレードで楽天に移籍したという一報だった。加えて、人的補償が両球団の間で行われ、楽天は千葉ロッテの中継ぎ陣を支えた酒居知史投手を、千葉ロッテは“未完の大器”小野郁を選んだ。

 さらに、である。千葉ロッテが前楽天のフランク・ハーマン投手の獲得も行った。

 「千葉ロッテは酒居を失いましたが、それと前後して、元広島の中継ぎ投手、ジャクソンも獲得しています。ハーマンを得たことでプラスに転じました」(プロ野球解説者)

 ハーマンはおもにセットアッパーとして活躍してきた。2019年も50試合に登板し、21ホールドをマークした。貴重な勝ちパターンでの中継ぎ投手であり、楽天が契約を延長しなかった時、ライバル球団も「何かあったのか!?」とざわついたほどだ。

 「クローザーの松井裕樹が2020年から先発に転向します。新クローザーはまだ確定していないため、救援タイプのピッチャーは一人でも多い方が良いはず。同じく外国人投手で残留が決まったブセニッツと役どころがかぶるとはいえ、ブセニッツ一人よりはハーマンもいてくれたほうが安心なんですが。それを補うのが千葉ロッテから来た酒居となります」(前出・同)

 お互いに弱点を補う「選手交換」がされたわけだが、その戦力が活躍するかどうか、その課題を背負わされたのは、千葉ロッテの方だ。

 小野は14年10月のドラフト会議で2位に指名され、将来を嘱望されていた。一軍ではまだ結果を出していないが、二軍では主にクローザーとして登板しており、19年まで2年連続でイースタンリーグのセーブ王に輝いている。「一軍と二軍の壁」をぶち破れずにいるわけだが、ロッテ首脳陣はどんな方法を使って覚醒させようとしているのか、まだ具体策は聞こえてこない。

 筆者が別目的でイースタンリーグを取材した時のことだ。たまたま、楽天戦だった。対戦チームの打撃コーチが小野を指して、「すげえなあ、あいつ」と脱帽していた。そんな相手チームからも一目を置かれる若手が「一軍の壁」に悩んでいるのだから、根深い課題を抱えているのかもしれない。

 また、ハーマンについても、こんな情報が聞かれた。

 「ハーマンと契約を更新しなかった理由ですが、『扱いにくい』と判断されたからでした。登板準備などの試合中の調整、練習メニューについて、細々と、なぜこれをやらなければならないのかを説明しなければならないんです」(球界関係者)

 ハーマンはハーバード大学卒のインテリだ。納得するまで質問を続け、楽天首脳陣を困らせてきた。千葉ロッテに行っても、その性格は変わらないだろう。

 FAで移籍した鈴木、美馬が高いモチベーションでいるのは当然だが、涌井は「見返してやる!」の思いを高めている。対して、千葉ロッテは小野を一軍戦力にできなければ、この大量な選手交換は失敗に終わってしまう。2020年、井口資仁監督の手腕が試される。(スポーツライター・飯山満)

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