県教委などによると、教諭は11年4月頃から同年9月頃までの間、自校の複数の児童に対し、スカートをめくったり、下着の中に指を入れたり、尻や太ももを触ったりした上、口元にカッターナイフを近づけるなどの不適切な行為をしたとしている。
教諭は県教委の事情聴取を拒否したり、否認したりしたため、事実関係を明確にするために、8月8日付で、強制わいせつ罪で藤沢北署に刑事告発した。
同署は10月、教諭を横浜地検に書類送検したが、刑事処分はまだ出ていない。県教委側は刑事告発後、被害児童から信ぴょう性ある証言が得られたため、「一刻も早く職を解く必要がある」として、刑事処分を待たずに異例の懲戒処分を決めた。
県教委は「刑事告発によって、被害児童の保護者から協力を得られるようになった。結果的に児童自身からも直接事情を聴くことができ、事実認定に至った」と説明している。
これに対して、教諭の代理人弁護士は真っ向反論している。県教委の処分発表後に会見した弁護士は、「事実無根。権力の暴力だ」とした上で、「児童のこれまでの話には矛盾が多く、行為を行った時期や場所などが何度も変わる。最終的には、こちらが反証できないほど、ぼやかされたものになった」と証言に信ぴょう性がないことを強調した。
弁護士は「地検が不起訴としてからでは、『えん罪』となるので、慌てて行った処分だ」と主張し、刑事処分が出る前の懲戒処分を批判した。
(蔵元英二)