ロッテの松本尚樹球団本部長は「昨晩17日の遅くに本人から連絡をいただきました。本人が悩んだ末に出した結論なので仕方がないと思います。鈴木選手にはここまでプレーだけではなく、ファンサービスも含めて様々な部分でチームを引っ張ってもらいました。多くの功績を残した選手で感謝の気持ちしかありません。新天地でも彼らしい姿を見せて欲しいと思っています」と、キャプテンを務めた球団の功労者に対してエールを送った。
大地は「私、鈴木大地は千葉ロッテマリーンズを退団することになりました。2011年のドラフトに3位で指名をしていただき2012年、代走で初出場した日から今年のシーズンが終わるまで、本当にファンの皆様に育てていただきました。特に今年の開幕2戦目の初打席での打席に入るまでのあの声援は決して忘れることはありません。今回FAという形になって、自分のSNS・お手紙、いろいろな形でメッセージをいただきました。ひとつひとつ全部、読ませていただきました。本当に、本当に幸せですし、僕が千葉ロッテマリーンズを好きという気持ちは、決して嘘ではありません。そして、変わることもありません。ただ自分の中で、野球選手として、ひとりの人間として大きく成長する、挑戦するという選択、決断をさせていただくことになりました。これから先、どんな形で皆様とお会いするかわかりませんが、ひとりの野球選手として、ひとりの人間として応援していただけるよう、しっかり成長していきたいと思います。ファン感謝デーで"We Are"をやらせていただきました。僕自身、"We Are"にはすごく思い入れがあります。たくさんの壁があった中、無理を言ってやらせていただいて、最後まで全試合いかせていただきました。エラーした日もありました。打てない日もありました。ただ、あの"We Are"をやると本当に球場がひとつになって、勝った喜びが本当に溢れ出てきました。最後に行った"We Are"。とても嬉しかったです。そして、その後の皆様の応援歌、本当に嬉しかったです。この先、どんな形で恩返しできるかわかりませんが、決断した以上、中途半端にすることなく、まっすぐ、泥臭く、一歩一歩進んでいきたいと思っております。皆様と一緒に野球ができて本当に幸せでした。今の僕があるのは本当に皆様のおかげです。日本一の応援・声援、本当にありがとうございました」と語り、ファンに対して感謝の言葉を送るとともに、“恩返し”を誓っている。
ロッテの顔だった大地の退団は寂しい限りだが、いつかまたロッテのユニフォームを着る日が来るはずだ。それまでは違うユニフォームを着てロッテと対峙することになるだろう。ロッテは若手の内野手が成長しているだけに、大地の前で彼らが活躍することが、大地に対する“恩返し”になるのは間違いない。これをチャンスと捉えて若い選手の台頭が望まれるところだ。
(どら増田 / 写真・垪和さえ)