しかし日本中が芸能ニュースに釘付けになっている状況に、背筋が寒くなる思いを覚える方は、実は少なくないのではなかろうか。それは、情報通ならばピンとくる一種の“デジャヴ”の感触なのかもしれない。
2009年8月、かつて「のりピー」こと酒井法子が覚醒剤不法所持の嫌疑から逃れるために失踪し、そして逮捕された一連の騒動が、世間を席巻した。こののりピー騒動があまりにも大きくなりすぎたため、その直前に勃発した押尾学事件(押尾がMDMAを服用、及び押尾と同衾した女性がMDMA中毒死し、押尾が保護責任者遺棄致死罪に問われた)が霞んでしまったが、一部の事情通の間では、政財界に通じる“闇の六本木人脈”が押尾の逮捕によって明るみになりかねないことを恐れる勢力が仕向けたスケープゴート、それがのりピー事件であったと今も根強く囁かれている。その他にも、大きな芸能ニュースが勃発すると同時に、政治・社会の方面で世間の目を盗むようにひっそりと“何か”が起こったケースは、枚挙に暇がない。
本稿は陰謀論や都市伝説を喧伝することが目的ではないが、今回の上原さん自殺報道の過熱ぶりに、何か一種の“キナ臭さ”を感じる向きが少なからず存在するのも、また事実。では、上原さんが自殺した5月12日には、いったい何が起こっていたのか。
「東京電力、福島第一原発1号機のメルトダウンを認める」。
…この国は、どこへ行ってしまうのだろうか?