柱となるのはメインイベントにラインナップされた格闘技界の“神童”那須川天心とロッタンの一戦だ。天心は今年2月、KNOCK OUT大田区総合体育館でスアキムにあと一歩のところまで追い詰められた。ロッタンはそのスアキムからダウンを奪い、圧勝している。昨年4月、ロートレックがKNOCK OUT大田区大会で梅野源治に勝ったが、ロッタンは先日ロートレックからも勝利を収めている。
天心がスアキムに勝った際、タイ側から「まだまだ強い選手はいる」とのコメントがあった。スアキムを超える史上最強の対戦相手との対戦は、日本はもちろん、タイでも話題になっているという。この試合は天心からの要望もあり、初代RISE世界バンタム級王座決定戦と位置づけられた。天心は総合も含めるとデビューから30連勝の負けなし。この30勝の中にはワンチャロン、スアキムらタイを代表する強豪選手も含まれているだけに、ロッタンも負けるわけにはいかないだろう。
TEPPEN GYMの那須川弘幸会長は「確かにロッタンは強いけど、スアキムに比べたらやりやすい相手かもしれない。ロッタンは本当に今までやった中では一番強いですよ。ただ、スアキムの方が何をしてくるか分からない怖さがあった。そこをしっかりと対策を立ててやりたい」とロッタン戦に向けてしっかり戦略を練ると話した。
RIZINの榊原信行実行委員長は先日の会見で「大丈夫でしょう。勝って帰って来てくれるはず」と天心への信頼を口にしていた。RIZINは9月大会と、大晦日の大会の目玉に天心が提唱した世界キックトーナメントを据えている。天心には強い選手にしっかり勝ってもらい、トーナメントの価値を上げてもらいたいことだろう。
「相手は強いですけど、必ずKOで勝ちます」
天心は誓った。大舞台であればあるほど燃える天心のことだから、幕張でも最高のパフォーマンスを見せてくれるに違いない。また今大会では、TEPPEN GYMから篠塚辰樹が参戦する。加えて白鳥大珠の再デビュー戦、那須川梨々のデビュー戦も控えている。弘幸会長は「大忙しですよ」と笑っていたが、メインイベンターとして最後に花道を歩く天心が背負うものは大きい。気になる生中継はGYAOが無料配信することが発表された。
他にもRISEだからこそ実現できるカードがズラリと並んだ6.17幕張メッセ大会。格闘技界初夏の注目大会となった。
▼メインイベント RISE世界フェザー級(-57.15kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R
那須川天心(TARGET/Cygames/RISEバンタム級王者)対 ロッタン・ジットムアンノン(タイ/ジットムアンノンジム/ルンピニースタジアムスーパーフェザー級1位、ラジャダムナンスタジアム同級2位)
▼セミファイナル 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R
森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/同級1位)対 工藤政英(新宿レフティージム/同級2位)
他、全15試合。
取材・文・写真 / どら増田