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【連載】「ミカエル・コバタの沖縄あれこれ」第34回〜“神の島”久高島

 ハイサイ!

 今回は“神の島”として、知られる久高島を取り上げます。

 久高島は沖縄本島東南部に位置する知念半島の東約5キロにある、周囲約8キロの小さな島です。合併で現在は南城市に属し、人口は約270人(10年4月現在)です。

 久高島は琉球の創世神アマミキヨが天から舞い降りて、国づくりを始めたとされる琉球神話の聖地です。琉球王朝時代に国王は、この島への巡礼を欠かすことはなかった。

 島には数々の聖地があり、なかでもクボー(フボー)御嶽(うたき)は島第一の聖地で男子禁制。現在は女子も立ち入りが禁止されています。島の土地は神から授かったものとして、私有地はありません。

 島北端のカベール岬はアマミキヨが降り立ったとされる地であり、海神が白馬の姿で降臨したとも伝わる聖地とされています。

 この島では、12年に一度午(うま)年に行われる祭事イザイホーに代表されるように、神秘的な祭事がそのまま残っており、民族的にも貴重だ。ただ、イザイホーは祭事を仕切る神女・ノロ(祝女)の後継者不足により、1990年、2002年は中止されている。

 こういった聖なる島であることから、ほぼ観光地化はされておらず、ありのままの自然を楽しむことができます。

 島には多くの手つかずのビーチがあり、海遊びができる。マリンスポーツの業者もあり、ダイビングやシュノーケルもできます。ただし、いしき浜は海の彼方にあるニライカナイから、来訪神が島に訪れる際に船が停泊する神聖な場所とされ、遊泳は禁止されています。

 こういった島なので、リゾート地を望む方には意に沿いませんが、沖縄の歴史や伝統、自然にふれたい方にはオススメの島です。

 ほとんど観光地化されていないといっても、ロマンスロードと呼ばれる絶景が望める遊歩道が整備されるなど、観光客への配慮もあります。

 島内交通はバスもタクシーもありません。ただ、島は小さく平坦なので、レンタサイクルで十分周れます。また、NPO法人・久高島振興会では、車で島を巡る体験ガイドツアーも挙行しています。港の近くには食事処も数軒あります。宿泊は久高島宿泊交流館の他、民宿が数軒あり、郵便局に素泊まりも可能です。

 アクセスですが、那覇バスターミナル(旭橋)から10番乗り場38番志喜屋行き(東陽バス)のバスで、安座真サンビーチ入口下車、所要約1時間(運賃片道760円)。バスは本数が少ないので、注意が必要です。バス停から徒歩2分の知念安座真港から久高海運のフェリーで約15分、高速船で約20分。運賃はフェリーが片道650円(往復1240円)、高速船が片道740円(往復1410円)。フェリー、高速船とも1日に各3往復しています。

 ぜひ、一度、神秘な島を訪れてみてください。
(旅人:ミカエル・コバタ)

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