85期に落ちたものの、競輪選手に魅力を感じていた稲垣は、自衛隊の上官の許可を得てスーパーマックスを置かせてもらい、体力増強に心がけ、86期で合格した。
先行、まくりの稲垣と自在の村上。稲垣には素晴らしいダッシュ、村上には自分の展開に持ち込むしぶとさがある。
稲垣は平成19年の松阪ふるダビでバック4番手からまくって長塚智広(茨城)とのまくり合戦に快勝。村上も同年の地元・京都向日町で共同通信社杯を制した。
特に村上の気合はすごかった。準決で武田豊樹(茨城)のまくりばなを抑えて自力まくり。決勝は武田に付いた室井竜二(徳島)の3番手から山崎芳仁(福島)の仕掛けにあわせてまくった。
一方、稲垣は山崎キラーとしても有名で、山崎をまくりの展開に持ち込んでは不発に終わらせている。
この同期コンビが来年のGI、GIIで活躍することは間違いない。スタートをとって有利な位置をキープする村上、その村上を引く稲垣、稲垣がいれば村上義弘も同じレースをする。来年はデビュー8年目、キャリアを積んで北日本ラインを完封する気迫も十分。目標はG1優勝、その願いが達成される日は近いだろう。
いままでの追う立場から後輩の88期や90期台のチャレンジはあるが、それがかえって刺激になるはずだ。