西武園では初日特選では浜口高彰(岐阜)、準決でも香川祐介(香川)が差せなかった。ともにすんなり回ってくれば先行をチョンと差す名人だ。いかに直線の短い西武園とはいえ、直線まで脚をためる余裕は新人らしからぬものがあった。
驚きはさらに大宮戦で大きくなった。初日は山口富生(岐阜)に差されたが、準決はまくりだしにマーク屋の鰐淵正利(愛知)がプツンと切れた。
決勝では大宮が地元の藤田竜也(埼玉)の先行を軽くまくって、マークの山口は追走一杯。1/2身につめよるのがやっとだった。長い大宮の直線を押し切ったのだから、浅井株は急上昇している。
8月は四日市GIIIから9月の一宮オールスターへと、スターの階段を上って行く。
先行、まくり、さばきとなんでも出来る器用さはとてもS級にあがって1年の新人とは思えない。今度は追う立場から追われる立場になるが、33であれ400、500とバンクの違いをまったく気にしない勝負度胸は、本当に新人離れしている。
中部の先行では小嶋敬二(石川)、金子貴志(愛知)に次ぐスピードをもっているのではないか。
地元地区の一宮オールスターは2度目のGI挑戦になる。寛仁親王牌でも(1)(9)(7)(1)と二次予選で山崎芳仁(福島)に先手を取られて敗れたが、2勝している。こんどは地元地区での優参をねらう戦いだ。
浅井の成長で張り切るのは岩見潤(71期)だろう。マークには定評があるが、いつもの中部3番手からこんどは浅井マークがばっちり取れる。
浅井と同門の柴崎淳、俊光の兄弟は91期で揃ってデビューした。師匠は佐久間重光だ。淳のほうが早くS級にあがり、昨年8月の玉野で(1)(1)(1)とFI優勝を果たし、決勝では地元の三宅伸相手に完勝している。
近況も兄に差をつけているが俊光も負けていられない。まだS級戦になれていないが、平成16年のインターハイのチームスプリント2位のパワーは、必ず出てくるはず。兄弟揃って先行よりまくりが得意だが、中部ラインを引く意志も強い。
三重は須田一二三が岐阜に移ってから、岐阜勢と仲がいい。現在76名の三重勢をリードするのは、佐久間重光で弟子は浅井、柴崎兄弟のほかにもしぶとい中村光吉(60期)がS級にいる。佐久間も50歳になったが差し脚は健在、A級で頑張っている。
ほかに追い込み選手では上田裕和(86期)がA級からS級に戻った師匠の田中邦輝(62期)とともに「穴男」ぶりを発揮してくれるだろう。