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メジャースカウトが注目している侍ジャパンの“ポスティングトリオ”

 WBCに集結するメジャーのスカウトが、侍ジャパンの“ポスティングトリオ”に注目している。あす18日(日本時間)の第2ラウンド、対韓国戦に先発予定のダルビッシュ有(22=日ハム)を筆頭に岩隈久志(27=楽天)、藤川球児(28=阪神)の3投手だ。元々評価されていた日本代表の投手陣は現地入りしてから、さらに急上昇。今シーズン後には、メジャーによる獲得合戦が演じられることになりそうだ。

 トリオの筆頭は、メジャースカウトが数年前から追いかけているダルビッシュ。日本では大舞台に弱い、デーゲームは使えないと言われてきた。そんなウイークポイントを見事、一掃してみせたのが12日、アリゾナでのジャイアンツ戦、デーゲームの練習試合。
 先発で2回を投げ、2安打2三振。2回には1死満塁のピンチを招くが連続三振で切り抜け無失点に抑えた。スポーツ紙記者が言う。
 「WBCの使用球に、かなり慣れてきている。空気は乾燥していたのに球への指のかかりは悪くなかったので、それが分かる。メジャーのスカウトが集まっていたのはダルも知っていて、大リーグ入りするしないにかかわらず、気合が入ったみたいです」
 東京ドームの第1ラウンドで好投したとはいえ、相手は中国。腕試しにもならなかった、というのがダルの本音だろう。WBCはアメリカに上陸してからが本番。韓国が相手なら願ってもないが、メジャースカウトの評価はたとえ打たれても、変わりそうにない。
 「ストレートは並だが、ツーシームにカットボール、スライダーと球種が多彩。とくに低めにコントロールできるし、キレもある。まだ22歳。どの球団もほしがるのは当然だ」
 大リーグ東地区球団ののスカウトはそう言って、ウインクしながら親指を立てた。

 30球団すべてが狙っているといわれ今回、メジャーに所属していない投手ではナンバー1の呼び声が高い。ネックは移籍の際の入札金額。スポーツ紙デスクの話。
 「アメリカの大不況が球団経営にも影響を及ぼしているといっても、余力はある。松坂の総額約1億ドル(当時約130億円)と同等か、それ以上にヒートアップしても獲得しようとする球団が出てきておかしくない」

 岩隈も評価が高まってきている。アメリカではキューバ戦で松坂の後を受けて、1回を無難に投げきっただけだが…。
 「低めへの制球力がなによりの魅力。メジャーはパワーよりコントロール。内角、外角と投げ分けられる岩隈は、それだけで買い材料になる」(前出・デスク)
 先発だけではなくリリーバーで使えることから評価は高まっているが、ネックは本人に大リーグ志向がそれほどないこと。しかし、メジャーのスカウトはあきらめていない。今シーズン終了後、メジャーの熱烈勧誘を岩隈がピッチング同様、かわせるかも話題になる?

 トリオの3人目、藤川は早くから大リーグ志向。球団サイドに契約更改の度に直訴していることで知られる。阪神担当記者の証言。
 「藤川は今回がメジャーにアピールする最後のチャンスと思っている。登板すれば、自分のすべてを出すつもり」
 藤川の売りは、速球が打者の手元で浮き上がること。メジャースカウトはこれを高く評価する。
 「クローザーに人材不足の球団は多い。かつてのDAIMAJIN(佐々木主浩=元マリナーズ)や斎藤隆(レッドソックス)で使えるのは分かっている。球団からOKが出れば、獲得合戦になるのは確実」(前出・大リーグスカウト)
 WBCは侍ジャパン投手陣の品評会でもある?

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