V1戦がいきなりランキング1位のロハスとの指名試合になった粟生。最強の挑戦者が相手だが「特に意識はしていない。注意するのは右ストレートだけ」と自信タップリに言い放った。
フィリピンから選手を招くなどタイトルマッチに向けて、120ラウンドのスパーリングを消化。得意のカウンターも3種類使いこなせるようになった。まさに「抜かりなし」といった状況だが、葛西裕一トレーナーは好調の要因をこう分析する。
「暑い時期に冬と練習量が変わらない。練習量も増えるから、減量にも苦しまないし、食べられる。プラスのスパイラルですよ」
進化した部分はそれだけではない。「(前回と比べて)『相手を倒せるな』と思えるパンチを打つ確率、回数が上がっている。スナイパーみたいな、ライオンのような獲物を仕留めるような雰囲気をかもし出している」と“野獣化”しているというのだ。この日は、日本同級王者の松田直樹を相手に2回のスパーリングを披露。ライオンのたてがみのような髪の毛をなびかせ、キレのある動きを見せた。
「一番強い1位の相手に勝って、世界一を証明したい」“百獣の王”と化した粟生が最強の挑戦者に襲い掛かる。