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ダルビッシュ発言が契機 米選手会もタナカ問題を無視できなくなった!

 ダルビッシュ有(27=テキサスレンジャーズのひと言が米球界の慣例を一変させるかもしれない。
 去る7月14日(現地時間)、米オールスターゲーム本番前日会見で、ダルビッシュが『肘の靱帯損傷』に関する持論を展開した。きっかけはヤンキースの田中将大(25)が肘の故障。メジャーリーグの先発5人制による『中4日のローテーション』、米メディアのスプリット多投に対する誤解、メジャー公式球の粗悪さ、基礎体力トレーニングの不十分さなどを熱く語っていたが、要するに全ては米球界批判である。一歩間違えれば、米球団経営者だけではなく、米国ファンからもバッシングを浴びるところだったが、「好意的に捉えられている」(米国人ライター)と言う。

 彼の発言力、感情論ではなく、丁寧に理詰めで説明していくその言葉のチカラを再認識した日本の関係者も少なくなかった。
 「昨年は加藤良三・前コミッショナーを、たったひと言でやっつけてしまいましたね(笑)。統一球問題で、12年使用球の反発係数が規定数値に実に届いておらず、13年、内々に改善されていました。加藤前コミッショナーは『知らなかった』の一点張り。ダルビッシュはコミッショナーが知らない方が問題だと苦言を呈しました」(プロ野球解説者)
 今回の「中4日」の先発ローテーションを見直す私見について、米ニューズデー紙は<6人ローテーションはトミー・ジョン手術の危機を救うか?>の見出しで特集記事を掲載。ニューヨーク・タイムズも『多くの若者がプロスカウトの目を引こうと、ドラフト前から95マイル(約153キロ)の速球を投げている。これがプロ入り後すぐに手術を受ける傾向に拍車をかけている』と、賛同していた。
 「田中がトミー・ジョン手術を受ける、もしくは長期欠場するような事態になれば、一大事です。ダルビッシュに共鳴する米野球ファンも多いので」(前出・米国人ライター)

 しかし、米球団経営陣、チーム編成担当が日本式の中5日の先発ローテーションを即採用するかどうかは、別問題だという。
 「近年、メジャーリーグでは好投手が少なくなっている。30球団が一定レベル以上の先発投手を6人も抱えるのは難しい。5人制の今でさえ、4番手以降の投手のレベルが低い球団もある。投手に限ってベンチ入り要員を増やすなどのルール変更案も出ていますが…」(前出・同)
 米球界の経営陣はダルビッシュの発言に対し、今のところ、アクションは起こしていない。だが、昨季新人王のホセ・フェルナンデス(22=マーリンズ)も今年5月に『トミー・ジョン手術』を受けており、「何かしらの対応策を」とファンも願っている。

 「星野監督が開幕当初の田中を(テレビ中継で)見て、変化球の割合が多くなったことを気にしていました。日米の配球に関する違いを指摘していたわけですが、肘への負担を危惧していました」(NPB関係者)
 近年、海を渡った日本人投手の大多数は『故障』を経験している。だからといって、「アメリカ球界は投手を大切にしない」わけではないが、米選手会も議題に挙げる方向だという。ダルビッシュは最多勝獲得の予想もされていた。米選手会が動けば、解決策が見つかるまでそう時間は掛からないだろう。そのとき、ダルビッシュの発言力の大きさも再認識されるはずだ。

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