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田中離脱で再認識された!? “無傷”黒田の存在価値

 ニューヨークヤンキースのチームドクターが遠征先のシアトルに駆けつけ、田中将大(25)の右肘靱帯の一部損傷を確認したのは、7月10日(現地時間)。駆けつけたチームドクターの人数は、3人。医師の人数はもちろんだが、遠征先にわざわざ呼び寄せたところからも『田中の戦線離脱』が、チームにとって「いかに痛手だったか」が伺える。
 「リハビリを6週間行い、そこで回復の見込みが表れなければ、『トミー・ジョン手術』に踏み切るとのことです。大事に至らないことは祈るばかり」(現地特派記者の1人)

 田中の戦線離脱によって、09年以来のワールドシリーズ制覇の夢もかき消されてしまった…。田中の離脱によって、ヤ軍は先発ローテーションの5人中4人を失ったことになる。7月末のトレード期限まで「ヤ軍はなりふり構わずの補強に出る」とも伝えられているが、すでに「本命を喪失している」という。
 「ヤンキースが狙っていたのは、カブスのジェフ・サマージャ、ジェイソン・ハメル両投手でした。ハメルはヤンキースが田中と入団交渉を進めていたとき、カブスがアプローチした投手で、サマーシャは奪三振率の高い右腕です」(米国人ライター)
 この時期、メジャーリーグは『ファイヤー・セール』を行う。優勝戦線に残ったチームはピンポイントで『弱点』を補強するため、駆け込みトレードに乗り出す。下位チームは高額年俸のベテラン、複数年契約の最終年選手を“売り”に出し、その見返りに有望な若手をもらい、来季以降の布陣を整えていく。
 巻き返しに必死なヤンキースは是が非でも『先発投手』が欲しいところだが、サマージャ、ハメルの本命をアスレチックスに奪われ、下位チームの出方を伺っているという。

 「フィリーズのクリフ・リー、メッツのバートロ・コローン、ディロン・ジーなどの名前も放出要員として挙げられています」(前出・同)
 トレード候補はまだ残っているようだが、ヤンキースにはその見返りとして放出できる若手が少ない。下位チームの側にしてみれば、主力選手を“捨てる”以上、それ相応の若手を獲得したい。つまり、今のヤンキースとはファイヤー・セールを成立させる意義がないというわけだ。
 「ヤンキースも大出血を覚悟しているようですが…。かといって、ファイヤー・セールで獲得した投手が戦力になるという確証もありません。対照的に、先発スタッフとして唯一残った黒田への評価が高まっています」(同)
 ヤンキースも必死だが、田中の回復を祈る方が確率性は高いのでは? 
 黒田博樹(39)は昨季までの2年間、ヤンキースの事実上のエースとして奮闘してきた。大きな故障もなく、ここまで投げ続けてきたタフネスさは、もっと評価されるべきではないだろうか。

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