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緊急獲得の建山はトラの救世主になれない!?

 阪神に途中加入した建山義紀(38)の“凱旋登板”が先送りとなった。帰国後初のシート打撃登板は7月1日。打者4人と対戦し、ヒット性の当たりはゼロ。バックネット裏から見守っていた平田勝男・二軍監督は「すぐ試合で投げることになると思うよ」と語り、同8日の広島戦(鳴尾浜)が有力視されていたが、初登板は先送りとなった。
 「他意はない。万全を期して実戦登板してもらえれば…」(チーム関係者)

 入団会見は6月25日だった。建山のようなサイドハンドは『トラの救援陣』にはいなかっただけに、クローザー・呉昇桓に繋ぐセットアッパーとして大きな期待も寄せられていた。当然、ファンも「建山は即戦力」と見ていたが、いまだ二軍戦にも投げていない(7月8日時点)。チームに合流して約2週間が経過しているが…。
 建山獲得の仕掛け人でもある中村勝広GMは、こう語っていた。
 「チーム巻き返しのために大いに貢献してほしい」(入団会見より)

 建山がFA権を行使し、米球界に挑戦したのは2011年。昨季途中からヤンキースに移籍し、今春はオープン戦7試合に登板し、防御率1.13点。だが、開幕はマイナーで迎え、5月9日には非情の『戦力外通告』を受けてしまった。
 「建山は『バックアップ要員』としてキャンプを迎えました。主力投手に故障者が出た場合に備えるというもので、忸怩たる思いもあったはず。ヤ軍退団後は他球団からのオファーを待ちながら、1人で練習を続けていました」(現地特派員の1人)
 実戦から遠ざかっていたことが、今も影響しているようだ。

 また、こんな見方もある。トラは救援投手層が薄いとされているが、福原、加藤、渡辺、金田などがおり、「呉昇桓に繋ぐ」という継投パターンも出来ている。
 「救援投手が『少ない』というのは間違いで、タイプの似ている投手ばかりなんです。ちょっと乱暴な言い方になるが、阪神の救援投手の直球のキレ、スピード、そして変化球、みんな平均点なんです。好投手ではあるものの、たとえばの話、先発の藤浪の後に出てきたとしたら、ストレートが藤浪より眼劣りする分、対戦打者は『打ちやすい』という印象を持ちます」(前出・解説者)
 先発・藤浪がスタミナ切れで降板したと仮定する。後続投手の直球が“二線級”であれば、相手打線は藤浪のストレートに眼が慣れてきた分、「打ちやすい」と感じるはずだ。『藤浪-呉昇桓』の継投リレーだとしても、同じような弊害がある。藤浪、呉昇桓ともに直球のキレ、スピードには定評があるが、やはり、藤浪の投球に眼が慣れてきた分、相手打線は呉昇桓に脅威に感じないのだそうだ。そう考えると、『右のサイドハンド・建山』は相手打線の目先を変える意味でも、使い勝手の良いセットアッパーということになる。中村GMが建山に大きな期待を寄せていたのもそのせいだろう。しかし…。

 「実戦から遠ざかっていたからでしょう。建山は調整不足と見る阪神関係者も少なくない。二軍戦にもまだ登板していないのはそのせい」(前出・同)
 日本ハム時代の建山を知る別のプロ野球解説者が、帰国後の様子をこう評する。
 「真っ直ぐは遅くなりましたが、高めの真っ直ぐでカウントを稼ぎ、2ストライク後に内角へ落ちる変化球を放る攻め方は変わっていません。ハツラツと練習しているようだし、もう少し時間を与えてやれば、必ず戦力になると思う」

 球宴明けの一軍合流では、チト遅すぎるのではないか…。
 シーズン途中に緊急獲得した選手には、『即実戦デビュー』してもらわなければならない。阪神渉外担当は建山の状況をきちんと見極めたのだろうか。それとも、現投手陣にはいない『右のサイドハンド』というだけで獲得を決めたのか? 蛇足になるが、近々の実戦登板を示唆していた平田二軍監督も「(シート打撃登板後の)明日の様子を見て」と前置きしていた。

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