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キャンプ情報 2012年大混戦の予兆 阪神編

 衝撃的なシーンだった。主砲・新井貴浩もバントゲームに参加し(2月11日)、投手前にしっかりと『犠打』を決めた。バントゲームは和田豊監督が昨年の秋季キャンプから取り入れられた実戦形式の練習法で、1回4アウト、無死一塁の場面からスタートする(6回まで)。その名の通り、攻撃は“バント関連”のみ。ヒッティングに切り換えるバスターの作戦も選択できるが、「1イニング1回まで」と制限されている。無死一塁からのスタートで4アウト制だから、『犠打3つ』で1点は入る計算だが、守る側も「バントをしてくる」のは分かっている。したがって、送りバントなら確実に打球を失速させ、セーフティバントの場合は、ライン上や野手と野手の間などを正確に狙わなければならない。守る側も正確なスローイングや連携プレーを行わなければならない。状況判断、走塁能力、犠打、守備面での確実性などを養うのが目的とされている。

 『バントゲーム』に4番候補を参加させたということは、「試合状況に応じて、クリーンアップにも犠打のサインを出す」のだろう。新井、金本知憲、鳥谷敬、ブラゼル、マートン、城島健司…。今年も重量打線が編成されるのは間違いないが、和田監督は一発に頼りきったスタイルから脱却しようとしている。
 期待のドライチ、伊藤隼太外野手だが、「練習では評価しにくい選手」だと思った。というのも、ロングティーの練習を見ていると、飛距離も打球のスピードも月並み。外野の定位置争いのライバルでもある中谷将大の方が打球の質は上だ。なのに、8日のシート打撃では3打数2安打と結果を出しており、「打つべくして打ったヒットだ」と、和田監督を唸らせている(同日/共同会見より)。
 バットグリップの位置を低くし、スイングの始動も改造中とのことなので、練習で目立たなかったのはその影響だろう。「実戦向きの選手」なのかもしれない。

 だが、金本が例年以上に“元気”だったので、この黄金ルーキーの使い方は難しくなる。和田監督は金本の4番復帰も示唆しており、『2年連続最多安打』のマートンも健在だ。このマートンは一昨年こそ外野全てのポジションに入ったが、昨年はライトのみ。金本はレフト。伊藤隼は「もっとも守備範囲の広いセンター」で、レギュラーを争わなければならない。守備力なら藤川俊介(登録名=「俊介」)、打撃力なら、柴田講平もいる。柴田は昨年こそ二死満塁の場面で走者一掃となる落球ミスを犯したが、守備はむしろ巧い方である。左肩痛で別メニューだったが、バットの方は早く実戦復帰したくて、ウズウズしているといった感じだった。伊藤隼も打撃力を買われての1位指名だが、「実戦向きの選手」は、「やってみなければ分からない」というリスクをともなう。2年目の中谷も外野にコンバートされたばかりだが、守備面での不安はない。シートノックの返球を見る限り、肩も強い方である。この中谷にも実戦経験を積ませたいだけに、外野のレギュラー争いは開幕直前まで続くだろう。
 『復活』は金本だけではない。ベテラン投手の安藤優也も良かった。昨年、一昨年と2季続けて不振だったが、ストレートの威力は164イニングを投げた09年に近いものがあった。先発枠の奪回を目指しているようだが、今の時期にこれだけのストレートが投げられるなら、クローザー・藤川球児に繋ぐ「8回担当のセットアッパー」も務まるのではないだろうか。

 また、前述のバントゲームで登板したドラフト4位の伊藤和雄も開幕一軍メンバーに食い込んできそうだ。伊藤和は東京国際大学の出身。そう、同大学の監督は広島、大洋を指揮した古葉竹識氏である。“広島野球”で鍛えられた片鱗だろう。バント処理を無難にこなしており、クイックモーションも巧い。和田構想では伊藤和はセットアッパーらしいが、「変化球の持ち球」も多いと聞いているので、先発でもテストしてみたい逸材である。
 この“両伊藤”が、新人王を争う可能性も高い。新生・和田阪神は確実に戦力をアップさせた。

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